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「遺族年金は税金がかからない」って本当?

 以下は,All About 編集部提供記事(監修・文/深川 弘恵)のほぼほぼコピペです。

 老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが,年金制度にまつわることは,難しい用語が多くて,ますます不安になってしまう人も……。今回は,遺族年金にかかる税金について,年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

 老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが,年金制度にまつわることは,難しい用語が多くて,ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

 今回は,遺族年金にかかる税金についてです。

Q:遺族年金は税金がかからないのですか?

「遺族年金は所得税や住民税が非課税になると聞きました。老齢年金と遺族年金だったら,遺族年金のほうが有利ということになりますか?」(相談者)

A:遺族年金は所得税・住民税はかかりません。老齢年金も税金がかからない場合があります

 厚生年金保険や国民年金保険などに加入し,生活を支えていた人(被保険者)が亡くなったときは,遺族に対して遺族年金が支給されます。

 この遺族に支給される遺族年金は,所得税,住民税は課税されません。国民年金法,厚生年金保険法などの法律で課税されないことになっています。

 老齢年金は,雑所得として所得税がかかりますが,雑所得の金額は,収入金額から必要経費を差し引いて計算します。公的年金等を受け取った場合は,収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算します。65歳未満の人は,年金収入が108万円未満,65歳以上の人は158万円未満の場合,所得税はかかりません。

 以上のことから,老齢年金の収入金額や控除額によっては,老齢年金も所得税がかからない場合もありますので,一概に老齢年金より遺族年金のほうが有利とはいえません。

深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー

 都市銀行や保険会社,保険代理店での業務経験を通じて,CFP,証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師,資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

 

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84歳までに行き詰まる…老後の現実

 以下は,PREESIDENT Online提供記事(榊原 正幸 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 私たちの老後にはいくら必要なのか。会計学博士の榊原正幸氏は「60歳で資産が5000万円あり,年220万円の年金があっても,年間支出500万円なら84歳までに破綻する。何歳まで生きても収支がプラスになる運用能力を身につけることが必要だ」という――。

※本稿は,榊原正幸『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

人生100年時代」は本当にやってきているのか

 「人生100年時代」という言葉をイヤになるほど耳にします。

 「人生100年時代」という言葉は『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット共著,池村千秋訳,東洋経済新報社)という著作で2016年末に一気にブレイクしました。それによると,2022年の時点において10代半ばの人のうちの2人に1人は107歳まで生きる可能性がある,というのです。

 そのことが独り歩きをして「人生100年時代」という言葉が跋扈(ばっこ)するようになりましたが,冷静に考えれば,現在30歳以上の年齢の人たちは依然として100歳まで生きる可能性は半分以下ですし,10代半ばの人にしたって,「2人に1人」しか107歳まで生きないわけです。しかも107歳まで生きた人が,猛烈に元気で120歳や130歳まで生きるのかというと,そういうことではないでしょう。

 2022年の時点において10代半ばの人が107歳まで生きた時というのは,今から90年後という想像を絶する未来のことなので,その頃には医療が超絶進歩していて,107歳まで生きた人が,猛烈に元気で120歳や130歳まで生きることができるようになっているのかもしれません。でも,それは今の段階ではまったくわかりません。

かなり運が良い人でないと100歳までは生きない

 逆に,新型コロナウイルスの比ではない極悪な細菌が蔓延して,人類の寿命が一気に縮まっているかもしれないわけですから,90年も先のことはなんともいえません。人類の寿命は伸びているかもしれないし,縮むのかもしれない,というのが正しい理解です(現実に,「新型コロナウイルスのせいで,アメリカ人の平均寿命が,コロナ前よりも1年くらい短くなった」というニュースを最近耳にしました)。

 そしてなんといっても,たとえば私と同世代の,2021年において60歳の男性の平均余命は(保険数理の平均余命表では)約24年なので,平均的に考えれば,依然として84歳前後で死亡すると予想されます(女性は89歳前後)。かなり運が良い人でないと,100歳までは生きないでしょう(ちなみに,2021年において60歳の男性が100歳まで生きる確率は5%弱のようです)。

「ピンピンコロリ」が実現できる人はおよそ2割

 そうはいっても,昔より長寿化したことは事実です。84歳まで生きるとすると,60歳から起算してもまだ24年もありますし,もっと長いかもしれません。そう思うと,経済的な基盤をあらかじめ整えておかなかった場合には,「一生働くしかないか……」という状態に陥るのも無理はありません。

 また,長寿化に歩調を合わせるように,年金支給時期の後ろ倒しが検討されています。近い将来,きっと年金受給開始時期そのものが75歳までに延期されるでしょう。そうなるまでに20年はかからないでしょうから,現在50歳より若い人は,「75歳まで働くのか……。それって,一生働くようなものだよな……」ということになりそうです。

 好きな仕事をしているのであれば,「一生働く」のは願ったり叶ったりですが,そうではない場合は,かなり過酷です。

 そしてここで,「そもそも,一生働くというのは,リアルにはどういうこと?」と考えると,「一生」ではなく,「働けるうちは働く」ということなので,「働けなくなってからはどうするの?」という問題が残るのです。

 いわゆる「ピンコロ(ピンピン元気で,急にコロッと他界すること)」ができない限り,この問題はついて回ります。ちなみに,「ピンコロ率」には諸説ありますが,おおむね20%弱のようですから,80%強の人は,「働けなくなってからはどうするの?」という問題にいずれ直面するのですが,世間の多くの人はそういった「不都合な真実」からは目を背けているようです。

 しかし,現実から目を背けてはいけません。かなり高齢になるまで働いたとしても,結局,終末期の何年間かは,働かなくても生活していけるようにしておかなければならないのです。

60歳で“ハッピーリタイア”するために必要な準備

 そこで重要になってくるのが「60歳 ハッピーリタイア論」なのです。あらかじめ周到な準備をしておき,「60歳でハッピーリタイア」することを実現させるのです。

そのために必要な概念は「エターニティ(Eternity)」です。

 「エターニティ(Eternity)」の意味ですが,直訳は「永遠,永久」です。ここで「エターニティ」の意味するところは,「自分の金融資産残高(=『自分年金』の積立金残高)が永久に枯渇しないようなシステムを60歳までに構築してしまう」ということです。「60歳でハッピーリタイア」するには,「エターニティ」という発想が必要なのです。

 平たく言えば,「働かなくても,収入と支出が均衡するか収入超過の状態」を確立すれば,「エターニティ」が完成するということです。

 「エターニティ」を構成する要素は,次の三つです。

1 原資となる金融資産の総額とその平均の運用利回り(税引き後)

2 年間の収入総額

3 年間の支出総額

毎年の収支が必ずしもプラスになっている必要はない

 たとえば,次のような簡潔な数値を当てはめればわかりやすいでしょう。わかりやすくするために,ここでは「原資となる金融資産」を「1億円」という理想的な金額にします。

1 原資となる金融資産が「1億円」で,その平均の運用利回りが税引き後で「4.8%」

2 年間の手取りの収入総額は,1の運用収入と年金収入(たとえば手取り年額220万円)

3 年間の支出総額は,480万円(月額40万円)の生活費と臨時支出が毎年120万円

すなわち,

1 「1億円」で,運用利回りが税引き後で「4.8%」ですから,480万円

2 年間の手取りの収入総額は480万円(1の運用収入)+220万円(年金収入)=700万円

3 年間の支出総額480万円(生活費)+120万円(臨時支出)=600万円

となりますので,毎年の収支は「+100万円」となって,めでたく「エターニティ」を確立できています。60歳以降,いつまで生活していっても原資となる金融資産は減らず,むしろジリジリと増えていくのです。毎年の収支は,プラスである必要はなく,「±ゼロ」でもエターニティは確立できているといえます。

死ぬ年齢は“予定通り”にいくとは限らない

 なお,このサンプルでは,60歳でリタイアしたとすると,年金を受給できる年齢(たとえば65歳)までは「年額220万円の再雇用やアルバイト」に就くか,1億円に追加で1100万円(220万円の5年分)を蓄えておく必要があるということになります。

 または,最初の5年間は収支差額の「-120万円」を元本から取り崩しておき,65歳以降に毎年の収支が「+100万円」となってから6年間で穴埋めする,と考えてもいいでしょう(この説明では,簡略化のために60歳時〜71歳時までに発生する複利の効果は度外視しましたが,1億円に対しての「-120万円」ですから誤差の範囲であり,71歳までには穴埋めは完了するでしょう)。

 細かい計算はさておいて,大事なことは「60歳までにエターニティを確立する」ということです。「エターニティを確立する」のがなぜ大事なことかというと,「いくつまで生きるかわからないから」です。「いくつまで生きても,ずっと安泰」な状態を創り出しておくことこそが,「真の安心」につながります。

