悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

高齢者が”賃貸物件”を選ぶときの注意ポイント,高齢者でなくとも参考になる!

 以下は,介護ポストセブン提供記事(女性セブン2022年10月27日号,取材・文/桜田容子)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 「最後は慣れ親しんだ我が家で」と希望する人は多いが,賃貸住宅を終の棲家に選ぶとしたら,どんなことに注意すべきなのだろうか? 高齢者は賃貸物件を借りにくいと思っている人も多いかもしれないが,バリアフリー化された物件など選択肢は増えている。高齢者向けの賃貸物件の賢い選び方についてファイナンシャルプランナーに解説してもらった。

高齢者でも借りられる賃貸住宅が増えてきている

 何才になろうが,それまで暮らしていた賃貸住宅に住み続けることは可能だ。

 ただし,「より家賃の安いところに住み替えたい」「子供の家の近くに住み替えたい」などの事情で,高齢になってから新たに賃貸住宅に住み替える場合は注意が必要だ。年齢を理由に借りられない物件もあるからだ。

 しかし諦める必要はない。保証人不要かつ,「高齢者向け」と銘打っている物件がいま,増えてきている。

「低家賃の公営住宅は保証人不要にする自治体も増えています。ただし,高倍率の抽選なのが難点。ほかに,国土交通省が定める『セーフティネット住宅』も注目です。全国の比較的低額で民間賃貸の空室物件を借りられます。

 ただし,車いすが必要になっても住みやすいかなど,先を見据えた下見が必要です」(ファイナンシャルプランナー畠中雅子さん・以下同)

物件を決める前に必ず下見をしよう

 いずれも,階段を使わずに済む1階の部屋を選びたい。

「最初からバリアフリー設備が整った物件を狙うなら,生活相談などのサポートも受けられる『シルバーハウジング』がおすすめ。外部の介護サービスを受けながら長く住めます」

高齢者向けの主な賃貸住宅

 高齢者向けの主な賃貸住宅の種類や特徴,費用の目安などをまとめた。

■シルバーハウジング  

 自立可能な高齢者専用の公的賃貸住宅。バリアフリー化されており,ライフサポートアドバイザーによる安否確認や生活相談,緊急時の対応,疾病時の一時的な家事援助など生活支援サービスを受けられる。東京都では『シルバーピア』とも呼ばれる。民間の「サ高住」(後述)より安価な家賃で住めるが,URや公営住宅の空室が対象となることが多く,抽選に通らないと入れないことも(入居には諸条件あり)。

セーフティネット住宅  

 国土交通省による民間賃貸で,保証人不要かつ低額で借りられる。サイト『セーフティネット住宅情報提供システム』で全国の対象物件を探せ,9月29日時点の総登録戸数は約76万戸。

■UR都市機構・公営住宅  

 URには,60才以上の低所得者を対象に家賃が減額される「高優賃家賃減額制度」がある。一方,公営住宅は収入に応じた家賃設定のため,低所得者におすすめ。いずれも諸条件あり。

周りの環境も住宅を借りる際の重要事項

 物件だけでなく,借りるエリアも重要なポイントだ。終の棲家にしたいなら,在宅医療や介護サービスが充実している地域が絶対条件となる。

「おすすめは『24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護』という民間サービスの対象エリア。同サービスは定額制で,毎日3~6回程度,定期的にヘルパーが訪問し,おむつの交換からトイレや食事の介助といった介護をしてくれ,必要とあれば看護もしてくれます。

 緊急コールを鳴らせば夜間でも駆けつけてくれます。費用は要介護度や看護の要・不要に応じて,月額7000円弱~3万円台。ただし,民間事業のため,エリアによって偏りがあります」

 賃貸派は,こうした外部サービスを受けることも視野に入れてどこに住むかを考えよう。

「賃貸暮らし」を選んだ実例から学ぶ終の棲家の選び方

エレベーターが外出の機会を減らす!?

 69才で夫と死別した道子さん(仮名・83才)は,40年間住んだ都内のマンション(14階)からの引っ越しを決意する。

「広い家は掃除が大変だし,維持費の負担もきつい。何より,エレベーター問題が大きかった。なかなか来なくてゴミを出すのに15分もかかりました」  

 1階に降りるのが面倒で外出の機会が減ったという。

「そんなときテレビで,外出しないと認知症になりやすいと知り,危機感を持ちました」

 約7000万円で購入したマンションは,約3000万円で売れたが,売却経費と税金,引っ越しの諸費用,家財の廃棄や清掃などに約1000万円かかったという。新たな住居は,千葉県内にある家賃3万5000円の木造アパート。友人が近くに住んでおり,娘の家にも近い,“1階”にある物件だ。

マンションの14階よりもアパートの1階の方が生活しやすい

「マンションは気密性が高く,静かでしたが,いまは隣の声も聞こえるし,お風呂はガス風呂釜です。でも,多少の不便があった方が,体と脳を動かすので,衰えを予防できると前向きにとらえています。しかも住居費用はマンションの維持費の半額になったうえ,貯金もできました」

 家が変われば生活スタイルも変わる。いまは友達と散歩を楽しんだりしつつ,毎日をアクティブに過ごしているという。

≪いずれ私もお世話になることでしょう。その時に,このことを思い出せるかな?≫

 

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「公務員」「会社員」「自営業」年金の受け取り年齢はどう違う?

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:西岡秀泰)のほぼほぼコピペです。

 老後の生活資金として,老齢年金を当てにしている人も多いのではないでしょうか。しかし,年金がいつからもらえるかは生年月日や加入している年金制度によって異なるため,よくわからないという人もいるでしょう。

 この記事では,老齢年金の支給開始時期を年金制度別に解説します。自分がいつから年金をもらえるか確認して,老後の生活設計に役立ててください。

老齢年金の種類

 老齢年金は,大きく分けて次の3種類です。加入している年金制度によって支給される年金の種類が異なります。

  • 老齢基礎年金:年金制度に加入している人全員

  • 老齢厚生年金:会社員など厚生年金に加入している人

  • 老齢共済年金:公務員など共済年金に加入している人 共済年金は,2015年10月1日に厚生年金に統合されました。統合前は共済年金,統合後は厚生年金に加入したことになるため,老齢厚生年金と老齢共済年金の両方を受け取ることになります。

自営業者などは65歳から

 年金制度に加入している人全員(10年以上保険料の納付などをした人)が受け取る老齢基礎年金は,原則65歳から支給が始まります。自営業者や専業主婦(夫)の人などで,厚生年金や共済年金に加入したことがない人の年金も,原則65歳スタートです。

会社員は生年月日と性別により65歳前から

 会社員が受け取る老齢厚生年金の支給は,原則65歳からですが生年月日や性別によっては65歳よりも前から「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れます。

 特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は,男性の場合,生年月日に応じて次の通りです。既に支給が始まっている人は除きます。

  • 1959年4月2日~1961年4月1日:64歳から

  • 1961年4月2日以降生まれ:なし

 女性の支給開始年齢は男性と異なり次の通りです。

  • 1960年4月2日~1962年4月1日:62歳から

  • 1962年4月2日~1964年4月1日:63歳から

  • 1964年4月2日~1966年4月1日:64歳から

  • 1966年4月2日以降生まれ:なし

 女性の一部を除いて現在60歳以下の会社員などの人については,老齢基礎年金も老齢厚生年金も65歳から支給が開始されます。

公務員は生年月日により65歳前から

 公務員が受け取る老齢共済年金は,老齢厚生年金と同様に原則65歳からですが,生年月日によっては65歳よりも前から受け取れます。65歳前の年金を「特別支給の老齢共済年金」といいます。 厚生年金と異なり生年月日による支給開始年齢は男女同じで,次の通りです。厚生年金の男性と同じ年齢となります。

  • 1959年4月2日~1961年4月1日:64歳から

  • 1961年4月2日以降生まれ:なし

支給開始年齢を確認した上で繰り上げ・繰り下げを検討しよう

 老齢年金の支給は,原則65歳からです。ただし,老齢厚生年金や老齢共済年金は,生年月日や性別などに応じて65歳よりも前から支給されるケースもあります。 また,老齢年金は,最大5年繰り上げて60歳から受け取ったり,最大10年繰り下げて75歳から受け取ったりすることも可能です。年金の支給額や支給開始時期を確認し,収入や資産,生活スタイルなどに応じて,いつから年金を受け取るか決めましょう。

出典 日本年金機構 老齢年金

  日本年金機構 被用者の年金制度の一元化

  日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金

  国家公務員共済組合連合会 特別支給の退職共済年金

西岡秀泰:社会保険労務士・FP2級

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扶養内で働くときの4つの「年収の壁」 働く時間の判断基準は?

