悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

給与明細には重要な情報が詰まっている

 以下は,いまどきウォッチング提供記事(著作権は日本FP協会に帰属)のほぼほぼコピペです。

給与明細から自分の商品価値を知る

 毎月の給与明細をきちんと確認している会社員は,あまり多くないといわれています。

 新社会人にとっては初めての給与は印象深いものですが,給与明細よりも使い道が気になる人のほうが多いのではないでしょうか。

 給与明細は給与の内訳を記したものという表面的な解釈をしている顧客には,まずその読み方を説明することから始めましょう。

 給与明細は「勤怠・支給・控除」の3部構成となっています。

 勤怠の項目でのポイントは「締め日」と「支給日」です。

いつからいつまで働いた分が,いつ支払われるのかを知ることは,給与は自身が提供した労働の対価だという意識付けにつながります。

 所定労働時間(企業によって異なる)を超えて働くと残業となり,法定労働時間(原則1日8時間・週40時間)を超えて働いた残業代は1時間当たりの賃金の25%割り増しで支払われます。

 休日出勤や深夜まで残業をすると,さらに割り増しとなります。

 とはいえ,フレックスタイム制が導入されている会社や,職種によっては裁量労働制となっている場合もあり,会社との雇用条件をきちんと理解しておく必要があります。

 新卒で入社した場合は,採用された会社の状況しか知らないため,自分の置かれた環境がどのような位置付けなのかわからないものです。

 そのため,就業規則や労働者の権利を知ることの重要性を伝えることも大切です。

 働くことで得られる対価とは,すなわち自分の商品価値であり,その価値を高めていくために自分自身への投資も必要であるというアドバイスも重要です。

いかに収入を得るかは,これからの人生設計において最も基本となる部分です。

各種手当は福利厚生制度と合わせて確認を

 支給の項目には,基本給,残業手当,役職手当や通勤手当などが並びます。

 かつては家族手当を支給する会社も多くありましたが,最近では,多様化するライフスタイルを反映し,見直す企業も増えています。

 また,コロナ禍でテレワークが増えたことにより通勤手当を見直し,在宅勤務手当という新しいタイプの手当に切り替えるところもあります。

 基本給以外の各種手当は,多くの場合,自らが勤務先に申告することで手当の対象となりますので,福利厚生制度と合わせて確認しておきたい情報です。

 ほかにも資格を取得することで受けられる手当や,業務内容により異なる手当が支給される場合もあります。

 収入アップにつながることへ積極的に取り組む姿勢の重要性についても伝えましょう。

 支給欄に退職金に関わる情報が載っている場合もあります。

 例えば,企業型確定拠出年金制度の選択制を導入している会社での「前払い退職金」という記載は,確定拠出年金の事業主掛金をあえて給与として受け取っているという意味です。

 本来このお金は,従業員の老後の生活のためにと会社が負担し,それを従業員自らが確定拠出年金として運用するものです。

 確定拠出年金の掛金の場合,給与と異なり所得税・住民税・社会保険料を引かれることなく将来の資産形成に振り向けられることがメリットなのですが,確定拠出年金の掛金として拠出すると60歳まで引き出しができない制約も生じます。