 先ほど「現在60歳の男性が,100歳まで生きるのは稀だ」と書きましたが,実際には105歳まで生きるかもしれませんし,61歳で急死するかもしれないのです。それがわからない以上,「いくつまで生きても,ずっと安泰」な状態を創り出しておくことが必要なのです。

「つかい切るプラン」では不安からは解放されない

 一方で,次のような考えは,御法度です。

 たとえば現在45歳の人が「60歳までに5000万円貯めておいて,手取り5%で運用していけば,105歳くらいまでもつだろう。その頃には元本もつかい切っているだろう」などと考えてはいけません。今から60年後には105歳では死ななくなっているかもしれないからです。

もちろん,105歳まで生きないかもしれません。しかし,寿命が短い場合は問題ありませんが,寿命が長くなった場合には,「つかい切るプラン」は破綻の原因になります。それに, 「つかい切るプラン」は「先細りのプラン」なので,結局「不安」から解放されません。だからダメなのです。

60歳で5000万円持っているだけでは84歳で破綻する

 ちなみに,「60歳,5000万円,手取り5%で運用,105歳くらいまでもつだろう」と考える「つかい切るプラン」のこの人は,年金収入はいくらで,年間の支出はいくらの予定なのでしょうか。たとえば年金収入が手取りで220万円,運用益が250万円あるから,年間の支出が500万円なら大丈夫だろうと思ったら甘いです。最初の5年間に年金収入がないことも加味すると,この人は84歳の時に破綻します。

 現在60歳の男性の平均余命が24年ですから,ちょうど84歳になります。この人は現在45歳ですが,仮に現在60歳の人の平均余命と同じ84歳でお亡くなりになれば予定通りですが,もっと長生きしたら,アウトです。配偶者が存命でも,アウトです。

45歳から15年かけて運用能力を身につければ安泰

 もちろん,「運用」を大前提にしていますから,「運用がうまくいかなかったら,どうしよう」という不安からは完全には解放されませんが,たとえば「税込みで8%〜10%(税引き後で6.4%~8%)」の運用ができる実力をひとたび身につけてしまえば,それよりも利回りが低い「税込みで6%(税引き後で4.8%)」の運用に対しては,ほとんど不安は起こらなくなります。100%安心ということは無理ですが,「99%大丈夫」くらいの気持ちにはなれます。

 そもそも,人生なんて「一寸先は闇」かもしれないのです。天災・疾病・事故など,いつ起こるかわからないので,100%安心などということはどだい,存在しないのです。ですから,「99%大丈夫」なら,もうOKです。

 また,働いていたって,「100%解雇されない保証」はないので,どっちみち不安がゼロになることはないわけです。

 ですから,たとえば現在45歳の人は,今から15年かけて「税込みで8%〜10%(税引き後で6.4%~8%)」の運用ができる実力を身につけてしまうのです。そして,金融資産を「自分に必要な充分な金額(数千万円~1億円とか2億円)」まで育てておくのです。そうすれば,一生安泰です。

榊原 正幸(さかきばら・まさゆき)

 会計学博士 1961年,名古屋市生まれ。名古屋大学経済学部,大学院経済学研究科を経て,同大学経済学部助手。東北大学経済学部助教授,同大学院経済学研究科教授,青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授を経て,21年3月に退任。現在はファイナンシャル教育の普及活動を続けている。著書に『株式投資「必勝ゼミ」』(PHP研究所)の他,『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所),『会計の得する知識と株式投資の必勝法』(税務経理協会)などがある。

≪資産運用できる実力を持たない私は……,行き倒れるしかないのか……≫

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「デジタル遺産」相続時,遺族が困らないように準備すべきこと

 以下は,mymo提供記事のほぼほぼコピペです。

 「デジタル遺産」という言葉をご存知でしょうか。デジタル遺産とは,ネット銀行の口座や,電子マネーのチャージ残額,SNSアカウントなど,故人がデジタル形式で保管していた財産のことです。

 万一自分が死んだとき,残された家族があなたの遺産を相続しますが,相続人である家族はあなたの財産についてどのように調べるでしょうか。

 銀行通帳が残されていれば,すぐに相続の手続きをすることができます。また,証券会社から郵送で届く取引明細などがあれば,こちらもあなたの口座にすぐ気付くことができます。

 しかし,ネット銀行やネット証券などWEB上にあるデジタル資産や,SNSの写真やクラウドサービスに残された文章などのデジタル遺品については,調べることが困難です。

 そこで今回は,迷子になりやすいデジタル遺産の種類や,相続時にトラブルになりやすい例,そうならないための対処や整理の方法について解説します。

デジタル遺産には「デジタル資産」と「デジタル遺品」がある

 デジタル遺産について,どのようなものがあるのか確認しておきましょう。

 上記のようにデジタル遺産は,金融資産や決済手段などの「デジタル資産」と,SNSクラウドサービスなどの「デジタル遺品」に分けられます。

 いずれもデジタル遺産は,パソコンやスマホを利用しているサービスのことで,ログインIDやパスワードで管理されているものを指します。

 これらのサービスを利用していることを遺書に残すか,予め家族に伝えておかないと,あなたのデジタル資産やデジタル遺品は誰にも気づかれることなく,放置されてしまいます。

デジタル遺産にまつわるトラブルにはどんなものがあるか

 ではこのようなデジタル遺産について,放置されたままだとどのようなトラブルがあるのかみていきましょう。

 まずはネット銀行やネット証券などの金融資産について。これは口座があることを家族に伝えておかないと,その存在が知られることなく永遠に放置されてしまいます。口座の存在さえ知らせておけば,ログインIDやパスワードまで分からなくても相続人がそれぞれ金融機関に問い合わせて,相続手続きを行うことができます。

 特に注意が必要なのはFXの口座です。FXはレバレッジ取引といって元本以上の資金を運用する取引なので,為替が大きく動いた場合,元本以上の損失が出る可能性もあります。そのような場合,この損失が借金となり遺族がその借金を負わなければいけません。

 続いて最近利用している人が多いスマホ決済のPayPayやSuicaです。僅かな金額かもしれませんが,スマホにしか情報が無いため,その存在に気付かずスマホを初期化すると各サービスへの問い合わせが難しくなるでしょう。

 SNSについても,亡くなった人のアカウントがそのまま放置されているケースをたまに見かけます。このSNSも遺族がどのサービスを利用していたか調べてアカウントを削除していくのはとても大変です。Facebookは,追悼アカウント管理人を設定できるので,万一の時は,その管理人が自分と繋がっている人に亡くなったことを知らせることも可能です。

 遺族がデジタル遺産で直ぐに対応しておかないといけないのが,月額課金サービス(サブスクリプション)の解約です。動画配信やクラウドサービスなど利用料を支払って使っているサービスは,その存在に遺族が気付かず本人が亡くなった後も数カ月サブスク料金が引き落とされてしまうケースもあるので,注意しましょう。

相続時のトラブルにならないためにやっておきたいこと

 ではどうすればデジタル遺産のトラブルが防げるのか。これについては,デジタル遺産の情報を整理して目録を作っておくことが一番の解決方法です。

 エンディングノートのように紙に残す方法が一番分かりやすいでしょう。財産目録を作成して,それぞれのログインIDやパスワードを書き留めておくことで,相続人はその存在に直ぐ気付くことができ対応しやすくなります。併せて,口頭でも資産状況を伝えておくと家族は安心です。

 その他にもエクセルなどのシートに一覧表を作り,家族に知らせておく方法も良いでしょう。エンディングノートのように紙で管理すると,パスワードを変更したり資産状況が変わったりする度に書き直さないといけませんが,パソコンで作成しておくことで容易に更新でき,自分でも管理しやすくなります。

 ちなみに著者も財産目録をエクセルシートで管理しており,自分に万一のことがあれば,このファイルを見るようにと家族に伝えています。この時注意が必要なのは,そのファイルをクラウドサービスなどのオンライン上で保存せず,パソコン内のオフラインに保存しパスワードをかけておくことです。

 その他にもパスワード管理ソフトで管理するという方法もあります。このパスワード管理ソフトには有料サービスと無料サービスがあり,その使い勝手は様々です。情報漏洩の危険性もあるので,自分が信頼できる会社のサービスを選ぶようにしましょう。

 ここまで対策しておくのが面倒という方には,全てのサービスを,スマホアプリで利用することをおすすめします。ネット銀行やネット証券,仮想通貨取引所やFX口座を全てスマホ内のアプリで管理しておくことで,相続人はあなたのスマホをみれば,何のアカウントを持っているのか一目瞭然です。

 スマホで一元管理するメリットは,SNSアカウントの存在なども直ぐに気付いてもらえることです。スマホでアクセスできるようにしておけば,追悼アカウントなど作らなくても各サービスに問い合わせて対応することができます。

まとめ

 今回紹介したデジタル遺産は,20年前にはほとんど無かったものです。遺産といえば不動産や金融機関に預けている資産が多くを占めていましたが,時代と共にさまざまなオンラインサービスが増え,このようなデジタル遺産という言葉も生まれました。

 自分が死んだときのことは考えたくないことですが,いつ何があるか分かりません。残された家族のためにも事前準備をし,必ず何かにまとめておくことが大切です。また,最近ではパソコンやスマホを活用する高齢者も増えてきました。自分の親がデジタル遺産を遺して亡くなるかもしれない,という可能性を考え,両親にもデジタル遺産について話す機会を作り,家族で共有しておくことをおすすめします。

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国民健康保険料と国民健康保険税ってどう違う?