 以下は,マネーポストWEB提供記事のほぼほぼコピペです。

 共働き世帯は年々増加しており,その働き方も多種多様だ。厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書」によると,男性雇用者世帯のうち,共働き世帯の割合は66.2%となっている。一方で,パートやアルバイトで働く場合は税金や社会保険の負担が年収によって変わるため,注意が必要となる。この「年収の壁」をどのように考えるべきか。社会保険労務士ファイナンシャルプランナーの川部紀子さんが解説する。

 「○○万円の壁」でおなじみの扶養の範囲。近年,改正により基準となる年収が下がるようになっています。改めて内容を確認して,働き方について夫婦で再検討してみましょう。

「○○万円の壁」で見るべきところ

 会社員の配偶者が,扶養の範囲の収入でパートやアルバイトとして働く場合,税金と社会保険の両面から優遇を受けられる可能性があります。その条件を満たす年収には代表的な4つの「壁」があります。

 その4つの年収が,「約100万円」「103万円」「106万円/130万円」「150万円」です。それぞれの「壁」を超えることで税金や社会保険の負担が増えていきます。

【1】約100万円(※住む市町村により93~100万円):自分に住民税が発生する

【2】103万円:自分に所得税が発生する

【3】106万円/130万円(※パート・アルバイト先の規模等により異なる):自分に社会保険料が発生する

【4】150万円:配偶者の税金(住民税,のちに所得税も)が上がる

 一見,複雑ですが,結論から言うと,【3】だけで判断することをおすすめします。理由は,目先の手取りへの影響が一番大きく,しかし,同時に魅力的な権利を受け取れるからです。これについてはのちほど解説します。

 まず,【1】【2】の壁についてです。仮に,うっかり働きすぎて収入が,【1】約100万円超,【2】103万円超となったところで,発生する所得税と住民税は年間で1万円にも満たないほどです。ご自身の年間の無駄づかいの方が大きい金額かもしれません。

 【4】150万円超に関しては,少し超えると配偶者の住民税が少し上がり,次に配偶者の所得税が少し上がります。自分の収入が上がれば上がるほど,配偶者の税金もジリジリ上がっていく仕組みなので,給料明細の税額までしっかり家計簿に記入している方でなければ,上がったことに気付かない可能性もあります。

 では,【3】106万円/130万円はどうでしょうか。この額に達してしまうと,毎月の給料から健康保険料(40歳以上は介護保険料も)と厚生年金保険料が約15%天引きされます。例えば,月に10万円働いて約1万5000円が引かれるのは大きいですし,年間の金額で考えるとかなりの負担となる額でしょう。

今後は106万円に一本化される可能性も

 長らく,健康保険料と厚生年金保険料がかかる基準としては「130万円の壁」が有名でした。しかし,年々扶養の範囲は縮小傾向にあり,2022年10月からは,扶養されている人が従業員数の多い大手企業に勤務する場合だと106万円から社会保険料が発生するように改正されました(※以前は従業員数501人以上だったものが101人以上に変更)。現在の「106万円の壁」に該当する基準は以下のとおりです。

・週20時間以上(契約した労働時間)

・月収8.8万円(年106万円)以上

・2か月以上の雇用期間が見込まれる

・従業員101人以上の会社 (※これらに該当しない場合は年収130万円で社会保険料が発生)

 今後も対象は広がっていく予定で,いずれは「106万円の壁」に一本化されることも想定しておく必要があるかもしれません。

約15%の社会保険料を払うメリット

 では,「106万円/130万円の壁」についてどのように判断していけばよいでしょうか。まず,自身の体調,介護など家庭の事情によって労働時間数を減らす予定があった場合には調整してみるのも一手です。

 一方,少しでも家計の助けになれば,という理由で働いているのであれば,思い切って社会保険料を払う方向を検討してみてください。さまざまなメリットがあるからです。

 まず,健康保険料を払うメリットから考えていきましょう。年齢を重ねると病気やケガなど体調に不安を感じる場面が増えます。健康保険に加入していると,病気やケガで働くことができない場合,給料の3分の2ほどの金額が最高1年6か月分支給される「傷病手当金」の対象になります。これは,民間の生命保険会社の医療保険よりも安くてパワフルな給付です。仕事をセーブして医療保険に加入するくらいならこちらの魅力を再確認してほしいと思います。

 次に厚生年金保険料を払うことのメリットです。いまの寿命は長く,女性が亡くなる人数がもっとも多いのは93歳です(厚生労働省「令和3年簡易生命表」より)。公的年金の「1階部分」の老齢基礎年金に「2階部分」の老齢厚生年金が上乗せされれば受給金額が増え,その権利は一生涯続きます。長生きに備えるお金を準備する方法として,厚生年金はぴったりです。

 年金の受給資格を満たせば,厚生年金保険料を払っていた「期間」とその時期に得た「給料」や「ボーナス」から納めた額がすべて年金の計算に反映されます。短い期間で少ない時給だったとしても,支払ったことは無駄にはなりません。年金批判を耳にして不安になる人もいると思いますが,実際には長生きして納めた以上に受け取っている人が多いのが現実です。

 また,もしも病気や怪我によって1,2級障害が残った場合の一生涯の権利である「障害年金」も2階建てとなり,3級の障害に対する障害手当金という厚生年金だけの給付の対象にもなります。この意味でも,民間の医療保険よりも安くて手厚いという見方ができます。

 家計に関しては,短期・中期・長期のそれぞれの目線が重要です。約15%もの社会保険料が天引きされるので,短期的なデメリットを感じるかもしれませんが,中期・長期的にはメリットがあるでしょう。

夫婦で考えるべき家の作業との兼ね合い

 ここまでの内容を理解できたとしても,数字や制度の解説では乗り越えられない壁が存在する場合があります。それは,配偶者の理解が得られるかどうかです。

「家のことに影響が出るならそんなに働かないでほしい」「働いてほしいって頼んでないけど」などと,配偶者が家事や育児,介護などへの協力姿勢を見せない場合,当然ながら労働時間を増やせば負担は増えることとなります。

 昭和の高度経済成長期であれば,男性が会社で長い時間働くために,妻は専業主婦という構図は通用しました。残業代が多く,ボーナス,昇給,退職金,年金への期待も持てましたし,今より寿命が短かったという背景もあります。しかし,平成が終わって,令和の今はどうでしょう。家事などを配偶者のみに求める専業主婦モデルは,ごく一部の超高収入の人を除けば,もう通用しなくなっているのではないでしょうか。

 物価は上がり,長い老後が不安な中,平凡な収入であるにもかかわらず,昭和的な考え方で仕事をセーブしようと考えるのは,目先のみならず,中長期的な家計収支の面で圧倒的に不利になります。

 「扶養の範囲」の壁を考える場合は,働き方だけでなく,家計や家事の分担についても,夫婦でしっかり話し合っておく必要があるでしょう。(了)

【プロフィール】

川部紀子(かわべ・のりこ)/FP・社労士事務所 川部商店 代表。1973年北海道占冠村生まれ。生命保険会社で勤務したのち30歳で起業。大学の非常勤講師として講義を担当するほか,個別相談,セミナー・講演講師,各種執筆,テレビ・ラジオへの出演も多数。近著に『得する会社員 損する会社員 手取りを活かすお金の超基本』(中央公論新社)がある。

 

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会社員の妻,パートでも「厚生年金」に入る方が得!

