悲喜こもごも

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民法改正 法定利率(2)損害賠償額の増加?

貸金の法定利息については,即,理解できそう。

それ以外では,実質的にどんな影響があるのでしょう?

 

損害賠償額

例)交通事故の損害賠償額算定は,以下のとおりです。

   慰謝料等+逸失利益+弁護士費用+遅延損害金

 

【改正前】

 上記のとおり,逸失利益も請求できます。逸失利益は,被害者が将来就労等で取得できるはずの利益で,一般的に一括前払いで受け取ります。そのため,将来分の利息相当額(中間利息という)を控除して,現在の価値に引き直す必要があります。これを「中間利息控除」といい,法定利率を用いて算定されるものの,法律上の明確な規定がなかった。

 

【改定後】*前の語句に注意しながらお読み下さい。

 中間利息控除に法定利率の適用が明文化され,2020年4月1日前に発生した事故には年5%,それ以降の事故には当面3%が適用される。したがって,逸失利益から(中間利息として)控除される額が(利息につき5%➡3%に)減少し,逸失利益が増加することになります。

 なお,遅延損害金は減少しますが,損害賠償額の構成上,占める割合の大きい逸失利

益の増加は,結果的に

損害賠償額の増加をもたらす可能性

があります。それに伴って,弁護士費用も増加することになります。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>