 以下は,All About提供記事(文:田中 卓也)のほぼほぼコピペです。

 国民健康保険は各市区町村によって,国民健康保険料とするか,国民健康保険税とするかを選ぶことができます。「国民健康保険税」の場合,「地方税」と同じ取扱いとなるため,より徴収等も厳しくなります。

国民健康保険料と国民健康保険税はどこが違うのか

 一般的に健康保険料といった場合,自営業者等でいうと国民健康保険に加入,給与所得者でいうと,社会保険が給与から天引きされ,それを納めているというパターンが勤労世帯でいうと多いのではないでしょうか。

 一方,徴収する側の市区町村側から見た場合,国民健康保険は各市区町村によって,国民健康保険料とするか国民健康保険税とするかを選択することができ,そのどちらを選択するかによって根拠法令が異なるので,当然取扱いも異なるのです。

 国民健康保険料でも国民健康保健税でもそれを支払った場合,所得税や住民税の計算上,社会保険料控除として所得控除項目となります。したがって,本来,公的な医療保険の性格を持つものといえるでしょう。国民健康保険料といった場合,その根拠法令は国民健康保険法となり,2年を過ぎてしまうと徴収権がなくなります。

 一方,国民健康保険税といった場合,公的な医療保険の性格を持つものであり,社会保険料控除として所得控除できるといった取扱いは一緒ですが,根拠法令が「地方税」となるので,徴収可能期間が5年となり,差し押さえの優先順位や手続きについても国民健康保険料とは異なってきます。これらをとりまとめると以下のようになります。

■徴収可能期間

国民健康保険料……2年

国民健康保険税……5年

■差し押さえ等の優先順位

1位:国税および地方税国民健康保険税もココに含まれる)

2位:抵当権

3位:国民健康保険

 これを見てもわかるように「国民健康保険税」のほうが「国民健康保険料」より,徴収可能期間および差し押さえを行う場合の優先順位が厳格に扱われていることがわかります。

 なので,ここでは,国民健康保険を「国民健康保険税」として取り扱っている自治体で,滞納・未納するとどうなるかを見ていきましょう。

督促状がきたら,まずは分納の相談

 国民健康保険税を期限通りに納めていないと,まずは市区町村から「督促状」という封筒が届きます。これが届いていたら,いわゆる「イエローカード」が提示されているといっていいでしょう。

 そのような状況にあるなら,まずは「督促状」を持って,市区町村の担当課(※)に出向き,分納,つまり「督促状通り一括で納めることはできないので,なんとか分割で納める方法」で折り合いをつけるという話し合いの場を持つことをまずは勧めます。

※前述のように国民健康保険の取扱いは「保険料方式」と「地方税方式」があるので,総合案内等で確認するのがいいでしょう。

滞納すると延滞金というペナルティが

 ただし,分納するとデメリットがあります。「督促状」が届いている段階で本来の納付期限を過ぎていることが考えられるので,本来の納付期限から実際に納付した日までの日数,税金の納付が遅延したということになるのです。

 「国民健康保険税」の場合,その取扱いは地方税と同じなので,その遅延分のペナルティが延滞金として課されるのです。現在の延滞金の割合の基準となる特例基準割合の数値は低くなっていますが,それでも分割払いにすればするほど,本税のほかに延滞金の額は大きくなるでしょう。

   延滞金の基準となる特例基準割合の表(出典:東京都主税局)

 なお,令和3年1月1日から令和3年12月31日までの特例基準割合は1.5%,令和4年1月1日から令和4年12月31日までの特例基準割合は1.4%とされています。

 ちなみに,納付期限の翌日から1カ月を経過する期間までの延滞金の割合は,上記特例基準割合に1%を付加したものなので,令和4年1月1日から令和4年12月31日の延滞金の割合は,以下のようになります。

・納付期限の翌日から1カ月を経過する日までの期間の場合

1.4%+1%=2.4%

・納付期限の翌日から1カ月を経過した日以降の期間の場合

1.4%+7.3%=8.7%

 したがって,早めの対応をしたほうがペナルティも軽減されることになります。

給与や加入している保険などに差し押さえがかかることも

 また,「どうせ大したことはないだろう」と「督促状」が届いたけど放置していると,ある日突然,「国民保険税の未払いが勤務先にばれた」「民間会社と契約している保険が差し押さえられた」などということもあるのです。

 前者の場合,「○○という従業員さんがいますよね。この方,○○年から○○年まで税金が未納になっているので,給与の一部を差し押さえさせていただきます」という通知が勤務先に来ることになります。後者はその時点の解約金相当額が滞納部分に充当され,不足する部分について分納の手続きを進めるということになります。

 ちなみに前者の場合,滞納期間前,半年間くらいの給与台帳を持参して,その市区町村の税務課に出向くことになります。給与の一部差し押さえとなるので,場合によっては勤務先の担当課の方にも同席してもらうこととなるケースもあります。

 通常,そのような状況になると何といってもその従業員の社会的信用が落ちることは避けられず,収入が減り,さらに国民健康保険税の滞納額が増えるということにもつながりかねません。

 国民健康保険税の対応方法は,まずは「督促状」が届いた段階で分納の相談,できればここで,直近3カ月から半年の給与明細や収支がわかるもの等を持参し,「この手取りの中から○○万円払います」という「支払いの意思表示」をすることです。これが国民健康保険税の滞納に対応するための最初の一歩となります。

田中 卓也(税理士)

 都内税理士事務所にて13年半の勤務を経て,開業。事業計画の作成・サポートを中心に,経営相談,キャッシュフロー表の立て方,資金繰りの管理,保険の見直し,相続・事業承継対策など多岐にわたる業務をおこなう。

 

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公的年金はジワジワ減……乗り切るための「ダウンサイジング」の方法!

 以下は,All About提供記事(文:川手 康義)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 公的年金は毎年改定され令和4年度は0.4%の減少となりました。今後も受け取る年金額が減ることはあっても増えることはなさそうです。

 今回は公的年金が減らされる中で,それを乗り切る家計の見直し方法を考えてみたいと思います。

令和4年度から年金額は0.4%減少します

 厚生労働省の発表によると,令和4年度の年金改定率は0.4%のマイナスとなりました。これは令和4年4月以降,新たに年金をもらう方(新規裁定者)だけでなく既に年金をもらっている方(既裁定者)も同様です。

 公的年金制度は現役世代が納める保険料を年金受給者の財源にあてる賦課方式のため,現役世代の賃金が下がれば年金も下げるのが基本です。しかし,これまでは既に年金をもらっている方の年金額が減らないよう,賃金が下がっても物価が下がっていない場合には年金額を据え置いたり,賃金の下がり幅が物価の下がり幅より大きい場合は物価の下がり幅を用いたりしていました。

 しかしながら現役世代の賃金が下がるのに年金額が据え置かれるのはどうかとの意見もあり,令和3年度以降は,物価よりも賃金の下がり幅が大きい場合には賃金に合わせて年金額を改定するという原則が用いられています。

 そのため令和4年度の年金改定では,賃金変動率のマイナス0.4%にあわせて年金額も0.4%の減少となりました。

 また年金改定では「物価」「賃金」「マクロ経済スライド」の3要素が加味されますが,「物価」「賃金」による改定がマイナスの場合は「マクロ経済スライド」は加味しないというルールがあり,令和4年度の改定では「マクロ経済スライド」は加味されていません。

<令和4年度の年金改定で用いられた指標>

・物価変動率-0.2%

・名目手取り賃金変動率-0.4%

マクロ経済スライド調整率-0.3%

年金減を乗り切るには現役時代から家計の見直しを

 年金をもらうようになって現役時代と同じような支出をしていたのでは,家計は赤字になるのは目に見えています。現役時代から老後に備えた生活のダウンサイジングをし,その生活を身につけておくと年金生活となっても慌てなくて済みます。