 以下は,東洋経済オンライン提供記事(週刊東洋経済2月4日号「大増税時代の渡り方」,井戸 美枝 氏,瀧 健 氏による部分)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 厚生年金に加入できるのは,何も正社員だけではない。一定の条件を満たせば,パートやアルバイトなど,短時間労働で非正規雇用の人も加入は可能。加入条件は徐々に緩和され,今後も緩和されていく見込みだ。

会社員の妻でパートで働いている人も,厚生年金に加入できる

 具体的には2022年10月から,「従業員が101人以上の企業に勤務していること」「雇用期間が2カ月超見込まれること」「賃金が月収8万8000円・年収106万円以上」「1週間当たりの労働時間が20時間以上」の条件がそろえば,雇用形態にかかわらず,厚生年金へ加入できることになった。

 来るべき大増税時代に備え,年金の受け取り方から,生前贈与による節税法,NISA(少額投資非課税制度)による投資のイロハまで,税や社会保険との向き合い方を盛り込んでいる。

会社員の妻,自営業,フリーランスでもOK

 それまでの条件が「従業員数が501人以上の企業に勤務していること」と「雇用期間が1年以上見込まれること」だったから,改正された結果,グッとハードルが下がっている。厚生労働省によると,これで厚生年金の加入対象者は65万人増えたという。

 さらに2024年10月からは,従業員数が51人以上の小規模企業まで対象になる。将来的には従業員数の条件をなくすことも議論されており,加入対象者数はますます増える可能性があるだろう。

 ちなみに短時間労働者の内訳は,会社員の妻など第3号被保険者が26.9%,自営業や個人事業主フリーランス)などの第1号被保険者が44.6%,その他60歳以上が28.4%となっている。

 このうち改正で最も影響を受けるのは,会社員の社会保険の扶養内で働く人がいる世帯だ。

 配偶者(夫)が会社員で,パート・アルバイトとして働いている人(妻)という典型的なパターンでは,「年収106万円」を意識し,勤務時間を調整する人も多いのではないか。

 年収が106万円以上になると扶養から外れ,社会保険被保険者本人となり,厚生年金や健康保険に加入することになる。保険料を支払った結果,最終的な手取りは減ってしまう。

 年収の手取りを比較した一覧を示した。年収106万円の場合,厚生年金の保険料は月8052円・年間9万6624円だ(勤務先と折半後の自己負担)。年収130万円の場合,年金の保険料は月1万0065円・年間12万0780円になる。

 もちろん負担は厚生年金の保険料だけではない。年収が上がれば,健康保険や雇用保険など他の社会保険料,さらに税金も増える。概算だが,年収106万〜130万円の人であれば,社会保険料の負担は年間約15万〜19万円程度で,税負担はおおむね年5000〜1万5000円弱と考えておきたい。

公的年金は終身もらえて,長生きするほどメリット

 ただし,目先の手取り収入が減るとはいえ,社会保険に加入するメリットは大きい。厚生年金は納めた金額や期間によって,将来受け取る年金の額が増えてくるからだ。年収106万円(月収8万8000円)の人が厚生年金に1年間加入すると,65歳以降に受け取ることのできる年金が年間5400円アップする。

 しかも増えた公的年金は終身受け取れる。税負担などを考慮せず単純計算すると,例えば受給後に18年間生きたとして,受け取る厚生年金は年5400円×18年間=9万7200円。一方,厚生年金の保険料は年約9万6000円なので,支払った保険料より多くの年金を受け取ることになる。

 2021年時点で日本人の平均寿命は男性が81.47歳,女性が87.57歳。65歳から受け取りを開始すると,男性は平均16年間,女性は平均22年間,年金を受け取る計算になる。少なくともより長生きする女性は厚生年金に加入するメリットがあるといえるだろう。

 年金は長生きすることに備える保険だが,その理念に沿った設計になっていることがわかる。そのうえ厚生年金に加入すれば受けられる年金の範囲も広がる。

 年金というとついつい,老後に受け取る「老齢年金」のみが注目されがち。しかし,病気やケガで一定以上の障害を負った際には,「障害年金」を受給できる。

 障害年金は傷病名に関わりなく,実はがん治療の副作用,精神疾患も対象になっている。働きたくても働けず,つらい状態のときには大いに役立つはずだ。

 その障害年金には,「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がある。このうち障害厚生年金は,厚生年金に加入している人だけが受け取ることができるもの。障害基礎年金は1級と2級の区分までだが,障害厚生年金には,障害度の低い3級の区分や障害手当金まである。年金の額も障害厚生年金のほうが手厚い。

遺族年金でも厚生年金の保障は手厚い

 さらには,生計を支える扶養者が亡くなったときを考えて,遺族に支払われる「遺族年金」も知っておいたほうがいい。

 遺族年金にも「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがある。典型的なパターンとしては,厚生年金に加入していた人(夫)が先に亡くなった場合,遺族(妻)に支給される。

 ただ,遺族基礎年金は,子どものいない配偶者には支給されないなど,遺族の範囲は限定的だ。一方,遺族厚生年金は,夫・妻ともに子どもの有無にかかわらず,支給対象の遺族に含まれるなど,範囲は広い。年金の額も遺族厚生年金のほうがやはり手厚い。

 このように保険料を支払うことで,目先の手取りは減るものの,厚生年金をはじめ社会保険に加入するメリットがあることも,また事実。健康保険に加入すれば,ケガで休んだときに通算1年6カ月受け取れる傷病手当金や,産休中の収入減をサポートする出産手当金を受け取ることもできる。

 もちろん今の手取りが減ることは厳しい。支払った保険料の分だけ,はたしてメリットがあるのか,考えてしまうだろう。だが,社会保険は,あくまで「保険」であって,もしものときに備えるもの。本当に必要なのかと考える気持ちもわかるが,万が一の際に大きな助けになることもまた事実だ。

 とくに公的年金は“長生きリスク”に対する保険である。厚生年金への加入で上乗せされた年金は一生涯受け取れる。寿命が延び,いつまで生きるかわからない将来だからこそ,年金を少しでも増やして安心しておきたい。

≪今盛んに議論されている「壁」の問題にも大いに関係する部分です。目先の扶養控除よりも,心配な老後に資することの方に理がありそう……。遺族年金は75%などを考えると悩ましい。今か年金かの問題のようにも思えるかもしれませんが,人生を考えると加入に軍配ありか?もちろん,現在の年金制度が続くことが前提です。本来は,労働時間を控える云々より,その議論があるべきでしょう。単に労働力を得るためでは,企業の側に立脚したもののように思えてしまいます。社会保険加入は企業の側にも負担を強いることになるからです。本質的議論があっての結論を期待します≫

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葬儀から火葬許可申請書提出までの流れと,その他の手続き

 以下は,幻冬舎GOLD ONLINE提供記事のほぼほぼコピペです。

 大切な親族が亡くなり,相続が発生…。その瞬間から,親族は非常にあわただしい時間を過ごすことになりますが,そのなかで,葬儀や火葬許可申請書の提出など,遺族がおこなうべき手続きは多数に及びます。具体的な流れを見ていきます。自身もFP資格を持つ,公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

火葬の手続き…「火葬許可申請書」はどこへ提出する?

生徒:親族が亡くなって死亡届を出したあとは,火葬の手続きを進めるそうですが,その際に「火葬許可申請書」が必要だと聞きました。これはどんな書類なのですか?

先生:火葬許可申請書とは「火葬許可証」の交付に必要な書類です。亡くなった方の火葬をおこなうには火葬許可証が必要なので,火葬許可申請書を提出して火葬許可証を発行してもらうのです。

生徒:どこに申請するのでしょう?

先生:火葬許可の申請書は,原則としては死亡届と同時に,市町村役場へ提出することになっています。

生徒:火葬許可の申請書は,いつまでに提出しなければいけないのですか?

先生:提出期限は死亡届と同じで,亡くなった日から7日以内です。なお,病院で看取られず亡くなった場合には,法律上は,死亡を知った日から7日以内となっています。また,海外で亡くなった場合は3ヵ月以内となっています。

いよいよ葬儀だが…葬式費用はだれが負担するの?

生徒:葬儀なのですが,必要な費用はだれが負担するか決まっているのでしょうか?

先生:負担する人については,とくに法律で決められているわけではありません。一般的には,喪主が支払うことが多いようです。

生徒:葬儀のあともまだ,やるべき手続きが多く残されているのでしょうか…?

先生:葬儀のあとに遺族がおこなわなければいけないこととして,法的な手続きと法要があります。葬儀後の法要スケジュールは,宗派や慣習により違いがありますが,仏教の多くの宗派では,葬儀後に法要が営まれます。

生徒:法的な手続きだけではなく,法要も「やるべきこと」に含まれているんですね。具体的には,どのようなものがあるのでしょう?

先生:まず,亡くなってから七日後に営まれる「初七日」という法要をいいます。最近では,葬儀や告別式と同日にすませる場合も増えています。初七日までにおこなう必要のある手続きとしては,

(1)死亡届の提出

 (2)病院及び葬儀業者への経費の支払い

(3)亡くなった方が当事者となっている契約の解約・変更

(4)遺言書の有無の確認

(5)年金受給停止手続

の,5つです。とくに「死亡届の提出」は,速やかにおこなう必要がありますね。

生徒:病院や葬儀会社への費用の支払いはいつまでにすればいいのでしょう?

