悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

民法改正・賃貸借(2)賃借人による修繕

事例2

台風の直撃を受け,借りている家の屋根から雨漏りが。大家に何度も屋根の修繕を依頼したが,なかなか応じてもらえない。自分で業者を手配し,後で修繕費を請求したい。

 

<改正前>

 明確な規定がなかったものの,判例で認められていた。また,賃貸物について「賃貸人の負担に属する必要費を支出したとき」には償還請求できるとの規定あり。

 

<改正後>

 以下に該当すれば,賃借人による修繕が可能なことが明文化。

1 賃借人が賃貸人に修繕が必要であることを通知しても,あるいは賃貸人がそれを知っても,相当な期間内に必要な修繕がなされない。

2 急迫の事情がある。

 

*必要費:物件の維持に必要な費用。雨漏りや破損した窓の修繕費など。賃借人は直ちに請求できる。

*有益費:物件の価値増加のための費用。傷んだ床の張替え代,下水道の引込工事費など。賃貸借契約終了時に,価値が残っている範囲で賃借人は請求できる。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>