高齢の親を持つ方のために,知っておきたい制度(1)
親が認知症を発症,病気や事故で判断能力が不十分・喪失した場合,本人だけでなく,実の子でも親名義の預貯金の引出しや生命保険の解約などもできなくなります。介護費用を捻出しようとして,実家を売却したり賃貸したりすることもできなくなります。
現在,判断能力が不十分・喪失した高齢者のための制度としては,「成年後見制度」と「民事信託」とがあります。
今回は,「成年後見制度」について考えます。「財産管理」や「身上監護(生活に必要な身の回りの契約や諸手続など)」を代わりにやってもらう人(後見人)を選任する制度です。
この制度には,二つの制度「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。
前者は既に判断能力の低下が認められる場合(に分けられる)にその親族などが家庭裁判所にその程度により,後見人・保佐人・補助人を選任してもらう制度です。
後者は将来に備え,予め信頼できる人と契約して,判断能力が低下した場合に,契約した相手が家庭裁判所に申立てをして後見人になります。
一見素晴らしい制度のようですが,利用可能な方(462万人)のうち,実際に利用されている方(約22万人)はわずか5%弱に過ぎないようです(厚労省の調査)。
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