先生:病院及び葬儀業者への支払いは,葬儀を無事終えたら速やかにおこないます。葬儀の翌日までには,病院への支払いをおこないましょう。葬儀会社は,当日精算の会社もあれば,後日請求書で支払う会社もあるので,それに従いましょう。なお,葬儀費用は,相続税の計算では控除の対象となるため,領収書を保管しておくことが重要です。

生徒:ほかの注意点はありますか?

先生:亡くなった方が当事者となって結んだ契約は,亡くなった時点で無効になります。しかし,そのままにしていては,契約先は契約者が亡くなったことがわかりません。そのため,亡くなった方の契約先を確認して,不要なものは解約し,引き継いで利用するものは名義変更手続きをおこなうことが必要です。

生徒:具体的には,どんな契約があるのでしょうか? 先生:たとえば,クレジットカードやローンです。連絡しない限りは支払が続いてしまうので,初七日までには確認しておくことが必要ですよ。 生徒:遺言書の有無も確認すべきなのですよね?

先生:遺言書の有無の確認は,遺産分割をおこなうために必要なのです。初七日を終えたあと,遺産についての話し合いが始まる前までに確認しておきましょう。公正証書以外の遺言書は,勝手に開封することができません。検認手続きの準備も必要です。

生徒:社会保険もありますね。年金の受給停止手続きは,いつまでに連絡すればいいのですか?

先生:亡くなった方が国民年金に加入していた場合は,亡くなった日から14日以内におこないます。厚生年金の場合には,亡くなった日から10日以内におこなうことになっています。これらの手続きは,初七日のあとにすぐに期限が来るので,確認しておく必要がありますね。

生徒:早めの確認・手続きが大切ですね。

四十九日以降,遺族がおこなうべき手続きは?

生徒:よく聞く「四十九日法要」とはどういうものでしょう? それまでにしなければならない手続きはありますか?

先生:いわゆる「四十九日」は,死亡から四十九日後に営まれる法要です。きっちり四十九日後に法要をおこなうのではなく,その前後の週末におこなうケースが多いようです。四十九日で納骨をおこなうことが一般的となっています。その日までにおこなう手続きとしては「生命保険の死亡一時金の請求」「遺品整理」や「形見分け」などです。

生徒:どれも時間がかかりそうですね…。

先生:生命保険の請求については,請求期限が3年以内になっていることが多いようです。必ずしも四十九日までに請求する必要はないのですが,遺産分割で保険金の分け方を話し合うことがあるため,請求手続きを先におこなっておくと安心です。

生徒:遺品も分割の対象になるのですね?

先生:遺品整理や形見分けについては,一般的に四十九日ごろにおこなわれることが多いようです。相続に関する話し合いもこの時期ですしね。ただ,後々のトラブルを避けるために,タイミングをずらすこともあるようです。

四十九日法要が終了…その後に必要な法要&手続きは?

生徒:四十九日以降にも必要な手続きはありますか?

先生:法律で定められた手続きのなかで,3ヵ月以内におこなう必要があるものは,相続するかどうかの決定です。3ヵ月以内であれば,相続を放棄することができるんです。

生徒:そうなんですね!

先生:また,4ヵ月以内におこなう手続きとして,「準確定申告」があります。亡くなった方が所得税の申告をしていた場合,医療費控除を受けたでしょうから,必ず準確定申告をおこなわなければなりません。

生徒:相続税の申告はいつまでにおこなえばいいのですか?

先生:相続税の申告は,10ヵ月以内におこなう手続きです。

生徒:あと,法要について教えて下さい。

先生:初盆は,亡くなってからはじめて迎えるお盆ですね。お坊さんに来てもらって法要をおこなうことが一般的です。なお,四十九日前にお盆が来た場合は,次のお盆が初盆となります。

生徒:初盆のあとの法要はどんなものがありますか?

先生:そのあとは,三回忌や七回忌といった形で法要がおこなわれますが,回数を重ねるごとに規模は小さくなっていきます。三十三回忌や五十回忌で終わりとなることがありますが,近年では,そこまで継続するケースは少ないかもしれませんね。

納骨費用,葬式費用として「債務控除」できる?

生徒:四十九日に納骨するのが一般的ということですが,そのときにかかる費用は,相続税の計算上,どんな扱いとなりますか?

先生:お寺のお墓に納骨するときの費用は高額になりがちです。でも,葬式をおこなうために必要なので,相続税の計算で控除することが可能です。

生徒:相続税を減らす効果があるんですね!

先生:そうです。そのため,納骨にかかった費用を証明することができる書類を残しておくことが必要ですよ。

生徒:領収証ですね!

関係者への挨拶や香典返しも抜かりなく

生徒:葬儀の直後に喪主がおこなう手続きには,どういったものがありますか?

先生:それには,すでに述べた「病院や葬儀会社への費用の支払い」,そして「通夜や葬儀でお手伝いをしてくれた方,亡くなった方の職場のみなさんといった,関係者へのあいさつ」「香典返しの手配」の3つがありますね。

 

生徒:まずは病院や葬儀会社への支払いでしたね。関係者への挨拶はどのようにおこなえばいいのですか?

先生:通夜や葬儀でお手伝いをしてくれた方や職場の方への挨拶についても,葬儀の翌日から初七日までにすませることが一般的です。亡くなった方の職場へ挨拶に伺うときには,職場から借りているものや職場に残しているものを返却したり,取り寄せたりする必要があります。

 

生徒:香典返しは,どのようにおこなえばいいのでしょうか?

先生:香典返しは「半返し」が目安とされています。受け取った金額の半分程度の品物を,香典返しとして贈ります。四十九日の忌明けに香典返しを贈ることが一般的でしょう。必ずしも葬儀の直後におこなう必要はありませんが,葬儀の直後に取りまとめておくとよいでしょう。

 

岸田 康雄

国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

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「厚生年金保険」は払った分だけ将来受け取ることができる?

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:勝川みゆき)のほぼほぼコピペです。

厚生年金保険の基本的な制度

 厚生年金保険とはどのような制度なのか,まずはその基本を確認しましょう。

被保険者

 日本の公的年金制度は,「国民年金」と「厚生年金保険」の2階建て構造となっています。

 1階部分の国民年金は,国内に居住する20歳から60歳のすべての人が加入します。一方,2階部分に当たる厚生年金保険の加入者は,国民年金に上乗せする形で加入します。

 厚生年金保険は,会社員や公務員の人が加入する保険です。具体的には,厚生年金保険の適用事業所で常時働く原則70歳未満の人が被保険者となります。

給付の種類

 厚生年金保険に加入することで受けられる給付は,65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金だけではありません。もしも,病気やけがなどで障害を負ってしまった場合には,障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ受け取ることができます。

 また,加入者が死亡した場合には,子どものいる配偶者または子どもなどの遺族への遺族基礎年金に,遺族厚生年金が上乗せして支給されます。

老齢厚生年金の受給資格

 国民年金の老齢基礎年金を受給するためには,国民年金の加入期間が,免除または猶予された期間も含め10年以上必要です。

 老齢厚生年金は,老齢基礎年金の受給資格がある人に厚生年金の加入期間がある場合,老齢基礎年金に上乗せして支給されます。

厚生年金保険はいくら払い,いくら受給できるのか

 次に,厚生年金保険の保険料はいくらか,またいくらくらい受け取ることができるのかを見ていきます。

厚生年金保険の保険料

 厚生年金保険に加入している場合,国民年金と厚生年金保険,両方の保険料を納付していることになります。保険料は,毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に保険料率(18.3%)をかけて計算され,事業主と被保険者とが半分ずつ負担します。

 標準報酬月額とは,基本給に役職手当や通勤手当などの各種手当を含めて事業所から支給された額を,1等級(8万8000円)から32等級(65万円)までの32等級に区分した等級に当てはめて計算されます。また,標準賞与額とは,実際に受け取った税引前の賞与額から1000円未満の端数を切り捨てて算出し,支給1回につき150万円が上限となります。

 例えば,報酬月額が29万円から31万円の場合は,標準報酬月額が30万円(19等級)となります。30万円×18.3%=5万4900円となり,自己負担額はその半分の2万7450円です。さらに,賞与が60万円の場合,60万円×18.3%=10万9800円で,自己負担額は5万4900円です。

 それでは,40年間にわたって厚生年金保険に加入した場合,自己負担分の総額はいくらになるでしょうか。

 仮に,標準報酬月額がずっと変わらず30万円の場合,40年間で1317万6000円となります。標準賞与額を60万円(年2回支給)とすると,439万2000円です。合わせると,約1760万円となります(実際の支払額は就労状況や制度の変化等によって異なる場合があります)。

