悲喜こもごも

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年金生活者の実態…年金受給額や生活費は平均いくら?

 以下は,All About提供記事(文:綱川 揚佐)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 「年金だけでは生活していけない」と言われて久しい昨今ですが、実際の数字はどうなっているのでしょうか。ここでは平均的な受給額について、平均的な支出と併せて見ていくことにしましょう。

老後の生活費は月23万~30万円ほど

 総務省「家計調査 家計収支編」(2021年)によると、世帯主が60歳以降の世帯の平均消費支出額は次のとおりです(二人以上世帯)。

・60~69歳の世帯:月28万8312円

・70歳以降の世帯:月22万6383円

 また、金融広報中央委員会の調査(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2021年調査結果)によると、老後の生活費として現役世代が見込んでいる金額は、平均で月35万円ほどとなっています。

年金の平均受給額はモデル世帯で月21万9593円だが……

 一方、年金受給額はどうなっているのでしょうか。

 厚生労働省によると、モデル世帯(後述※)の年金月額は、21万9593円(2022年度)とのこと。内訳は、夫の老齢厚生年金が8万9961円、老齢基礎年金が6万4816円、妻の老齢基礎年金が6万4816円となっています。

※ちなみにモデル世帯とは、夫が厚生年金に40年加入し、妻が第3号被保険者の期間を 含めて国民年金保険料を40年納めた場合です

実際の年金受給額はモデル世帯より少ない

 一般にはこの数字が平均の年金額とされているようですが、モデル世帯のような条件の良い世帯は現実には少数派でしょうから、実際の年金額はもっと少なくなります。実際の年金額の平均は、日本年金機構の統計(2022年3月末現在)によると次のとおりです。

・老齢厚生年金:月14万5665円(20年以上厚生年金に加入の場合、老齢基礎年金含む)

・老齢基礎年金:月5万5470円

 夫が会社員、妻が専業主婦というモデルに合わせた場合、平均の年金額は20万1135円になります。やはりモデル世帯の年金額より少ないですね。年金だけの生活の場合、60歳から69歳の支出額からみると約10万円不足、70歳以降の支出額からみると約3万円の不足となりますね。

 ただし,あくまでも平均の金額から単純計算した数字ですので、家庭によって不足額は多くも少なくもなりえます。「うちではどうなるの?」をしっかり把握しておくことが大切です。

今後はマクロ経済スライドや年金額改定ルールの見直しにより年金額は増えにくくなる?

 家計の収支は、前段で解説しましたが、年金額はどうなるでしょうか?

年金額の決定には「マクロ経済スライド」という仕組みが用いられており、年金額は上がりにくくなっています。マクロ経済スライドとは、年金額に少子高齢化による影響を織り込んで、物価が上がっても年金の伸びを抑える仕組みです。

 また、「マクロ経済スライド」の他にも、2016年末に成立した年金額改定ルール(現役世代の賃金下落に合わせ給付額を減らす仕組み)の影響もあり、年金がこれまで以上に増えにくくなるのではないかと思われます。

老後資金はしっかり貯め、できるだけ働き続ける

 このように、年金暮らしで悠々自適という生活は、もはや過去のこととなってしまったようです。不足分は勤労収入を得るか、預貯金などの金融資産を取り崩してまかなうしかありません。

 現在では再雇用の制度などで事実上の65歳定年が定着しつつあります。それ以降も、働く場がある限りは働いて収入を確保すると同時に、老後資金をしっかりと準備しておくことが必須といえそうです。

綱川 揚佐(ファイナンシャルプランナー社会保険労務士、年金アドバイザー)

 金融機関在職中に1級FP技能士を取得後、社会保険労務士や年金アドバイザーも取得。年金記録確認第三者委員会勤務を経て、社会保険労務士・FP事務所を開業。法人向けの労働相談や、多数の年金相談業務等を行う。

≪老後資金の準備のない私は,路頭に迷うことになりそう!皆さんはそうならないように≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>