個人事業主が利用できる公的年金制度とは?
以下は,ZUU Online提供記事のほぼほぼコピペです。
人事業主などの自営業者は基本的に国民年金保険のみの加入になります。そのため,会社員など厚生年金保険加入者に比べると,リタイア後に受け取れる年金額は少なくなります。
ただ,自営業者などの国民年金保険のみの加入者に対しても,老後の資産を増やせる公的制度は存在します。本記事では,自営業者が利用できる公的な年金制度について解説します。
■国民年金基金
国民年金基金制度は,国民年金法の規定に基づいた公的な年金制度です。会社員の人は厚生年金保険と国民年金保険の2階建てですが,自営業者は国民年金保険にしか加入できません。これでは将来受け取れる年金額に差が生じることから,その差を解消する目的で創設されました。
国民年金基金制度が創設されたのは1991年5月で,これにより自営業者も2階建ての年金設計が可能になっています。
国民年金基金は,「全国国民年金基金」と3つの「職能型国民年金基金」によって運営されており,2019年の4月に全国47都道府県の「地域型国民年金基金」と22の「職能型国民年金基金」が合併して設立されています。
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加入資格者
国民年金基金に加入できる人は,
・日本国内に居住する20歳以上60歳未満の自営業者とその家族
・自由業,学生
などの国民年金第1号被保険者,および
・60歳以上65歳未満の人
・海外に居住しており,国民年金に任意加入している人
です。
会社員などの国民年金第2号被保険者,および第2号被保険者の被扶養配偶者(第3号被保険者)が加入することはできません。
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掛け金および給付の種類
国民年金基金の月額掛け金の上限は6万8,000円です。また,私的年金制度の1つであるiDeCo(個人型確定拠出年金)にも合わせて加入する場合は,iDeCoの掛け金との合計額が6万8,000円となります。
国民年金基金の給付については,老齢年金と遺族一時金が用意されています。老齢年金は口数制となっており,何口加入するかによって受け取れる年金額が異なります。
なお,1口目は終身年金,2口目からは終身年金もしくは確定年金から選択することができます。遺族一時金については加入状況に応じて金額が決まります。
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国民年金との関係
国民年金基金は,国民年金の保険料を納付していることが前提となっています。そのため,国民年金の保険料を滞納した場合は,その滞納期間に対する国民年金基金の年金給付は受け取れない事になっています。
また,国民年金基金への加入は任意です。ただし,加入後は途中で任意に脱退することはできません。そして,60歳になった場合や会社員になった場合などには,国民年金基金の加入資格を喪失することになります。
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加入するメリット
月額の掛け金である6万8,000円の範囲で,自由にプランを設定できる点がメリットです。加入した後も,その人のライフステージに合わせて月々の掛け金を変更することもできます。そのため,無理のない範囲で老後の資金を形成していくことができます。
また,民間の個人年金保険に加入した場合,2012年1月1日以降に加入した場合は最大4万円の生命保険料控除の適用を受けることができますが,国民年金基金の掛け金は全額が社会保険料控除の対象となるため,個人年金保険と比べ,所得税や住民税の節税効果が大きい点が特徴となっています。
■付加年金
付加年金とは,国民年金の第1号被保険者および任意加入被保険者のための制度です。月額400円の掛け金を国民年金保険料に上乗せして納付することで,将来年金を受け取る際に「200円×付加年金保険料納付月数」が加算されます。
支払った掛け金は2年以上年金を受け取ることで元が取れる計算になりますので,少しでも年金受給額を増やしたいと思っているならば,ぜひ取り入れたい制度です。
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付加年金を利用する際の注意点
付加年金には物価スライド制は適用されません。そのため,物価が上昇している局面では注意が必要です。また。国民年金基金に加入している場合は,国民年金基金の中に付加年金相当額が含まれているため,付加年金に別途加入することはできない点にも気をつけておきましょう。
■小規模企業共済
小規模企業共済とは,小規模企業の経営者や役員および個人事業主が,廃業や退職時の資金調達を目的として積み立てていく制度です。もっぱら退職金として活用できる制度で,掛け金は小規模企業共済掛金等控除の対象となり,全額を所得控除することができます。
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加入するメリット