 次に現役時代からとれる家計の工夫で効果的なものを3つあげてみます。

1:使途不明金をなくす

 何に使ったか分からないけど,いつのまにか財布の中身がなくなっている。誰しもそのような経験はあるのではないでしょうか。まずは本人も何に使ったのか分からない「使途不明金」をなくしてみましょう。

 そのために効果的なのは「家計簿」をつけることです。ただ注意したいのは家計簿をつけるのが目的ではなく「使途不明金」がどの程度あるのかを知るのが目的なので,1円単位まで合わせる必要はありません。面倒になり途中で投げ出してしまっては意味がないため,何にいくら使ったのか傾向が分かる程度でかまいません。

 1カ月つけたならば月の収入と家計簿の支出を見比べてみてください。差があればそれが「使途不明金」です。それは何に使ったのでしょうか? まずはそこをなくすことを考えましょう。

 なおスマートフォンのアプリにはカメラ機能でレシートを読み込み,月の収支をグラフ化してくれるものがあります。いちいち計算機を用いる必要もなく手軽に家計簿がつけられますので試してみてはいかがでしょうか。

2:お金の使い方に優先順位をつける

 家計簿をつけてみたら,飲み会が多い,コンビニでの支出が多い,スマホ代が高いなど,いろいろなことが分かるかと思います。もちろんご自身にこだわりがある支出であればよいですが,そうでないものもあるはずですので,各項目に優先順位をつけましょう。

 「本当はそこまでお金をかける必要はないのに……」と思った項目は優先順位の低い項目です。その項目を減らす方法はないでしょうか?

3:固定費の削減方法を考える

 家計簿をつけてみると毎月決まって出ていくお金,いわゆる「固定費」も分かるはずです。こまめに電気を消す,水道を出しっぱなしにせず光熱費を少なくするなどは,現役時代に身につけておけば年金生活となった時にも役に立つでしょう。

 しかし,それ以上に効果的なものとして「保険料」「住居費」「車にかけるお金」などが見直しどころです。

 お子様が大きいのに多額の死亡保険に入っていないでしょうか? 賃貸にお住まいの方は年金生活になってもその額は支払い可能でしょうか? 持ち家の方でローンを組まれている方は年金生活後も無理のない額でしょうか? 現在住んでいる自宅の固定資産税は年金生活を考えると高くないでしょうか?

 また車は固定費の高い代表格です。こだわりがないのであれば最近はカーリースもかなり普及していますので,選択枝の一つに考えてもよいと思います。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。この先,公的年金は減らされることはあっても増えていくことはないでしょう。そのため年金をもらう年になって,現役時代と同じ感覚で生活すると家計が苦しくなるかと思います。

 その時になって家計の見直しをするのは非常にストレスかと思いますので,収入に余裕のある現役時代から家計改善に取り組んでいくことをお勧めいたします。

 

川手 康義(ファイナンシャルプランナー

CFP・1級FP技能士。製薬会社に勤務し,お金にも詳しいMR(医薬情報担当者)として活躍。日本FP協会に所属しており,協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営活動にもボランティアとしてかかわる。

≪年金減額や固定費については同感です。使途不明金は,間違い探しの感覚,遊び心でやってみましょう。そして,使途不明金がなくなった場合の達成感はまた格別かも≫

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意外と少ない?厚生年金を1人で「月15万円」もらえる人は全体の何%か?

 以下は,fuelle(フエル)提供記事(文・山村望愛)のほぼほぼコピペです。

 総務省が発表した2021年の家計調査によると,65歳以上の単身世帯の1ヵ月の平均支出額は13万7,210円でした。昨今の物価高などを考慮し,1ヵ月の平均支出額を年金でまかなおうとすると約15万円は必要でしょう。そこで今回は,厚生年金を一人で月15万円受け取れる人が全体の何%ほどいるのかを紹介します。

■日本の公的年金制度について

 まずは,基本的な日本の公的年金制度について見ていきましょう。日本の公的年金は2階建て構造になっており,1階部分が国民年金,2階部分に厚生年金があります。国民年金は日本に住む20歳から60歳までの人に加入義務があり,毎月保険料を支払わなければなりません。

 国民年金の保険料は全員一律で,基本的には受け取る際の年金額も同じです。ただし,加入月数によって受け取れる金額は異なるため注意しなければなりません。

 次に厚生年金は,会社員や公務員が加入するプラスαの年金です。毎月の保険料は年収によって異なり,支払った保険料に応じて将来受け取る厚生年金額も違います。

■厚生年金で15万円もらうには年収いくら必要?

 年金額を決めるのは,加入期間とその間の年収です。ここからは,65歳以降に厚生年金15万円を受け取るには,年収がいくら必要なのか見ていきましょう。厚生年金を受け取るということは,同時に国民年金も受け取るということなので,国民年金も含めた金額で紹介します。

 一般に公表されている簡易年金試算ツールを使って算出しました。あくまで参考値としてください。

◇厚生年金加入期間40年,その間の平均年収が460万円
 この場合,厚生年金101万円,老齢基礎年金80万円で,月額が約15万833円になります。

■加入期間が短い場合に必要な年収は?

 厚生年金の加入期間が40年という方もいれば,25年や15年といった方もいるでしょう。ここでは,加入期間が短い場合に,年金を毎月15万円受け取ろうとすると,どのくらいの年収が必要なのか紹介します。先ほどと同じ試算ツールを使いました。

◇厚生年金加入期間25年の場合
 毎月15万円の年金を受け取ろうとすると,950万円ほどの年収が必要です。

◇厚生年金加入期間15年の場合
 毎月15万円の年金を受け取ろうとすると,1,820万円ほどの年収が必要です。

厚生年金の加入期間が短ければ,多額の年収が必要になります。しかも加入期間中この年収である必要があるため,一般的にはなかなか難しいでしょう。

 年間の厚生年金を算出する際は,平均標準報酬額をもとに計算します。そして平均標準報酬額を導くためには,月収部分にあたる標準報酬月額とボーナスにあたる標準賞与額が必要です。ただし,標準報酬月額は上限が65万円,標準賞与額も上限150万円を3回まで,という決まりがあります。

 つまり,加入期間が短いと,どれだけ年収を得たとしてもこの上限に達することで,厚生年金額はそれ以上増えないというわけです。実質的には1,230万円が平均標準報酬額の上限で,あとは加入期間で厚生年金額が決まると言えるでしょう。

■厚生年金受給者の平均額は?

 実際の厚生年金受給者の平均額はいくらくらいなのでしょうか?厚生労働省が公表した「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認していきましょう。

 2020年度(令和2年度)の厚生年金保険受給者平均年金月額は,14万6,145円でした。この金額は,老齢基礎年金(国民年金)も含みます。2022年の老齢基礎年金が6万4,816円のため,厚生年金だけで考えると,約8万円です。

■厚生年金で月15万円もらえる人は全体の58.75%

 次に,「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を使って,厚生年金で月15万円受け取れる人は全体の何%いるのか考えていきましょう。公表されている厚生年金額には,国民年金が含まれています。

 調査における年金受給権者の総数は,1,610万133人。そのうち,年金月額15万円~16万円は,94万5,950人です。この結果,厚生年金で月15万円受け取れる人は全体の58.75%でした。

■月15万円の年金は平均的!ただし年金だけでは急な支出が心配

 厚生年金受給者の約6割の方が,年金を月15万円受け取ることができています。つまり,年金で月15万円というと,平均的な金額ということがわかったでしょう。ただし,あくまでもデータ上の平均額であり,個人差が大きいのも事実です。

 老後生活においては,冠婚葬祭や介護・入院などさまざまなことが起こり得ます。そういった支出にも備えておかなければなりません。

 厚生年金を増やすために加入期間や年収を増やすことも大切ですが,年収には上限もあるため,貯蓄や投資によって老後の資産を準備しておくと安心でしょう。

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10年もらえば「元が取れる」厚生年金,高齢者が加入しても損はしない?