年金受給額

 それでは,厚生年金保険ではどれくらい年金を受け取ることができるのでしょうか。

厚生年金保険に加入している人は,国民年金(老齢基礎年金)に上乗せする形で,加入していた時の報酬額と加入期間に応じた年金額を受け取ることができます。老齢厚生年金の計算方法は,2003年3月以前の加入期間分と,4月以降の加入期間分で変わってきます。

平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数

(平均標準報酬額は,標準報酬月額の総額を2003年3月以前の加入期間で割って算出します)

平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

(平均標準報酬額は,標準報酬月額と標準賞与額の総額を2003年4月以降の加入期間で割って算出します)

 このように求められる合計額に,老齢基礎年金を足したものが,老齢厚生年金に加入している人が受け取れる年金額になります。

 仮に,40年間厚生年金に加入した人(標準報酬月額が30万円,標準賞与額を60万円を年2回,加入期間はすべて2003年4月以降)が,65歳から男性の平均寿命の81歳まで老齢厚生年金を受給した場合,受給総額は約2900万円となります。これは,支払った保険料の約1.6倍にあたります(実際の給付額は生活状況は制度の変更等によって異なる場合があります)。

 さらに条件がそろえば,65歳になるまでの間,特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができる場合もあります。

まとめ

 厚生年金保険の実際の保険料や受給額は,年収や加入期間によって個人ごとに異なるとはいえ,長生きをした分だけ得をする制度であることは確かでしょう。

 人生100年時代,自分が何歳まで生きることになるのかを正確に知ることは難しいですが,公的年金をしっかりと支払い,加えて私的年金などをうまく活用することで,老後の生活を豊かにする工夫を積み重ねましょう。

出典

日本年金機構 国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり(令和4年度版)

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 厚生年金保険の保険料

日本年金機構 老齢年金ガイド(令和4年度版)老齢基礎年金・老齢厚生年金の仕組み 2022年4月1日

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

 

勝川みゆき:ファイナンシャルプランナー2級・AFP

 

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定額年金と変額年金について

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:FINANCIAL FIELD編集部)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

個人年金保険の仕組み

 個人年金保険とは,国民年金や厚生年金などの公的年金を補てんする目的で作られた貯蓄型の私的保険です。加入すると契約時に定めた年齢から,一定期間または一生涯にわたって毎年,定められた額の年金が受け取れます。さらに条件を満たせば,個人年金保険料控除を受けられるため,節税対策になるメリットもあります。

 しかし,その一方で中途解約した場合は解約返戻金が支払った金額以下になり損をしてしまう可能性がある点や,元本割れリスクが少ない一方,利率が低く大きなリターンを得られない点などがデメリットとしてあげられます。

定額年金と変額年金の違い

 個人年金保険には「定額年金」と「変額年金」があります。それぞれの違いを以下にまとめます。

 契約時に定めた予定利率により積立運用を行うタイプの個人年金保険です。元本割れリスクを抑えられる一方,利率も少なめです。

 価格変動幅の大きい金融商品などで年金原資を運用するタイプの個人年金保険です。元本割れリスクが高くなる一方,運用成績次第で高いリターンが得られます。

夫婦がもらえる個人年金の目安は?

 個人年金保険に加入した方は,どのくらいの年金額を受け取っているのでしょうか。支払う金額や年数によって異なるため一概にはいえませんが,全体の平均を知るためには,生命保険文化センターが実施した「生命保険に関する全国実態調査」が参考になります。

 令和3年度の調査によると,個人年金保険加入世帯の基本年金年額の平均は97万1000円との結果が出ています。また,個人年金保険の世帯年間払込保険料の平均は20万6000円です。この結果から月額で表すと,若いうちに毎月1万5000~2万円程度の保険料を支払い,老後に毎月8万0000円程度の金額を受け取るのが,個人年金保険の加入者の平均的な資金計画といえるでしょう。

まとめ

 老後の生活資金対策としては,このほかにつみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などがあげられます。ただし,株式や投資信託など用意された運用商品のなかから自分で商品を選ばなければならず,元本割れの可能性も考えられます。そのため,投資の知識がない方や利率より元本割れリスクを減らすことを重視する方は,個人年金保険が向いているといえます。

 また,利率が低いとはいえ若いうちから確実に払い込みを続けていけば,それに応じて将来受給できる金額も増えるため,老後は公的年金個人年金により豊かな生活を実現することも可能となるでしょう。

 ただし,中途解約した場合の元本割れリスクや,株式や投資信託のような大きなリターンは得られないというデメリットをよく理解したうえで,自分にとって本当に必要な保険かどうか検討することが大切です。

出典

セコム株式会社 老後の不安に関する意識調査

公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査

≪いずれにせよ,選択は個人責任でということになります≫

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年金を「払う人」「受けとる人」の数は過去20年でどう変わった?

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:FINANCIAL FIELD編集部)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 平均寿命が延び続ける長寿大国の日本では,老後について計画的に考えることが重要です。会社の退職後も,長いセカンドライフが待っています。

 退職後のセカンドライフを支えてくれる重要な制度が年金です。本記事では,年金制度の運営状況を解説します。年金制度の改定についても紹介するので,ぜひ参考にしてみてください。

公的年金の被保険者数の推移

 公的年金は,職業や属性により加入する年金が「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」と異なります。それぞれが加入する年金は図表1のとおりです。

  図表1

 筆者作成 図表1のとおり,保険料を納める被保険者は,第1号被保険者と第2号被保険者です。では,年金制度の被保険者数はどのように推移しているのでしょうか? 過去の被保険者数の推移は図表2のとおりです。

  図表2

 厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に筆者作成 図表2のとおり,3年で被保険者数の総数は減少しています。少子化を考えると,総数が今後増加することは想定しづらいでしょう。

 一方で,注目したいのが第2号被保険者数の増加と第3号被保険者の減少です。第2号被保険者は会社員や公務員などで,第3号被保険者は専業主婦(主夫)など,配偶者の扶養に入っている人を指します。 第2号被保険者が増えて第3号被保険者が減っている要因には,共働き世帯の増加や女性の社会進出などが背景に考えられます。また,今まで専業主婦(主夫)やパートで働いていたけれど,収入を増やすため扶養の範囲を超えて働くようになったという理由の人も含まれるかもしれません。

 第3号被保険者から第2号被保険者に切り替われば,年金保険料の負担が生じるため,年金制度の運営という観点では第2号被保険者が増えることは歓迎されるべき現象です。また,2022年10月には社会保険に加入する短時間労働者の範囲が拡大され,2024年にも段階的に拡大するため,さらに第2号被保険者の増加が見込まれるでしょう。

公的年金の受給者数の推移

 公的年金の受給者数はどのように推移しているのでしょうか? 公的年金の過去3年の受給者数の変化は図表3のとおりです。

  図表3

 厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に筆者作成 日本の人口は約1億2500万人ですので,人口の約3割が年金を受給していることがわかります。高齢化が進むため,年金受給者は増えることが予想されます。

年金総額の推移

 公的年金は,年間に総額でどの程度支払われているのでしょうか? 年金総額の過去の推移は図表4のとおりです。

  図表4

 厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に筆者作成 2021年度の年金総額は約56兆円で,20年間で支払額は約16兆円増加しています。日本の名目GDPの約1割に相当し,年金支払総額は高額であることがわかります。

少子高齢化は年金制度に影響する

 少子高齢化により,将来はますます被保険者数が減少し,年金受給者は増加します。年金制度の運営はより厳しいものになるでしょう。

 そのため制度に頼るだけでなく,年金受給額を増やすために受給開始年齢を遅らせる繰下げ受給,現役時代からiDeCoやつみたてNISAに取り組むなども検討してみてください。繰下げ受給は寿命により損か得かは異なりますが,年金は長生きリスクに備えるための保険なので,受給開始を遅らせることは有効な手段です。

出典 :厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 日本年金機構    数字で見る公的年金 日本年金機構 年金の繰下げ受給

 

≪「受給開始を遅らせることは有効な手段」の「有効」が「長生きリスクに備えるため」であれば。長生きがリスクとは,世の中変わりましたねぇ。ただ,健康でないと意味がないような……。80代は,それ以前の年代に比べて生活が激変し,お金を使うことも……≫

 

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国民年金を満額に近づける方法!