 そこで,前払い退職金として給与に合算して受け取ることを選択できる会社もあります。

 この場合は給与と同等の扱いですから当然に税金と社会保険が控除され,手取り額は減ってしまいます。

 選択する際はそれぞれの受け取り方の違いを熟考するべきなのですが,よく内容を知らないまま安易に前払い退職金を選んでいるケースも散見されます。

控除欄から社会の担い手であることを伝える

 控除欄には,健康保険料・介護保険料・雇用保険料・厚生年金保険料・所得税・住民税があります。

 まずチェックしたいのは,勤務先の社会保険が「協会けんぽ」か「組合健保」かということです。

 前者の保険料は標準報酬月額を用いた等級により決まり,労使折半されますが,後者の多くは事業主側がより多く負担する場合があります。

 また,協会けんぽの保険料率は都道府県によって異なり,組合健保には高額療養費に加えて付加給付があることが少なくない,といった制度の違いがあります。

 できれば,保険者が運営するWEBサイトを一緒に見ながら,負担する保険料の成り立ちやどんなときにどんな給付が受けられるかを解説するとよいでしょう。

 その際は,今後転職などを経験することも視野に,勤務先や勤務形態が変わると給付内容が変わる場合もあることを伝えます。

 例えば,傷病手当金と出産手当金は被用者の健康保険からは支給されますが,国民健康保険の制度にはありません。

 雇用保険は,仕事を辞めたとき以外にも教育訓練を受けたときに給付金が得られることなども伝えたいポイントです。

 また,働き続けることを支援するために,育児休業給付金や介護休業給付金など,雇用保険から支給されていることも付け加えましょう。

 厚生年金は,新社会人など若い世代には関心を持ちにくいところかもしれません。

 しかし年金は保険である,もらうものではなく自らが作るものであるという点は伝えたいポイントです。

 老齢年金を語る際,多くのメディアは損得勘定で発信しますが,年金は貯蓄ではなく保険料を払った人同士で助け合う長生き保険であることを理解すべきです。

 そのうえで,働けなくなった場合の所得補償である障害年金,家族が亡くなった際の生命保険である遺族年金と3つの保険のパッケージであるという認識をしっかり持ちたいところです。

 保険だという理解が進めば,保険料の支払いの義務を負っているから給付を受ける権利があるのだという点もわかりやすくなりますし,相互扶助の仕組みだと理解できれば,社会の担い手であるという認識が芽生えるのではないでしょうか。

 なお,老齢年金は現役世代が年金受給世代を支える賦課方式のため,少子高齢化によって大勢で1人を支える「おみこし型」から1~2人で1人を支える「肩車型」へ変化する中で,特に若年層にしわ寄せがいくと思われています。

 しかし,実際に働いている人口を分母に,年金受給者を分子とすると1970年代からそれほど比率は変化していないということがわかっています。

 自分が受給できる年金額は支払った保険料に連動するものであり,今後年収を増やすことが,すなわち将来の年金を増やすのだということはしっかりと伝えたい事実です。

 将来の年金額の計算の元となる標準報酬月額はねんきん定期便での確認がお勧めです。

 給与明細で天引きされた厚生年金保険料がねんきん定期便にも反映されていますから,毎月の給与と等級の関係性もイメージしやすくなります。

 老齢厚生年金を算出する公式も併せて示すとよいでしょう。

源泉徴収票は会社員の決算書

 給与明細には,たくさん重要な項目が記載されていますが,一度の説明ですべてを理解するのは困難です。

 できれば時間を分散し,角度を変えて説明の機会を持ちたいものです。

 例えば1年間の給与明細とともに,会社員にとっての決算書ともいえる源泉徴収票も含めてお金の流れを総括するのもお勧めです。

 給与所得控除は給与収入に応じ領収書不要で経費として控除されるもの,社会保険料控除や生命保険料控除は所得控除,といったことにまで知識が広がれば,収入と所得,課税所得の違いがしっかり理解できるようになります。

 また,年収が増えても,控除額が増えると所得税を抑えることができます。

 医療費控除は家族の誰が医療費を負担するのが最も効率的か,iDeCoの掛け金が控除されると子どもの保育料にどう影響するのか,年末調整で提出した生命保険や医療保険地震保険などの証明書は控除額にどのように反映されているのかなど,控除を活用することのメリットを具体的に紹介することができます。

 さらに源泉徴収票に記載されている情報は,ふるさと納税サイトなどで公開されているシミュレーターに入力すれば全額控除されるふるさと納税額の年間上限の目安を知ることができます。

 ほかにも,住宅ローン控除のメリットを考慮しながら繰り上げ返済の計画を立てることにも役立つなど,暮らしを最適化するポイントを押さえることにもつながります。

 実際,給与明細を理解することは,最も基本的なお金の知識を得ることにつながります。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>