 以下は,マネーポストWEB 提供記事(女性セブン2022年4月21日号)のほぼほぼコピペです。

 この4月の年金制度改正によって,受給開始時期を遅らせる「繰り下げ」の上限年齢は,70才から75才に延長された。年金の受給開始年齢は,原則65才。66才から1か月単位で遅らせることができ,遅く受け取るほど,年金額が増える仕組みになっている。

 もともと65才が受給開始年齢だったのが,今回の制度改正で10年も遅らせることができるようになった。それはつまり「あと10年は元気に働いてほしい」という国の意図も感じ取れる。

 受給開始年齢の上限が75才になったのに伴って,働く高齢者にとってはうれしい制度変更がある。働きながら受け取れる「在職老齢年金」の減額基準の引き上げだ。これまでは,60才から64才までは,働いて得る収入と年金収入の合計が月々28万円を超えると,年金が減額される仕組みだった。この上限が,月々47万円までに引き上げられたのだ。

 収入が増えても年金額が減りにくくなるので,収入の上限を気にせず,思いきり働けるようになった。65才以上なら,年金額をより増やしやすくなる。4月からの「在職定時改定」により,年金を受け取りながらでも,働いて厚生年金保険料を納めていればすぐに受給額に反映される。「年金博士」ことブレイン社会保険労務士法人の北村庄吾さんが説明する。

「65才以上でも,厚生年金の被保険者として働いていれば,毎年8月までの納付実績に応じて,10月に年金額が改定される仕組みになりました。65才以降で年収240万円の場合,受給額は年間約1万3000円ずつ増えることになります」

 これなら,バリバリ働いて収入も年金も増やすことができる。しかも,働いて年金額を増やすためには,正社員である必要はない。今年10月から「厚生年金の適用拡大」によって,パートやアルバイトでも,厚生年金に加入しやすくなるからだ。

「これまでは“従業員501人以上の企業”などの条件がありましたが,今年10月に“101人以上”,令和6年の10月からは“51人以上”と,段階的に基準が引き下げられます。小さな会社で“どうせ厚生年金に入れないから”などと,あえて勤務時間を短くしていた人も“週20時間以上勤務で月給8万8000円以上,2か月を超えて働く”という条件を満たせば,厚生年金に加入して受給額を増やすことができるようになります」(北村さん)

 厚生年金に加入するとなると,気になるのがその保険料。毎月納める額に見合った年金を受け取れるのか不安になるところだ。社会保険労務士の井戸美枝さんはこう話す。

「保険料と受給額を比較すると,年収にかかわらず,10年ほど年金を受け取れば,保険料の元は取れるようになっています。10年間受け取れば,あとはプラスになるだけなので,仮に65才から受給を開始すると,75才を過ぎれば得ということになります」

 データで見れば,女性は7割が90才まで生きるので,65才を過ぎてから厚生年金に加入したからといって,損することはほぼないはずだ。

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カードローンの「大きすぎる危険性」,気づけば多重債務を抱える!

 以下は,幻冬舎GOLD ONLINE提供記事のほぼほぼコピペです。

 申し込みや手続きが簡単なこともあって気軽に利用しやすいカードローンですが,使い勝手がいいからこその注意点があります。自分ではカードローンを賢く使っていたつもりが,気づけば危険性の高い使い方をしてしまっているかもしれません…。実際カードローンには,どのようなリスクがあるのでしょうか。本記事では,立山慶之司法書士が,カードローンを利用する前に知っておきたい危険性や利用時の注意点についてわかりやすく解説します。

借りる前に知らないとやばい? カードローンの危険性

 カードローンの利用には,どのような危険性が伴うのかについて解説します。カードローンを借りる前にあらかじめ危険性を知っておくことで,返済に振り回されるような使い方を避けることができるでしょう。

 現在すでにカードローンを利用している場合は,当てはまる部分がないかをチェックしてみてください。 借りやすいためつい借り過ぎてしまう カードローンは銀行や金融機関が提供しているローン商品に比べると審査の基準が厳しくない傾向にあり,申し込んでから利用できるまでにかかる期間も短いものが多いです。全国のコンビニATMと提携している業者もあり,いつでもどこでも,困ったときに利用できる点はカードローンのメリットとされています。

 しかし,このメリットが,そのままデメリットになってしまう場合もあるのです。手続きが簡単で借りやすいため,ちょっとお財布が寂しいときなどに気軽に借入れしてしまい,借金が膨らみやすくなってしまいます。 日割りで利息がつくため返済額が大きくなる 日割りで利息がつくことが多いのも,カードローンの特徴です。通常,利息は借金をした元金に利率をかけて計算されます。

 計算式は以下のとおりです。

「借入元金×借入利率×借入日数÷365日=支払い利息の金額」

 10万円を年利18.0%,1ヵ月(30日)後に返済する条件で借りた場合,

10万円×18.0%×30日÷365日=1,479円 が支払い利息です。利息に借入元金を足して,総額10万1,479円が返済金額になります。

 支払う利息は借入れ金額の大きさや実質年利,借りている期間によって異なります。

カードローンでは,月々の返済額を数千円など,少額に設定することも可能です。これもカードローンのメリットではありますが,逆にいえば,返済額を少なくすることで支払い期間が伸びてしまい,多くの利息がかかってしまうリスクも大きいといえるでしょう。

 他のローンよりも利息金額が高め カードローンは他のローンや融資プランなどと比べると全体的に金利が高く,支払い利息が多くなる傾向となっています。

 その理由としては,カードローンは審査が一般的なローンの審査よりも厳しくないことが挙げられます。 利用しやすいからといって利息の高いカードローンの借入れ金額が増えて,さらに返済期間が長くなっていくと,いつの間にか返済額が多額になっているかもしれません。

 毎月の返済額が少ないとなかなか返し終わらない カードローンでは,借入総額によっても異なりますが,月々の返済額を1,000~5,000円など,少額に設定することが可能です。毎月の返済額が少なければ,生活を圧迫しづらいメリットはあります。

 しかし,多額の借入れを行ったにもかかわらず,返済額を少なく抑えてしまうと,元本がなかなか減らず,延々と利息を払い続ける危険性が高まるのです。こうなると,いつまでたっても返済が終わらなくなってしまいます。

 たとえば,20万円の借入れをして毎月6,000円だけ返済する場合,完済するのに早くても4年近くはかかるでしょう。年利15.0~18.0%で借入れた場合,最終的に支払う総額は26万~28万円ほどとなり,利息の額も大きくなることがわかります。

 これが30万円,40万円と借入額が増えれば,それとともに利息もさらに高くなります。借り入れが30万円を超えたあたりから,月々の最低返済額は1万円以上となるケースが多いですが,30万円を借りて毎月1万円ずつ返済したとしても,完済するのに3年近くかかります。

 返済期間が長引くことによる精神的,経済的負担が大きくなってしまう点には,充分注意が必要です。

 気がつけば多重債務を抱える危険性も 長期間,高い利息での返済が続くと,急な出費があったときに収入から支払うことができず,またローンに手を出す,という悪循環ができてしまいます。気がつけば借入金額が上限枠に達してしまい,他のローンにも手を出してしまうケースもあるでしょう。

 借金を返すための借入れまで始めてしまうと多重債務となり,返済や利息の金額も何重にも膨れ上がります。文字どおり借金で首が回らなくなってしまいます。

 返済期日を迎えても,お金の工面ができずに延滞や滞納となれば,各業者から催促や督促の連絡を受けてしまい,追い詰められていくことになるでしょう。

 精神的な負担も大きくなりやすい 上記のような多重債務や滞納を起こしてしまった場合,経済的な負担はもちろん,精神的な負担も相当大きいものです。

 「職場にバレたらどうしよう」「実家に督促状が届いているかもしれない」「家族に迷惑をかけてしまうかもしれない」といった不安で,生活もままならない日々を過ごす可能性も高まります。

 恥ずかしさや不安,恐怖感などから誰にも相談できずに1人で悩みを抱えてしまうと落ち込んだり,よい解決策を思いつかないような精神状態になってしまったりするリスクもあります。「絶対に自分で解決しないといけない」とは思わないようにしましょう。

カードローンを利用する際の注意点

 上記のような危険性があることを踏まえたうえで,カードローンを利用する際には,以下の点に注意しましょう。 気軽に利用しない 簡単に借りられる気軽さが便利なカードローンですが,気が大きくなっての衝動買いや日々の無駄遣いの支払いにあてる目的での利用は避けましょう。

 借金が増えていくきっかけになるだけでなく,お金を使って一度上げた生活ランクを落とすのは大きな我慢や努力が必要となるからです。

 カードローンを利用する際は「本当に必要か」「返済可能か」「経済的に返済がきつくならないか」などを事前にチェックする必要があります。

 できるだけ早く返済する カードローンを利用した際は返済を長引かせず,できるだけ早く返済することも大切です。

 月々の返済額が少なければ毎月の負担は軽くなりますが,結果的に支払う利息は高額となり,家計を圧迫するようになってしまいます。多少苦しくても月の返済額を上げて,最短コースで返済できるように心がけましょう。

返済を延滞しない

 延滞にも注意が必要です。

 数ヵ月支払いを延滞すると,信用情報に事故情報として記録が残り,契約している業者はもちろん,他の金融機関でも事故情報が共有されてしまいます。事故情報が共有されている間は「お金を貸しても,うちも延滞されるのでは」と思われてしまうため,他のローンが組みにくくなるデメリットがあります。

複数のカードローンを利用しない

 もっとも危険性が高いのは,複数のカードローンを利用する多重債務に陥るケースです。 複数のカードローンを利用することで,毎月の返済額や支払う利息が大きくなり,生活を圧迫してしまいます。

 「どこでいくら借りていたか」「昨日が返済期日だったのに忘れてしまった」など,返済の管理をするのも複雑で難しくなり,延滞の危険性も高まります。複数のカードローン利用は,くれぐれも避けるようにしましょう。

カードローンで困ったときの対処法は?