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:柳沢俊宏)のほぼほぼコピペです。

 国民年金に未加入だった期間や国民年金保険料を納められなかった期間があると,その期間に応じて将来の年金額が少なくなってしまいます。

 若いころは年金額をあまり気にしていなかったものの,いざ年金の受給が近づくと,いくらかでも年金額を底上げしたいと考えられる方も多いのではないでしょうか? また,今ならいくらか余裕ができて,しばらく保険料を負担できるという方もいるかもしれません。 現在,国民年金を満額もらえない方でも,年金額を増やす方法として任意加入制度があります。 本記事では,この任意加入制度について解説します。

任意加入制度とは?

 任意加入制度とは,本人の申し出により,60歳以上65歳未満の5年間,国民年金保険料を納めることで,65歳から受け取る老齢基礎年金を増やせる制度です。

 なお,あくまで老齢基礎年金を満額に近づける制度ですので,任意加入した場合でも,上限は納付月数480月までとなっています。

 昨今,国民保険の保険料納付期間を65歳まで延長する案が話題となっていますが,本記事では2022年12月現在の法令に基づき,解説しています。

■加入要件

 任意加入制度は,次の5つの要件をすべて満たす方が利用できます。

・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方

・老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方

・20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方

・厚生年金保険,共済組合などに加入していない方

日本国籍を有しない方で,在留資格が「特定活動(医療滞在・観光などを目的とするロングステイ)」で滞在する方ではない方

 そのほか,年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方,外国に居住する日本人で20歳以上65歳未満の方も加入が可能です。

 ■保険料

 任意加入制度に加入した場合の国民年金保険料は,月額1万6590円(令和4年度)です。保険料の納付方法は口座振替になります。

 任意加入制度では,あわせて付加保険料の納付も可能です。付加保険料を納付することで,老齢基礎年金とあわせて付加年金を受け取れるので,年金額を増やしたい方にとっては大きなメリットです。

 また,任意加入制度では,保険料を前払いすることで保険料が割引される前納制度も利用できます。

任意加入制度の手続き方法

 任意加入制度への加入手続きは,居住する市(区)役所,または町村役場の国民年金担当窓口で行います。 その際,年金手帳などの基礎年金番号を明らかにできる書類,預金通帳,金融機関届出印などが必要になります。

長生きするほど任意加入制度のメリットは大きい

 一度年金額を増やしてしまえば,老齢基礎年金受給時から生涯にわたって増額された年金を受け取ることができます。長生きできる保障はありませんが,長生きすればするほど元が取れると考えると,資金に余裕があれば任意加入制度を利用するメリットは大きいです。

 また,国民年金保険料社会保険料控除の対象となりますので,課税される所得がある場合には一定の節税効果もあります。

 将来の年金額を満額に近づけたい方は,自己資金と相談しながら,任意加入制度の利用を検討してみましょう。

出典 日本年金機構 あなたも国民年金を増やしませんか?

柳沢俊宏:1級ファイナンシャル・プランニング技能士,ワイゼットFPオフィス代表

 

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「年金」じつは「定年後」に「ほぼ1億円もらえる」!

 以下は,現代ビジネス提供記事のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 定年が近づくにつれ漠然としたお金の不安に悩まされる人は少なくない。

世間では「年金はあてにならない」「老後は医療費や介護費の負担が重くなる」「定年後も働かないと食べていけない」といった悲観的な展望が常識になっているが,記事『役所はなぜか教えない…60歳から『3つの年金』をたっぷりもらう“凄テク”と,『貯金0円』でも“老後安心”に暮らす“超ワザ”…!』などでご紹介したとおり,実は,長くサラリーマンとして働いてきた人の年金は充実している可能性が高いのだ。

 今回は,会社員の年金がどれくらい充実しているのか,『役所や会社では教えてくれない!定年と年金 3つの年金と退職金を最大限に受け取る方法』を監修した大江加代さんと,その夫で経済コラムニストの大江英樹さんに,具体的な金額の目安を教えてもらった。

「年金不安」に騙されるな!

 老後の生活を支える収入のメインは,公的年金だ。

 しかし,公的年金については「年金不安」をあおる情報があまりにも多い。

 その結果,「今の世代はいいけれど,将来は破綻する」「受け取る金額が激減する」という話が一人歩きし,自分がもらえる年金がいくらなのかも確認せず,早々にあきらめて,ただただ不安に頭を抱えている人があまりにも多いようだ。

定年後に「年金1億円」もらえる人が続々…!

 そこで,サラリーマンの資産形成を支援する活動を行う大江夫妻に,実際に会社員夫婦がもらえる公的年金額の目安を聞いてみた。

厚生労働省は,毎年平均的な収入の会社員夫婦のモデル年金受給額を発表しています。

 令和4年度の数字でいえば夫婦2人で月額21万9593円です。この金額は夫婦のうち1人は会社員,1人は無職という組み合わせです。この夫婦が同い年でともに65歳から90歳まで生きたとすると,単純計算で約6587万円の年金がもらえることになります。

 これを収入が同じくらいの共働き夫婦として計算すると,月額30万9554円になります。仮に25年間受給すると,総額は約9286万円ということになりますね。

 つまり,共働き夫婦なら,すでに1億円近い老後資金の土台をもらう権利があるということになるのです」(加代さん)

 もちろん,これはあくまでモデル額ではあるが,ここに夫婦の年齢差によっては年金版家族手当てとも呼ばれる加給年金が加算される人もいる。

若い人でも「納めた保険料の2.3倍」

 これだけもらえる権利があるのに「年金は不安」と思い込む背景には,「今の世代はいいけれど,自分たちがもらう頃には年金は破綻している」という悲観論を展開する人々がいるからだ。

 この点について,公的年金制度にくわしい夫の英樹さんがこう解説する。

「よく,年金がもらえるとしても,自分が払った保険料分すら取り戻せないのではないかという人がいます。しかし,厚生労働省の『財政検証結果レポート』のデータをもとに世代間の年金給付額と保険料負担額を調べてみると,1995年生まれの人でも,会社員であれば,納めた保険料の2.3倍の年金がもらえます。若い世代でも払った分の保険料は十分取り戻せるでしょう。

 また,そもそも公的年金の本質は,『貯蓄』ではなく『保険』です。『保険』という役割を考えれば,『元が取れない』という発想自体がナンセンスです。がん保険に入っている人が,保険金をもらえないからといって『がんにならなくて損した』『保険料が無駄になった』とは誰もいわないと思います。

 我々は,何歳まで生きるかわかりません。だから,いつまで長生きしてもいいように,終身で所得保障をしてくれる公的年金という保険に加入しているのです」

 公的年金は長生きリスクに備える保険なのだ。

 やたらと年金不安をあおられて,おかしな金融商品に飛びつく前に,まずは目の前の現実をしっかり直視することが大切だ。

≪年金不安は払拭できないものの,現実を直視したいものです。不安を煽るのは,市場に個人の資産を導入するための方策?≫

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確定申告は自営業者だけのものではない!

 以下は,マネーポストWEB提供記事(週刊ポスト2023年2月10・17日号)のほぼほぼコピペです。

確定申告でしっかりお金を取り戻したい

 政府は防衛費増額や“異次元の少子化対策”とセットで増税を押しつける姿勢が鮮明だ。物価高で家計が逼迫するなかでは,「お上から取り戻せるカネ」をもらい損ねないことが重要になる。

 最大のチャンスとなるのが2月16日から始まる「確定申告」だ。確定申告は“自営業者・個人事業主がやるもの”というイメージが根強くある。会社員は年末調整があるし,年金生活者も「公的年金400万円以下なら不要」という情報が周知されている。しかし,それが全員に当てはまるとは限らない。

 『年金生活者・定年退職者のための確定申告』の監修者である山本宏・税理士はこう言う。

「給与や年金から税金が源泉徴収(天引き)されている人は,そこに本来使えるはずの『控除』が反映されていない場合,本来納めるべき額よりも多く税金を支払っていることになる。自ら税務署に控除が受けられると申告し,還付を受ける機会となるのが確定申告です。会社員や年金生活者でも,税金を取り戻せるケースは多くあります」

翌年の住民税も安くなる

 たとえば,年金収入240万円の人(単身世帯)で考えてみよう。

「どの健康保険に加入しているかなどで所得は変わりますが,ざっくり年金収入240万円から,公的年金等控除110万円と基礎控除48万円を引き,健康保険料を15万円払ったとすると,所得は67万円。所得税が5%として3万3500円になり,一律10%の住民税が6万7000円になる。様々な控除を使って67万円の所得を圧縮していけば,払った所得税が取り戻せるわけです」(山本氏)

 仮に,前年に大病の手術や入院で医療費自己負担が100万円を超えていたりすれば,「医療費控除」を使うことで所得はゼロに圧縮され,3万3500円がまるまる戻ってくる。

「さらに見逃せないのは,所得控除を申告することで,“翌年の住民税”が安くなることです。所得税は最低税率が5%なので,所得が少ないと確定申告の還付額を“これっぽっち”と思うかもしれませんが,住民税は一律10%の税率のため所得の少ない人にもメリットが大きい。住民税を払わなくてよくなるケースも少なくありません」(山本氏)

 前述した年金収入240万円の例で,仮に様々な控除により所得がゼロにできれば,所得税の還付と翌年の住民税の減額を合わせて“プラス10万円”の節税効果になる。

 会社員の場合も,年末調整では反映されない控除が受けられれば同様の効果がある。多く稼いでいる人ほど,還付が受けられる余地は大きい。

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「貯金」と「預金」の違いは?

