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大学時代に国民年金「未加入」だった残念な50代の会社員は,年金を「満額」ではもらえない1!

 以下は,東洋経済オンライン提供記事のほぼほぼコピペです。

 現在50代の会社員は,学生時代に国民年金に未加入だった人が多いため,老齢基礎年金を満額では受け取れない。

 毎年1回,自分の誕生月に届く「ねんきん定期便」。ここで久しぶりに年金の存在に気付く人も多いだろう。

 ねんきん定期便には,これまでの年金加入期間や保険料納付額,さらに老齢年金の種類と見込み額などが記されている。会社員で50歳以上であれば,現在の加入条件のまま60歳定年まで継続した前提で,65歳でもらえる老齢基礎年金と老齢厚生年金の見込み金額が書いてある。

 そこで今,50代半ばの会社員であれば,ひとつ,気付く人もいるはずだ。「老齢基礎年金が満額に足りない」とだ――。

1991年4月から学生も国民年金に強制加入

 新卒で会社に入社してから,厚生年金の保険料を納めてきた(=給与から天引きされてきた)のに,なぜこんなことが起こるのか。

 それは大学生時代,国民年金(基礎年金)への加入が任意だったため,多くの人が保険料を納めていないからだ。未加入であり,未納とは異なる。

 国民年金は現在,20歳以上60歳未満のすべての人に,加入する義務がある。学生も同じで保険料を納めなければならない。ところが,国民年金の”強制加入”の制度がスタートしたのは,1991年4月から。つまり,それ以前に学生時代を過ごした人は,任意加入であった。保険料を納めていないことが,60歳になっても,満額の40年間(480カ月間)に足りない原因となったのである。

 ちなみに強制加入となった現在では,収入が少ない大学生などの場合,学生納付特例制度を使えば,納付が猶予される。猶予を受けると,10年以内に追納すると,将来の年金には影響ない。

 実例を挙げよう。強制加入が始まった1991年4月,新卒の22歳で入社した社会人は,今年54歳。制度改正前の20歳から大学卒業までの2年間,国民年金に未加入だった場合,60歳定年まで保険料を納めても,38年間(456カ月間)にしかならず,40年間(480カ月間)には24カ月分足りない。

 年金額は毎年改定されるが,2022年度の老齢基礎年金額は,40年間保険料を納めた場合,満額(1人分)で年77万7800円だ。国民年金保険料を1年間支払うと年金は約2万円増えるので,保険料が2年分不足する場合,年金は年約74万円となり,満額より4万円近く少ないのである。

 制度上,生まれた年で差が付くのは,割に合わない。では,何か方策はないのか。

 まず考えられるのは国民年金への「任意加入」制度だ。

 加入期間が満たず,老齢基礎年金を満額もらえない人は,60歳以上65歳未満の間,最長5年間か480カ月間に達するまで,任意に加入して未納の保険料を納め,国民年金を満額まで増やせる。納める保険料は月1万6590円(2022年度)で,納付は口座振替。24カ月分なら,計約40万円の保険料を納めると,65歳から満額の年77万7800円の老齢基礎年金を毎年もらえる。

 また満額に近づけるものではないが,「付加年金」で年金を増やすやり方もある。

 毎月の保険料に加え,月400円の付加保険料を納めると,国民年金プラス付加年金を受け取ることができる。例えば,付加保険料は60歳から月400円を5年間(60カ月間),計2万4000円を納付すると,65歳から年1万2000円(200円×納付月数60カ月)の付加年金を毎年もらえる。2年目で,元手の2万4000円を受け取る計算になり,3年目から純増に転じる。

 ただし,難点がある。これらは厚生年金には加入していないことが利用する条件だ。ここが会社員にはつらいところだろう。

定年後も働き,厚生年金に加入し続ける

 現実的な解として取りうるのは,同じ会社で定年後も再雇用されて嘱託社員などで働き続け,「厚生年金に加入し続けること」。会社員の場合,最長70歳になるまで厚生年金に加入でき,「経過的加算額」が老齢厚生年金に上乗せされる。

 経過的加算額の計算式は,単価などかなり複雑なので,ここでは省く。端的に言えば,60歳以降に納めた厚生年金保険料は,老齢基礎年金には直接反映されないものの,その分が老齢厚生年金に加算される。基礎年金の満額年77万7800円に足りない分を埋めてくれるわけだ。

 いずれにしても,現在50代の会社員は,大学時代に未加入だった国民年金(基礎年金)の足りない分について,「今さら間に合わない」などとあきらめることはない。以上のような方策を活用すれば,年金を少しでも増やすことができる。

 

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