 「カードローンの返済が苦しい」「このままでは返済できなくなりそう」などの悩みを抱えた際には,以下の対処法を早急に検討することをおすすめします。

 返済計画を見直してみる まずは「どこからいくら借り,毎月どの程度の返済があり,いつまでに完済するのか」についてリストアップしましょう。

 リストアップの例としては

・A社 〇年〇月 10万円借入れ 返済日毎月25日 3,000円 〇回払い5回目 (〇年〇月完済予定)

・B社 〇年〇月 20万円借入れ 返済日毎月27日 1万円 〇回払い7回目

などのように,項目ごとに箇条書きしていくとわかりやすいでしょう。リストアップすることで返済が管理しやすくなり,毎月の支払い状況や完済予定日なども把握できるようになります。

 できれば利率なども備考欄へ記載し,利率の高いものから優先して繰り上げ返済する,といった対処もできるようになるでしょう。

 返済リストをベースに家計簿をつけるのも,お金の管理に役立つのでおすすめです。 多重債務で苦しい場合は債務整理を検討する 複数ローンを抱え,月々の支払いが厳しい場合は1本化できる「おまとめローン」などを使う方法もあります。

 しかし,おまとめローンの返済計画によっては,かえって支払い総額を増やす結果となる危険性もあるため注意が必要です。

 「複数のローンを何とかしたい」「借金を減らして払えるものは支払い,人生をやり直したい」という意思がある場合は,債務整理という方法もあります。債務整理とは,借金や利息を減免する手続きです。債務整理にはいくつかの種類があり,それぞれ利用できる要件や手続き方法も異なります。

 自身にはどの方法が向いているのか,借金をどの程度減らすことができそうかの可能性も含めて,借金問題に詳しい専門家から一度アドバイスを受けてみるとよいでしょう。

 専門家へ相談してみる カードローンの返済が自力では難しいところまで来ている場合,できるだけ早い段階で専門家へ相談するようにしましょう。

 裁判所へ提出する書類を作る必要があるケースや,債権者である借入れ先へ直接連絡して減額交渉する,といった素人にはハードルの高い作業が求められるケースが多いものです。 認定司法書士や弁護士へ依頼することで,こうした手続きをスムーズに行えるだけでなく,専門家が代理で手続きをする間は督促や取り立て,返済が一時ストップとなるメリットもあります。債務整理を専門家へ依頼した人からは「こんなことならもっと早く相談すればよかった」という声が非常に多く聞かれます。

 追い詰められて1人で思い悩む前に,債務整理の取扱実績が豊富で誠実に対応してくれる専門家に早めに相談するようにしましょう。

記事監修:岡山県司法書士会 司法書士 立山慶之

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できれば避けたほうがいい「リバースモーゲージやリースバック」

 以下は,プレジデントオンライン提供記事のほぼほぼコピペです。

 リバースモーゲージやリースバックは,老後の住まいの問題を解決するための制度だ。リスクはないのか。マネーコンサルタントの頼藤太希さんは「積極的に使うべき制度ではないでしょう。私はデメリットのほうが大きい制度だと考えています」という――。※本稿は,頼藤太希『会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)の一部を加筆再編集したものです。

理想の老人ホームに確実に入るには,どの程度お金が必要なのか?

 高齢になると誰でも体が弱り,身の回りのことができなくなってくるものです。そんなときに利用を検討するのが,老人ホームです。

 老人ホームには,自治体などが運営する公的施設と企業などが運営する民間施設があります。また,公的施設・民間施設ともに,介護が必要な人向けの老人ホームと自立した生活が送れる人向けの老人ホームがあります。そして,どの老人ホームを利用するかによって,かかる費用も異なります。

施設もいろいろ,費用もいろいろ

 老人ホームの費用には,大きく「入居一時金」と「月額利用料」の2つがあります。

 入居一時金は,老人ホーム・介護施設に入居する際に施設に支払う費用です。入居一時金を支払うことで,その施設を終身利用する権利を得られます。入居一時金は想定される入居期間内で少しずつ償却されていきます。もし入居期間内で老人ホームを退去した場合,残った金額(未償却残高)は返金されます。

 対する月額利用料は,老人ホームに入居したあとに毎月かかる料金です。老人ホームの賃料,施設の維持管理費,毎日の食費,水道光熱費などの費用があげられます。なお,医療費や老人ホームとは別の外部の介護サービスを受けたときの費用,日用品の費用などは月額利用料には含まれず,自己負担となります。

 すでに持ち家があったとしても,老人ホームを利用することがあるでしょう。この場合,持ち家を売却するか,人に貸すかして資金を工面して,老人ホームに入ることになります。賃貸住まいの場合は,家賃の支払い先が老人ホームに変わるだけですので,さほど大きな問題はありません。

 入居一時金は,いわゆる高級老人ホームであれば数千万円単位でかかる場合もある一方で,0円の施設もあるなど,さまざまです。また,月額利用料の金額も,老人ホームによって大きく異なります。とはいえ,金額と環境はおおむね比例しています。高級な施設があったり,便利な立地だったりすると,費用も高くなる傾向が見られます。

最終的に自宅はどうする? 不動産の「出口戦略」

 総務省統計局の「住宅・土地統計調査」(平成30年)によると,65歳以上の高齢者のいる世帯の持ち家の比率は82.1%にのぼります。高齢者夫婦のみの世帯では87.4%,高齢単身世帯でも66.2%となっていて,老後も持ち家に住む人が多くいます。

 しかし多くの場合,すでに数十年住んできた自宅です。建物自体が老朽化したり,老後の生活に合わなくなったりしているケースもあるでしょう。

自宅の活用方法には,次のようなものがあります。

・リフォームして住み続ける

 水回りを直したり,間取りを変更したり,外壁を塗装したり,バリアフリー化したりと,自宅を部分的にリフォームすれば,老後も住み続けることができます。長年住んできた愛着のある建物を壊す必要もありませんし,仮住まいや引っ越しなども必要ないケースがほとんどです。ご近所付き合いも,変わりません。

 ただ,当然リフォームにはお金がかかります。ちょっとしたリフォームであれば数十万円程度で収まるかもしれませんが,構造を補強するフルリフォームの場合は,建て替えるよりも高額になることも。また,自宅の構造によっては,間取りの変更などが思うようにできない場合もあります。

・他の家に住み替える

 自宅を売却できれば,一度にまとまったお金が入る可能性があります。その場合は,自己資金を用意しなくても新しい家に住むことができます。金額次第ではありますが,マンションや建売住宅に住んだり,賃貸物件を借りたりと,選択肢はさまざま。

 とはいえ,これまで長年親しんできた家を手放すつらさはあるでしょう。引っ越しをすれば生活環境も変わりますし,ご近所付き合いも変わってしまいます。また,自宅を売っても,まとまった金額が得られるとは限りません。ローンの残債があれば,手元に残るお金がない場合もあります。

リバースモーゲージを利用する

 リバースモーゲージとは,自宅や土地などを担保に金融機関からお金を借りる制度です。今住んでいる家に引き続き住みながらお金を借りることができます。

 お金を借りると,通常は元本に利息を加えて毎月返済していくものですが,リバースモーゲージの場合は一般的に利息のみ返済を行います。ですから,普通にお金を借りるよりも毎月の返済額はずっと少なくて済みます。元本の返済は利用者が亡くなったあと,担保に入れた自宅や土地などを売却して返済します。

 収入の少ない高齢者にお金を貸してくれる金融機関は多くありません。しかしリバースモーゲージであれば,老後資金が足りない場合にもお金を借りられます。

 ただし,リバースモーゲージ金利が3~4%前後とかなり割高なのが欠点。仮に2500万円を年利3%で借りたとしても,毎年支払う利息は75万円,月6万2500円です。いっそのこと自宅を手放して賃貸に住み替えたほうがいいかもしれません。

 また金融機関は,担保に入れた不動産の評価額を定期的に見直します。見直しの結果,不動産の価格(主に土地)が下がった場合,借入残高よりも評価額が低くなる「担保割れ」が起き,自宅を売却しても借りたお金が返せなくなる恐れがあります。