 以下は, fuelle編集部提供記事(文も)のほぼほぼコピペです。

 あなたは「預金封鎖」の意味を説明できますか?今回は,いまさら聞けない「銀行にまつわる金融用語」を3つご紹介します。

■「貯金」と「預金」の違いは?

 「貯金」は金銭をためること。また,その金。

 「預金」は銀行などの金融機関に金銭を預けること。また,その金銭。

 小学館デジタル大辞泉より

 「毎月決まった額を貯金する」「毎月定額を預金する」などの例文が挙げられます。

■「預金封鎖」とは?

 「預金封鎖」とは…銀行などが顧客の銀行預金を凍結し,引き出しを制限すること。金融機関が取り付けを防止するために行う場合と,政府が財政破たんに陥ることを回避するために行う場合がある。引用:bitbankGlossary

■「当座預金」と「普通預金」の違いは?

 「当座預金」とは…銀行に当座勘定口座を設けている取引先が,小切手・手形の支払資金として預け入れた預金。無利息で,預金者は小切手・手形により,自由に払い戻しを請求できる。

 「普通預金」とは…いつでも自由に預け入れや払い戻しができる預金。

 小学館デジタル大辞泉より

■金融用語を覚えてお金に詳しくなろう

 聞いたことはあるけど,説明できない用語は他にもたくさんあるようです。金融用語を覚えるとニュースや公的手続きなどが格段にわかるようになります。興味があれば調べてみてくださいね。

≪かつては,郵便貯金,それ以外の金融機関は預金だった……,今はゆうちょ銀行だから≫

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“共働きの妻”が知っておくべき「年金の繰り下げ受給」の注意点

 以下は,幻冬舎GOLD ONLINE提供記事のほぼほぼコピペです。

 老後生活費の不安を解消するには,まず50代のうちに老後のお金の「見える化」しておくことが大切です。そこで課題が判明しても,対策を打つことができ,「知っていれば〇〇しなかったのに…」という後悔も避けられるはずです。

 大江英樹氏・大江加代氏の共著『お金・仕事・生活…知らないとこわい 定年後夫婦のリアル』(日本実業出版)から一部を抜粋し,妻・加代氏によるアドバイス「共働きの妻が知っておくべき年金の繰り下げ受給の注意点」を紹介します。

年金は「受給開始を遅らせる」と給付額が手厚くなる

 わが家では,老後の収支を「見える化」した結果,会社の退職金・企業年金を極力一時金で受け取らず年金で受け取る方針にしました。

 他にも年齢を重ねてからの収入をなるべく手厚くする方法がないかと探してみたところ,公的年金には「繰り下げ」という年金額を手厚くできる方法があることがわかりました。

 最近では,新聞やマネーサイトでもよく取り上げられるようになっているので,ご存じの方も多いのではないでしょうか。とはいえ,よい点ばかりでもないので,わが家の事例を交えながら検討ポイントを解説したいと思います。

 公的年金の繰り下げとは,受け取り開始の時期を原則の65歳よりも遅らせることです。 ひと月遅らせるごとに月々の年金額が0.7%増え,その増額された額を生きている限り受け取ることができます。

 つまり,仮に66歳まで1年間受け取り開始を遅らせると給付額が8.4%も増えることになります。

 この公的年金の繰り下げは75歳まで(最大10年)繰り下げできます。

 もし,10年繰り下げたとすると給付額は84%増と倍近い金額になることになります。 実際には給付額が増えると所得税や住民税,さらには医療や介護の社会保険料の額もあがるので,手取り額が84%増とはいかないのですが,それでも今の超低金利からするとビックリするような,ありがたい話です。

誰の何を繰り下げるか?「受け取り方」の選択肢は多い

 一般的に女性は男性よりも長生きなので,長生きした場合の備えとして「繰り下げ」は大変魅力的な対策だと思います。

 ですから,ぜひその活用を検討してみていただきたいのですが,選択肢としては「いつまで繰り下げるか」ということだけでなく,「厚生年金と国民年金の二つとも繰り下げるのか」または「いずれか一方だけを繰り下げるのか」といった選択もあります。

 さらに夫婦の場合,「夫の年金を繰り下げるか」「妻の年金を繰り下げるか」といった組み合わせも検討できるので,選択肢はバリエーション豊かになります。

 まず,繰り下げをする前提は,65歳以降受け取り開始のタイミングまで,公的年金の収入がなくても生活費が賄えることが大前提になります。賄う方法としては,働いて得る収入,退職一時金,企業年金,それまでに自分で貯めた金融資産の取り崩しといったものが考えられますが,将来の医療や介護などを考えると,手元の金融資産は取り崩さずに済む状態が安心かと思います。

 わが家の場合,夫が60歳の頃は起業したばかりで収入がまったくありませんでしたから,「繰り下げはできたらいいけど,難しいだろう」と思っていました。

 その後,数年経って夫も私も仕事が軌道に乗り,公的年金の収入がなくても生活費が賄える状況になったので,夫の65歳が近づいた頃に繰り下げするかどうかの夫婦会議を開きました。

 共働きでも私たちのように起業している収入が安定していない夫婦だと,直前にならないと物事が決められない面がありますが,安定した収入がある共働き夫婦であれば,50代後半くらいから繰り下げするかどうかの夫婦会議を開いてもよいのかもしれません。これから繰り下げをする場合に知っておきたいポイントを4つ紹介するので,ぜひ参考にしてください。

知っておきたい4つのポイント

<ポイント(1)加給年金が受け取れなくなる可能性がある>

 まず一つ目はデメリットともいえますが,厚生年金を繰り下げすると加給年金が受け取れなくなります。

 加給年金というのは,年金版家族手当のようなもので,厚生年金保険に20年以上加入した人が65歳になって厚生年金をもらい始めた段階で生計を維持されている65歳未満の配偶者がいれば,加算されるというものです。配偶者の場合,年額約39万円です。

 「生計を維持されている」とは,原則として次の要件をいずれも満たす場合をいいます。

(1)生計を同じくしていること(同居していること。別居していても,仕送りをしている,健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められる)

(2)収入要件を満たしていること(前年の収入が850万円未満,または所得が655万5千円未満) ※配偶者自身が厚生年金保険に20年以上加入した特別支給の老齢厚生年金を受けられるときなどは,加給年金額は加算されません。

 厚生年金を繰り下げて受け取らないということは,その間,加給年金ももらえないということになります。

 わが夫婦の場合は年の差15年なので,加給年金を,夫が厚生年金を70歳まで繰り下げることによって5年間もらえなくても,私が65歳になるまでの10年はもらえます。メリット・デメリットを総合的に考えると,「繰り下げてもよいだろう」ということになりました。

<ポイント(2)遺族厚生年金は繰り下げしても増えない>

 二つ目は遺族厚生年金についてです。これは「知らなかった」と後悔しないためにも,ぜひ押さえておきたいポイントです。

 遺族厚生年金は「夫の厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」です。夫の厚生年金を繰り下げして額を大きくしたら遺族厚生年金も増える,と思うかもしれませんが違うのです。

 遺族厚生年金の計算の際に使う夫の厚生年金の報酬比例部分は,繰り下げして増えた額ではなく,65歳から受け取り開始する際の額なのです。

 つまり,繰り下げによって受け取り額が増えるメリットがあるのは夫が生きている間だけで,妻が遺族になったら減る(通常路線に戻る)のです。これを知って私は相当がっかりしました。 結局,妻である私がおひとりさまになったときの対策としての年金額を増やすためには,「私自身の年金を繰り下げないと意味がない」ということです。

