高齢者が”賃貸物件”を選ぶときの注意ポイント,高齢者でなくとも参考になる!
以下は,介護ポストセブン提供記事(女性セブン2022年10月27日号,取材・文/桜田容子)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。
「最後は慣れ親しんだ我が家で」と希望する人は多いが,賃貸住宅を終の棲家に選ぶとしたら,どんなことに注意すべきなのだろうか? 高齢者は賃貸物件を借りにくいと思っている人も多いかもしれないが,バリアフリー化された物件など選択肢は増えている。高齢者向けの賃貸物件の賢い選び方についてファイナンシャルプランナーに解説してもらった。
高齢者でも借りられる賃貸住宅が増えてきている
何才になろうが,それまで暮らしていた賃貸住宅に住み続けることは可能だ。
ただし,「より家賃の安いところに住み替えたい」「子供の家の近くに住み替えたい」などの事情で,高齢になってから新たに賃貸住宅に住み替える場合は注意が必要だ。年齢を理由に借りられない物件もあるからだ。
しかし諦める必要はない。保証人不要かつ,「高齢者向け」と銘打っている物件がいま,増えてきている。
「低家賃の公営住宅は保証人不要にする自治体も増えています。ただし,高倍率の抽選なのが難点。ほかに,国土交通省が定める『セーフティネット住宅』も注目です。全国の比較的低額で民間賃貸の空室物件を借りられます。
ただし,車いすが必要になっても住みやすいかなど,先を見据えた下見が必要です」(ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さん・以下同)
物件を決める前に必ず下見をしよう
いずれも,階段を使わずに済む1階の部屋を選びたい。
「最初からバリアフリー設備が整った物件を狙うなら,生活相談などのサポートも受けられる『シルバーハウジング』がおすすめ。外部の介護サービスを受けながら長く住めます」
高齢者向けの主な賃貸住宅
高齢者向けの主な賃貸住宅の種類や特徴,費用の目安などをまとめた。
■シルバーハウジング
自立可能な高齢者専用の公的賃貸住宅。バリアフリー化されており,ライフサポートアドバイザーによる安否確認や生活相談,緊急時の対応,疾病時の一時的な家事援助など生活支援サービスを受けられる。東京都では『シルバーピア』とも呼ばれる。民間の「サ高住」(後述)より安価な家賃で住めるが,URや公営住宅の空室が対象となることが多く,抽選に通らないと入れないことも(入居には諸条件あり)。
■セーフティネット住宅
国土交通省による民間賃貸で,保証人不要かつ低額で借りられる。サイト『セーフティネット住宅情報提供システム』で全国の対象物件を探せ,9月29日時点の総登録戸数は約76万戸。
■UR都市機構・公営住宅
URには,60才以上の低所得者を対象に家賃が減額される「高優賃家賃減額制度」がある。一方,公営住宅は収入に応じた家賃設定のため,低所得者におすすめ。いずれも諸条件あり。
周りの環境も住宅を借りる際の重要事項
物件だけでなく,借りるエリアも重要なポイントだ。終の棲家にしたいなら,在宅医療や介護サービスが充実している地域が絶対条件となる。
「おすすめは『24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護』という民間サービスの対象エリア。同サービスは定額制で,毎日3~6回程度,定期的にヘルパーが訪問し,おむつの交換からトイレや食事の介助といった介護をしてくれ,必要とあれば看護もしてくれます。
緊急コールを鳴らせば夜間でも駆けつけてくれます。費用は要介護度や看護の要・不要に応じて,月額7000円弱~3万円台。ただし,民間事業のため,エリアによって偏りがあります」
賃貸派は,こうした外部サービスを受けることも視野に入れてどこに住むかを考えよう。
「賃貸暮らし」を選んだ実例から学ぶ終の棲家の選び方
エレベーターが外出の機会を減らす!?
69才で夫と死別した道子さん(仮名・83才)は,40年間住んだ都内のマンション(14階)からの引っ越しを決意する。
「広い家は掃除が大変だし,維持費の負担もきつい。何より,エレベーター問題が大きかった。なかなか来なくてゴミを出すのに15分もかかりました」
1階に降りるのが面倒で外出の機会が減ったという。
「そんなときテレビで,外出しないと認知症になりやすいと知り,危機感を持ちました」
約7000万円で購入したマンションは,約3000万円で売れたが,売却経費と税金,引っ越しの諸費用,家財の廃棄や清掃などに約1000万円かかったという。新たな住居は,千葉県内にある家賃3万5000円の木造アパート。友人が近くに住んでおり,娘の家にも近い,“1階”にある物件だ。
マンションの14階よりもアパートの1階の方が生活しやすい
「マンションは気密性が高く,静かでしたが,いまは隣の声も聞こえるし,お風呂はガス風呂釜です。でも,多少の不便があった方が,体と脳を動かすので,衰えを予防できると前向きにとらえています。しかも住居費用はマンションの維持費の半額になったうえ,貯金もできました」
家が変われば生活スタイルも変わる。いまは友達と散歩を楽しんだりしつつ,毎日をアクティブに過ごしているという。
≪いずれ私もお世話になることでしょう。その時に,このことを思い出せるかな?≫
お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>