悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

マネーセミナーに参加する前にチェックしておきたい3つ,なぜ無料?

 以下は,マネーポストWEB提供記事のほぼほぼコピペです。

無料のマネーセミナーに参加する際に注意すべき点は

 資産形成のニーズが高まるにつれ,マネーセミナーが活況を呈している。なかには無料のものも少なくないが,そうしたセミナーに参加する際に注意すべき点は何か。ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんが解説する。

 マネーセミナーの講師料が大きな収入源でもある筆者ですが,セミナーの参加者にも「お金に関する情報入手にはご注意を」とよく伝えています。今回は,マネーセミナーに参加しようと考えた際に,事前にチェックしてほしいことをまとめました。特に「無料」である場合は要注意です。

【チェックポイント1】主催企業・団体がどこかをチェックする

 Googleで「マネーセミナー」と検索すると,多くの告知サイトが登場します。SNSの広告でもよくあがってきますので,皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか? 

 ほとんどのマネーセミナーで「かしこい資産形成」「資産運用初心者向け」「安心してご参加いただけます」などと謳っており,とてもやわらかい雰囲気で一人でも参加しやすいように表現を工夫していることがわかります。  

 同じような謳い文句ではありますが,マネーセミナーを主催する団体は主に次の5種類にわけられます。  

 ちなみに筆者はどのジャンルにおいても,参加者から参加費をいただかないセミナーに仕事で登壇したことがあります。なぜ,講師代や場所代など経費がかかるセミナーなのに,無料で開催するのでしょうか。それは,それぞれの主催者に目的があるからです。チェックポイント【2】でお伝えします。

 なお金融商品を取り扱う業者の場合は,金融庁のホームページで金融庁の免許や許可を受け,登録されているかチェックすることも大切です。無登録の場合は詐欺業者の可能性もあるので注意してください。

金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」 https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html

金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku.html

【チェックポイント2】何のために無料セミナーを企画しているのか想像する

 どの主催者もセミナーを開催する目的を達成するために,無料で人をたくさん集めようと考えます。参加するならば,主催者が何のために企画しているのか,参加した後にどうなるかをイメージしてからにしましょう。

【金融機関】

 ほとんどの場合,その会社が取り扱う商品の販売につなげることが目的です。保険会社や保険代理店であれば保険商品,証券会社や銀行であれば口座開設など。金融商品仲介業者であるIFA主催であれば商品の仲介料が目的の可能性もありますし,公正中立のFPをうたっていても,実は商品を取り扱っていることもあります。不動産投資業者であれば,ワンルームマンション投資などにつなげる可能性もあるでしょう。

 主催者の目的によって,同じ「資産形成の手段」というテーマでもおすすめする商品はまったく異なるため,注意が必要なのです。

【金融業界以外の企業】

 先日,某家電量販店から「無料でライフプラン診断をしませんか?」という営業電話がかかってきました。昨今,金融商品とは一見無関係な企業でも自社グループ内に保険代理店があったり,金融業界の会社と提携したりしているところもあります。

 また,新聞社や出版社の場合は,協賛企業や後援企業などをチェック。金融機関などとコラボしていれば,最終的には商品販売につなげることが目的となるでしょう。一方,企業ではなく,金融庁自治体が協賛や後援についていれば,個別企業の商品販売がゴールではなく,参加者のマネーリテラシー向上や国の政策(「資産所得倍増プラン」など)上の活動が主な目的と考えられます。

【会員制マネースクール】

 商品の仲介や販売をしていない企業や団体であれば,有料マネースクールの本会員増加を目的としていることが多いでしょう。

【業界団体】

 個別企業の商品販売などは目的ではないですが,マネーリテラシー向上に加えて,それぞれの団体が発展を目指す商品の認知度アップが目的になっていると考えられます。

自治体・NPO法人

 市民のマネーリテラシー向上や,NPO法人の活動発信などを目的とするケースが多く,商品の宣伝を受けることは少ないでしょう。

【チェックポイント3】自分は何が不安なのかを明確にして,関連する本を3~4冊を手に取る

 そもそも,なぜマネーセミナーに行こうと思ったのでしょうか。同僚にNISA(少額投資非課税制度)の話をされてちんぷんかんぷんだった,友だちが投資で儲かった話をしていて始めてみたくなった,預金通帳を見て漠然と将来が不安になった……など,お金の勉強をしたくなった背景があるはずです。まず,そこを明確にしましょう。

 そしてセミナーに行く前に,図書館やブックカフェなどで不安を解消できそうな本を3~4冊ほど手に取り,目次だけでよいので読んでみてください。複数冊に目を通せば,「何を知りたいのか」が明確になってきます。できれば本で知識をつけるのが良いですが,どうしてもセミナーに行きたい場合は,できるだけ商品販売が目的でない自治体や業界団体,金融庁主催のものを選ぶと比較的安心でしょう。とはいえ,セミナー自体の質は講師によるところが大きいため,過度な期待は禁物です。

「カモになりやすい」タイプは

 セミナー講師が生業の私から見て「カモになりそう」と心配になる参加者の特徴は,ネットの情報や友達の言うことを鵜呑みにするタイプや,誘われると断れない優しいタイプ。学ぼうとせずに,稼げる方法だけ教えてと言うタイプも危ないでしょう。

 また,セミナーの口コミ(サクラもいます)や「マネーセミナー行ってみた」という体験記事(多くの場合がアフィリエイト記事)もあまり見ないようにするのがおすすめです。行く場合は,上記のチェックポイント3つを意識し,知りたい情報だけを得るという強い意志を持ってご参加を。そして万が一契約を勧められても,勢いで即決しないよう注意してください。

 

【プロフィール】

鈴木さや子(すずき・さやこ)/株式会社ライフヴェーラ代表。CFP認定者,1級FP技能士,キャリアコンサルタント(国家資格)。保険等商品を一切販売しないFPとして活動。専門は教育費・保険・マネー&キャリア教育,確定拠出年金。企業講演の他,小・中学校や自治体等の講演やワークショップなど,保護者や親子向けイベントも行う。大学生・高校生の母。著書に『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)がある。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>