補足
(1)清算について
解散手続きは、正確には「解散」と「清算」の2つの手続きを行うことを指します。
解散とは、今まで行っていた業務を停止して、法人を消滅させるための手続きに入ることです。法務局へ解散の登記を行っただけでは法人は消滅しません。
解散後、法人を消滅させるための手続きを行うことを「清算」といいます。
具体的には、下記の清算手続きを行います。
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解散時における財産の現況を調査する
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解散時にまだ終わっていない業務があれば終了させる
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法人名義の財産があれば売却する
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売掛金などの債権があれば回収する
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買掛金などの債務があれば返済する
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残余財産があれば引き渡しをする
(2)清算人について
この清算手続きを行う人を「清算人」といいます。
清算人を定款で定めていた場合は、その人が清算人になります。定款に清算人の定めがない場合は、社員総会で選任された者が清算人になります。
(3)債権者保護手続き
債務があれば返済しなければなりませんので、清算人は解散後遅滞なく、債権者に対して2ヶ月以上の期間を定めて、その期間内に債権を申し出るべき旨を官報に公告し、法人が把握している債権者には個別に催告をしなければなりません。これを「債権者保護手続き」といいます。
もし債権者がいつまでたっても確定しなければ債務の弁済ができませんので、2ヶ月という期間を設けてその期間内に申し出をしなければ、清算から除斥することを書き加えます。
そして、清算手続きを行った結果、残余財産があれば定款の定めに従って処分します。
「非営利型一般社団法人」では、定款に残余財産の帰属先について国・地方公共団体や公益法人などに贈与することが定められていますので、決められたところに残余財産を引き渡します。
定款で残余財産の帰属先を定めていない場合には、社員総会決議でどのように処分するかを決めることになります。
(4)清算結了の登記について
清算手続きが完了して、一般社団法人の財産が無くなったところで、法務局へ清算結了の登記を行うことにより法人格は消滅します。
(5)一般社団法人の解散事由について
一般社団法人は次に掲げる事由によって解散します。
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定款で定めた存続期間の満了
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定款で定めた解散の事由の発生
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社員総会の特別決議
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社員が欠けたこと(社員が一人もいなくなった場合)
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合併をしたとき
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破産手続開始の決定があったとき
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解散命令または解散を命ずる裁判があったとき
(6)例:特別決議によって解散する場合の流れ
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社員総会による解散の特別決議
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法務局で解散及び清算人選任の登記申請→解散後清算手続き開始
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財産の現況を調査(財産目録・貸借対照表の作成)
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債権者保護手続き(2ヶ月以上)
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残余財産を処分する
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社員総会による決算報告書の承認
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法務局で清算結了の登記申請→法人格が消滅
*書類等の確認
過料(罰金)の不服申し立て?
登記事項証明書
届出印
税務関係書類 *清算の登記後,届出必要
法人税 税務署
住民税 県税事務所
定款
解散事由の規定
残余財産の帰属先の規定(個人への帰属の可否)
お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>