 さらに共働きのご夫婦のためにもう少し丁寧に解説すれば,一人になった時に夫の遺族厚生年金としてもらう年金は,自分の厚生年金とは別に上乗せしてもらえるわけではなく,自分の厚生年金と遺族厚生年金のいずれか多いほうの額を受け取れるということになります。 共働き夫婦は,二人で暮らしているうちは年金受給においてもダブルインカムで最強ですが,一人になった時,生活費は半分にならないのに年金収入がほぼ一人分になります。ちょっと厳しい現実ですが,そこを見据えておくことが安心につながるでしょう。

 一般的に,繰り下げして増える額の多い夫の厚生年金額を繰り下げるほうが得と考えがちですが,加給年金のことや遺族厚生年金の現実を考えると,妻が年下の場合,夫の厚生年金は65歳からさっさともらい始めて,夫の基礎年金,妻の基礎年金は極力繰り下げる,そして妻の厚生年金の繰り下げは自分の厚生年金額と夫の厚生年金の4分の3の額を見比べて判断する,というのが一つの方法かと思います。

 わが家は,仕事上もまだ少なかった「繰り下げ」を自ら実践・体験したいということもあって,加給年金は捨てて70歳まで夫の年金は基礎年金・厚生年金ともに繰り下げました。現在は75歳までの繰り下げも可能ですが,夫の生年月日ではそれは適わず,受け取りを始めています。

<ポイント(3)税と社会保険料の自己負担額に影響する>

 三つめのポイントは,年金額が増えると所得税・住民税・医療介護に関する社会保険料や医療介護の自己負担額に影響することです。

 社会保険料に関して,「65歳で勤めを辞めて年収が下がったのに,負担が増えて驚いた」という話をよく耳にします。これは年金額が増えたというよりも,お勤めしていた間は会社と折半で負担していた社会保険料を全額自己負担することが主因です。

 こうした退社後の社会保険料だけでなく,繰り下げによって年金額が増えたとき,税金や社会保険料にどういった影響がありそうか,どの程度の負担になるのか,お住いの市町村のホームページや相談窓口を活用して確認しておいたほうがよいでしょう。

 ちなみに,医療費の負担率が下がる70歳になっても,現役並み所得者として3割負担する目安は,世帯内に課税所得145万円以上の人がいるかどうか,介護保険の3割負担は65歳以上の単身世帯で年間収入340万円,二人以上世帯で463万円というのが一つの目安になります。

<ポイント(4)自由度が高い「融通が利く」制度である>

 最後に,繰り下げは意外に自由度があるのも知っておいていただきたいことです。

 「繰り下げ」は,65歳の時に受け取り開始手続きをしなければ自動的に繰り下げになり,事前に「何歳まで繰り下げる」といった申告も不要です。 また,受け取るときは二つの方法から選択することができます。

 例えば,70歳まで繰り下げして年金給付額を手厚くしようと思っていた方が,68歳で大きな病気をしてお金が必要になったのであれば,その時点で年金事務所に行って受取申請をし,68歳から受け取ることができます。

 その場合,⑴増額された年金額をそこからもらうという方法と⑵65歳以降68歳までに支払われるはずだった年金額をまとめて受け取り,以降は増額なしの年金額を受け取るという方法を選択することもできます。

 「繰り下げ」の話をすると,「繰り下げしている間に亡くなったら損だよね」とか「もらい始めた直後にあの世へ行ったら増額しても意味ないですよね」と話す方がいますが,死んでしまっているのですから損も得もありません。後悔するのはあの世での話です。

 一人であればあまり気にする話ではなく,二人であれば残される側が後悔しない選択になっていることが大事だと思います。 「繰り下げ」に可能な範囲でチャレンジする算段をして,「難しそうであれば通常どおり受け取る」という気楽な姿勢で臨むのがよいのではないでしょうか。

大江 加代:確定拠出年金アナリスト

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将来,もらえるかもしれない「企業年金」とは?

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:FINANCIAL FIELD編集部)のほぼほぼコピペです。

企業年金とは

 日本の年金制度は加入義務のある公的年金と,任意で加入する私的年金に二分されます。公的年金国民年金と厚生年金があり,前者は20歳以上の全国民が対象,後者は主に会社員として働いている方が対象となります。「企業年金」は私的年金に該当するもので,企業が従業員の老後の生活を豊かにすることを目的に独自に設ける年金です。

企業年金は「確定給付型」と「確定拠出型」に大別されます。確定給付型はあらかじめ給付額が定められ,その給付をするために必要な掛け金を積み上げていく方式,確定拠出型は掛け金を事前に定め,その掛け金の運用成績によって給付額が確定する方式の年金です。

 確定給付型には「確定給付企業年金(DB)」と「厚生年金基金」の2種類があり,確定拠出型には「確定拠出年金(企業型DC)」があります。しかし,厚生年金基金は2014年で新設終了となったことから,現在は確定給付企業年金と確定拠出型年金の2つが企業年金の主流となっています。

企業年金がもらえる条件

 将来,企業年金を受け取るためには,企業年金制度を導入している会社に所属している必要があります。また,企業年金がもらえる時期や受け取り方法は,年金の種類によって異なりますので,図表1に種類の年金がもらえる時期をまとめます。なお,厚生年金基金については新設終了となり減少傾向にあることから,ここでは割愛いたします。

 確定給付企業年金(DB)は給付額が決まっているので,将来の設計が立てやすいメリットがある一方,運用状態が分かりにくいデメリットがあります。

 対して確定拠出年金(企業型DC)は自ら金融商品を選び資産運用を行うタイプなので,運用状況が分かりやすく,成績次第で将来もらえる年金受給額を増やせますが,一定の投資知識が必要になり,成績が悪ければ受給額も下がるリスクがあります。

 したがって,それぞれにメリット・デメリットのある制度といえますが,確定拠出年金(企業型DC)は2001年に施行後,新規導入する企業が年々増加しています。

 また,確定拠出年金は企業だけでなく,個人型の確定拠出年金iDeCo)もあり,こちらも老後の年金対策の主流となっていますので,今後は個人が投資知識を高め,自助努力によって老後の年金対策をする意識がより大切になってくるでしょう。

まとめ

 日本では今後も少子高齢化が進むことが予想され,老後の生活資金を公的年金のみでまかなうのは,厳しいという見方が強まっています。そのため,私的年金などを活用しながら,個人が独自に老後の年金対策をすることが大切です。

 企業年金は老後の年金対策として有効な方法なので,自身が所属する企業が導入しているかどうか,改めてチェックするようにしましょう。また,その際は確定給付・確定拠出のどちらに該当するかを調べ,将来年金が受け取れる時期や大体の金額に関してもシミュレーションすることをおすすめします。

出典:厚生労働省 企業年金個人年金制度の現状等について

 

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公務員の年金に上乗せされる「職域加算」って何?

 以下は,あるじゃんAll Aboutマネー提供記事(監修・文/深川弘恵)のほぼほぼコピペです。

 老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが,年金制度にまつわることは,難しい用語が多くて,ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

 今回は,公務員の年金の職域加算とは何かについてです。

◆Q:公務員の職域加算って何?

「公務員の年金にプラスされる職域加算って何ですか? 会社員はもらえないのですか?」(30歳)

◆A:公務員独自の公的年金の3階部分で,平成27年9月に廃止されました。会社員はもらえません

 現在の年金制度は2階建ての仕組みです。1階部分は国民全員が加入する国民年金(基礎年金),2階部分は会社員や公務員が加入する厚生年金です。

 公務員の2階部分の年金は,平成27年9月までは共済年金でした。公務員の共済年金と会社員の厚生年金は,保険料率や給付水準に違いがあったため,公平性を目的に,平成24年8月10日「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」が成立し,平成27年10月に共済年金と厚生年金は一元化されました。

 一元化される前の共済年金には,公的年金の3階部分として「職域加算」がありました。そもそも職域加算部分は,会社員の企業年金が,相当程度普及していたのに対し,公務員は身分上の制約があり,企業年金に入れないことから,昭和61年に設けられた制度です。

 この職域加算は一元化により廃止となり,現在の給付水準は統一されましたので,同じ報酬で同じ加入期間であれば,会社員も公務員も1階・2階部分については同じ年金額となります。

 ただし,公務員の年金は,一元化により職域加算が廃止された代わりに,「年金払い退職給付」の制度が設けられました。この制度は,半分は有期年金(10年または20年),半分は終身年金となり,積立方式となりますので,職域加算とは大きく異なるものになっています。この「年金払い退職給付」は会社員はもらえません。

深川弘恵(ファイナンシャルプランナー
 都市銀行や保険会社,保険代理店での業務経験を通じて,CFP,証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師,資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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