・リースバックを利用する

 リースバックも家に住みながらお金を得られるしくみです。リースバックでは,自宅を専門の不動産会社に売却し,賃貸契約を結びます。そして毎月リース料(家賃)を支払いながら,自宅に住み続けます。

 自宅を売却した段階で,売却代金が一度に手に入ります。通常,売却する際には買い手を探す必要がありますが,リースバックでは専門の不動産会社が買ってくれるので,すぐに資金調達できるメリットがあります。

 リバースモーゲージは利用者が亡くなった後に自宅を売却して借りたお金を返済するのに対し,リースバックでは自宅とはいえ賃貸を借りているのと同じですから,家賃にあたるリース料を支払っていく点が異なります。また,将来的に自宅を買い戻すこともできます。

 しかし,リースバックは売却額が周辺地域の相場より安くなり,リース料が相場より高くなる場合が多くあります。どうしても引き続き自宅に住みたいというニーズは満たせますが,資金を確保する観点で考えれば,リバースモーゲージ同様より高く売ってより安いところに引っ越したほうが合理的です。

使う人を選ぶ制度 デメリットをよく考えて

 リバースモーゲージがおすすめの人は,自宅のリフォームや老後資金としてまとまったお金を用意したい人で,子どもなどに自宅を遺す予定がない人,といったところです。

 リースバックがおすすめの人は,ローンの返済に困った人や,老後資金などまとまった資金を用意したい人。どうしても自宅に住み続けたい,仕事や学校などの都合で引っ越したくないという場合は役立つかもしれません。

 しかし,積極的に使うべき制度ではないでしょう。筆者はデメリットのほうが大きい制度だと考えています。

「住宅補助費用」が出る自治体をチェックしてみよう

 賃貸住宅に住んでいる人や,住み替え先で賃貸住宅を検討している方もいるでしょう。賃貸住宅ならば,建物や設備が古くなってきても引っ越せば新しい部屋に住むことができます。広い部屋からぴったりの部屋にダウンサイジングするのも簡単です。

 しかし,持ち家と違って,賃貸の場合,家賃が生涯にわたってかかり続けます。家賃が高いと,その分生活費を圧迫してしまいます。ですから,なるべく減らすことを考えましょう。

 首都圏の家賃は高いですが,地方に移住すれば大幅にダウンできます。たとえ引っ越し代が20万円かかったとしても,地方で住宅を購入し,月々の住居費を12万円から5万円に圧縮できたとしたら,年間84万円の費用削減効果に。

 移住にかかる費用の一部を補助してくれる移住支援制度を用意している自治体もたくさんあります。たとえば,静岡県御前崎市の「定住促進住宅取得補助金」では,定住目的で市内に住宅(新築・建売・中古)を取得した場合に,最大100万円の補助金が給付されます。老後世帯でも,基本額の30万円と転入者加算の50万円は受け取れるでしょう。

 また長野県飯綱町の「飯綱町移住定住促進中古住宅等購入費補助金」では,飯綱町への移住・定住を目的に中古住宅を購入した方に最大で50万円が交付されます。自治体によって制度はさまざまですので,ぜひ検索してみてください。一般社団法人移住・交流推進機構の「自治体支援制度検索」では,移住者向け支援制度が検索できるので役立ちます。

 とはいえ,地方への移住はハードルが高いという方もいるかもしれません。その場合は,「三世代同居・近居支援事業」をチェックしてみましょう。

 三世代同居・近居支援事業とは,親世帯と子育て世帯(親・子・孫の三世代)が同居したり,近くに住んだりする際に補助が受けられるというもの。介護や子育てなどの負担を助け合って軽減することを後押ししてくれる制度です。

 住宅取得や増改築にかかる費用を補助したり,給付金を支給したりと,こちらも補助の内容がさまざまあるので,お住まいの地域にある制度を確認してみてください。ただし,年度ごとに予算があり,予算に達した時点でその年度の受付が終了する自治体もあります。

 

頼藤 太希(よりふじ・たいき) Money&You代表取締役 中央大学客員講師。 慶應義塾大学経済学部卒業後,外資系生保にて資産運用リスク管理業務に6年間従事。2015年に(株)Money&Youを創業し,現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や『Mocha(モカ)』を運営。資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修,書籍,講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。著書は『1日5分で,お金持ち』(クロスメディア・パブリッシング),『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。YouTubeチャンネル「Money&You TV」配信中。

 

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相続準備,遺言書づくりの注意点!

 以下は,マネーポスト WEB提供記事(女性セブン2022年8月18・25日号)のほぼほぼコピペです。最後に≪補足≫を付け加えました。

 お盆に帰省して,老親と将来のことについて話し合った人もいるかもしれない。そうした中で,将来的に避けて通れない話題が相続だ。話しにくい話題ではあろうが,スムーズな相続のためにはどんな事前準備が必要なのか。相続の事前準備の中でももっとも重要なのは,やはり「遺言書」の作成だ。ただ,実際に遺言書をつくっている人はまだまだ少ない。

 ベリーベスト法律事務所の弁護士・田渕朋子さんが説明する。

日本公証人連合会によると,公正証書遺言の作成件数は令和3年度で10万6028件。近年は8万~11万件で推移していて,単純比較はできませんが,年間死者数が140万人を超える現状では,少ない印象です」(以下同)

 遺言書には,すべて自分で手書きする「自筆証書遺言」と,公証役場で作成する「公正証書遺言」の2種類がある。

「自筆証書遺言は,手書きする分,記入漏れなどのリスクがあります。もし不備があれば,遺産分割協議をやらなければならない場合もあります。一方の公正証書遺言は公証人が作成するため,不備がある可能性は低い。その分,作成には,仮に1億円を1人に相続させるとすると,5万4000円の手数料のほか,枚数に応じた費用がかかります」

 もちろん,遺言書の内容に細かい希望がある場合などは,弁護士などの専門家に依頼することも可能。

 財産額によっては40万~50万円近くかかる場合もあるが,良心的な弁護士事務所なら,20万円以下で受任している場合もある。

 作成にかかる時間は,公正証書遺言であっても,だいたい1か月前後。預貯金の残高など,財産の内容がわかっていれば,時間も手間もさほどかからない。

「遺言書に必要な『財産目録』は,相続財産にどんなものが,どれくらいあるかを示すもの。これは,2019年に施行された改正相続法により,通帳のコピーなども有効になり,より手軽につくれるようになっています。例えば,不動産の財産目録なら,登記簿謄本のコピーが有効です」

家族への思いを「付言事項」に

 必要な形式さえ守っていれば,難しく考える必要はない。家族仲がとてもいい家庭などは,相続のためというより,卒業証書のような感覚で遺言書をつくる人もいるという。

 その際,家族への思いを「付言事項」として書き残す。公正証書遺言だと,付言事項が長くなればなるほど費用もかかるが,自筆証書遺言なら,費用を気にせず好きなだけ書くことができる。ただし,付言事項にも注意は必要だ。

「家族への感謝の気持ちなど,喜ばれるものならいいのですが,生前の恨みつらみなど,残された人がカチンとくるような内容はご法度です。付言事項に書くべきなのは,“介護をしてくれた長女に多く渡したい”など,遺言書本文に書いた遺産分割の『分割理由』です。合理的な判断のもとに残された遺言だとわかれば,紛争を防ぐことにつながります。

 また“生まれつき障害がある次男が生活に困らないようマンションを買ってやった”といった場合,相続時に『特別受益(相続財産の前渡し)』と見なされて持ち戻しの対象になり,後から相続税を課せられることがあります。これを防ぐためには,付言事項に持ち戻し免除の意思を明確に示しておくことです」

 遺言書に遺留分を無視した配分があると,いくら付言事項で“きょうだい仲よく”などと書いても,余計に揉めるだけ。付言事項はあくまでも「メッセージ」と考え,不備のない遺言書をつくることを優先すべきだ。

 そして,医師による「認知症ではない」という診断書があれば万全。だが,その証明は難しいため,自筆証書遺言は相続時に否認されることも少なくない。一方,公正証書遺言であれば,公証人による意思確認のもと作成されるため,その心配はない。

「遺言書の内容に不満を持つ相続人が“この遺言書は,認知症を発症してから書いたに違いない”と主張し,無効にするための裁判を起こすこともあります。中には“これは本人が書いたものではない”と言い出し,筆跡鑑定までしようとする人もいるほどです」(曽根さん)

