悲喜こもごも

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在職老齢年金制度の改正は働き方の多様化?

現行制度(2020年4月1日基準)

①60歳台前半

 かつて60歳から支給されていましたが,65歳から支給となり,段階的に引き上げられることに,これを特別支給の老齢厚生年金と言います。なお,男性は2025年,女性は2030年で終了します。

 この間に,上記年金の基本月額と給与等(総報酬月額相当額)の月額の合計が,基準額「28万円」(支給停止調整開始額)を超えた場合,上記年金の一部または全額が支給停止となります。なお,「28万円」以下の場合,全額支給となります。また,「47万円」(支給停止調整変更額)を超える場合,総報酬月額相当額が増加した分だけ,支給停止になります。

 

②60歳台後半

 原則65歳から老齢厚生年金が支給されます。その方が,厚生年金保険に加入しながら,年金月額と総報酬月額相当額の合計が「47万円」を超えた場合,老齢厚生年金額の一部または全部が支給停止となります。なお,「47万円」以下の場合,全額支給となります。

 *加給年金は,老齢厚生年金が一部支給となっても,全額支給。

 *65歳から厚生年金保険に加入した場合,70歳時点で年金額の再計算。

 *70歳以上は厚生年金保険の被保険者にはなれませんが,在職老齢年金適用。

 

改正(2022年4月施行)

①60歳台前半の基準額の引き上げ

  28万円 ➡ 47万円

②在職定時改定の導入

  60歳台後半の場合,退職または70歳にならない限り,65歳以上の厚生年金の加入期間分が反映されず,支給年金額が増えることはありませんでした。

しかしながら,1年ごとに再計算することで,在職しながら年金額に反映されることになります。

 

働き方の多様化?

 これが働き方の多様化と言えるでしょうか?

 実際のところ,働く期間の延長(化)とも?

 選択肢が増えた,とは言えそうです。

 

 ご注意頂きたいのは,「改正②」です。毎年年金額が増えることになれば,「47万円」超の可能性が増加することにもなります。

 

 いずれにしても,退職後の生活に2000万円以上の預貯金が必要などという事態は回避してもらいたいと思います。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>