遺言書は相続人全員にオープンに

 長い間,一緒に暮らしてきた家族あてとはいえ,誰が見ても納得がいくようにつくらなければ,思わぬ争いを招く。また,後から思いもよらない財産が出てくるケースも。

「財産目録に見落としがあることは少なくありません。あらかじめ遺言書に“その余の財産は○○に残す”などと書いておくと,手続きがよりスムーズに進むでしょう。ただし,仏壇やお墓などの祭祀財産は遺産分割の対象にはならず,相続財産とは別の理念で継承されるもの。“その余の財産”に含まれるとは限らないので,できれば,祭祀財産を承継する『祭祀主宰者』が誰かも記載してほしい」(田渕さん)

 そして,遺言書ができたら,なるべく相続人全員にオープンにしておくのが理想的だ。余計な相続税を払わないようにするのはもちろん,何より争いを避けるには,多少のお金がかかっても,やはり公正証書遺言の方が確実だ。

認知症を発症してからでも,判断能力が失われるほどでなければ,遺言書をつくったり,つくり直すことはできます。しかし“誰かが自分にとって有利な遺言書をつくらせた”などと疑われる可能性もゼロではありません。作成時にビデオ撮影をしておく手もありますが,それでも決定的な資料にはなりません。いちばん大切なのは,事前に親族で話し合って,誰もが納得することです」(的場さん)

 結局のところ,家族仲をよくしておくこと以上の相続対策はない。その上で,最愛の家族に何を残せるか,何を受け継ぎたいか考えれば,最善の方法はおのずとわかるはず。

≪遺言書があると,ない場合よりも相続手続きが簡便(必要書類が少なく)なるということもあります。なお,付言事項には遺言としての法的効力は基本的にありません≫

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加給年金の支給停止ルールの見直し,もらえなくなるのはどんな夫婦?

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:FINANCIAL FIELD編集部)のほぼほぼコピペです。

加給年金とは

 加給年金とは,厚生年金加入者に扶養する配偶者や子どもがいる場合に,支給される年金のことです。

 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が65歳になったときに,その方に生計を維持されている配偶者や子どもがいる場合は,加給年金が加算されます。給年金額は,配偶者や子どもなど対象者で異なります。

 ただし,加給年金を受け取るためには,受給者や配偶者,子どもが要件を満たしておかなければいけません。

加給年金の支給停止規定の見直しで変わったこと

 2022年4月から,年金制度の改正に伴い,加給年金の支給停止規定の見直しが行われました。

 改正前は,配偶者が老齢厚生年金(※1),退職共済年金(※2),障害年金を受け取る権利があり,一部でも支給されている場合では加給年金は支給停止となり,配偶者の年金が全額支給停止されている場合,加給年金は支給されていました。

 しかし,改正後は,配偶者の老齢厚生年金または退職共済年金が全額支給停止されていても,受け取る権利(在職で支給停止など)がある場合は,加給年金は支給停止となります。

障害年金については変更ありません。

配偶者の老齢厚生年金・退職共済年金が全額停止:加給年金支給

配偶者の老齢厚生年金・退職共済年金が一部でも支給:加給年金支給停止

配偶者の老齢厚生年金・退職共済年金が全額停止:加給年金支給停止

配偶者の老齢厚生年金・退職共済年金が一部でも支給:加給年金支給停止

 ただし,以下の要件をすべて満たす場合は,加給年金が継続となる経過措置が設けられています。

・2022年3月時点で本人の老齢厚生年金,もしくは障害厚生年金に加給年金が加算されている

・2022年3月時点で配偶者に厚生年金保険被保険者期間20年(240月以上)の老齢厚生年金を受け取る権利があり全額支給停止されている

※1:被保険者期間20年以上もしくは男性40歳・女性35歳以降15年以上の場合(共済組  合等の加入期間は除く)

※2:組合員期間20年以上

加給年金の受給条件

 加給年金額を受け取るには,次のような条件があります。

・65歳以上で厚生年金を受給している

・65歳未満で定額部分を受給している

・厚生年金の被保険者期間が20年以上ある

・厚生年金の被保険者期間が20年未満の場合は,男性は40歳,女性は35歳以降で被保険者期間が15~19年ある

・生計を維持している配偶者もしくは子どもがいる

 

また,配偶者や子どもには,次のような条件があります。

・配偶者は65歳未満である

・子どもは18歳到達年度の末日まで(1・2級の障害状態にある子どもは20歳未満)

・配偶者が被保険者期間20年以上の厚生年金を受け取る権利がない

・年収850万円未満(所得655万5000円未満)である

 このような条件を満たす場合に,年金に加給年金が加算されます。

加給年金額

 加給年金額は,図表の1(略)のように対象者で異なります。

 また,厚生年金受給者の生年月日に応じて,配偶者の加給年金に3万3100~16万5100円が特別加算されます。生年月日に応じた特別加算額と合計額は図表2(略)のとおりです。

配偶者が年金を受け取る権利がある場合は支給停止となる

 加給年金の支給停止規定が見直されたことで,加給年金の対象者である配偶者の老齢厚生年金または退職共済年金が全額支給停止されていても,受け取る権利(在職で支給停止など)がある場合は加給年金が支給停止となります。

 対象となる場合は,加給年金が支給停止となり,年金収入が減ることになるため注意が必要です。経過措置も設けられていますので,要件を満たすか確認してみてください。

出典

日本年金機構 加給年金額と振替加算

日本年金機構 生計維持

日本年金機構 令和4年4月から年金制度が改正されました

日本年金機構 令和4年4月から加給年金の支給停止の規定が見直されました

 

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オール電化で節約? ガスを廃止して電化住宅!光熱費が「安く」なる?

 以下は,ファイナンシャルフィールド提供記事(執筆者:FINANCIAL FIELD編集部,2023/6/17現在)のほぼほぼコピペです。最後に≪補足≫を付け加えました。

 新築で戸建てを購入する際に,オール電化(電化住宅)にするかを,悩む方もいらっしゃるでしょう。光熱費を電気代にまとめられて,節約につながると考える人もいるかもしれません。 しかし,マイボイスコム株式会社のアンケート調査によると,2021年に電化住宅(オール電化住宅)にしている家庭の割合は14.3%であり,まだまだ普及率は低いという印象です。

 そこで今回は,電化住宅でかかる電気代や,節約のポイントについてまとめました。電気の使い方次第で,光熱費を節約できるかもしれません。オール電化を検討中の人は,参考にしてください。

電化住宅とは?

 電化住宅とは,調理・給湯・冷暖房など,生活する上で必要となるエネルギーを,すべて電気でまかなう(オール電化)住宅のことです。ガスを使用しないため,光熱費にガス代は一切かかりません。 ガスを使用したエネルギー供給に比べて,ガス漏れや火事などのリスクが減り,安全性の高いことが特長です。

電化住宅での1ヶ月の電気代は約1万5000円

 関西電力によると,電化住宅(オール電化住宅)の場合,1ヶ月あたりにかかる電気代の目安は,2人家族で1万4303円とされています。総務省統計局の家計調査報告によると,2人以上の世帯における,2022年の平均光熱費は,以下の通りです。

・電気代:1万2678円

・ガス代:5232円

 上記の二つを合計すると1万7910円となり,オール電化よりも,ガス+電気のほうが,光熱費の高いことが分かります。使用する電気機器や,使用頻度によっても異なりますが,使い方次第では,電化住宅のほうが,光熱費を安く抑えられるかもしれません。

電化住宅での電気代節約術3選

 電化住宅にすると,電気代が心配な方もいらっしゃるでしょう。そこで,ここでは,なるべく電気代を抑える節約術を三つご紹介します。

◆夜間に電化製品を使用する

 電気は,昼間に使用するよりも,夜間のほうが安くなる傾向にあります。例えば,東京電力エナジーパートナーの「夜トク12」プランでは,電気料金に図表1のような違いがあります。

 夜に,洗濯機を回したり食洗器を使ったりと,電気を使用する時間帯を意識するだけで,効果的に電気代を節約できるでしょう。

エコキュートを省エネモードで使用する

 電化住宅では,給湯器としてエコキュートを使用しますが,それぞれ,省エネモードが搭載されています。

 ただし,エコキュートの提供元によって,省エネモードでの使い方が異なりますので,詳細は自身で確認してください。また,風呂の「追い炊き」機能は,電気代が高くなる傾向にあります。

 そのため,毎日新しくお湯を張ったり,足し湯機能を使ったりするほうが,電気代を安く抑えられるとされています。状況に応じて,うまく使い分けましょう。

◆省エネ機能を搭載している電化製品を使用する

 最近では,省エネ機能を搭載した電化製品も,数多く販売されています。わざわざ買い替える必要はありませんが,次の買い替え時には,省エネ効果が期待できる製品を選びましょう。

電気を賢く使って光熱費を安くしよう

 電化住宅(オール電化)は,ガスと電気を併用した場合と比較して,光熱費が安くなる傾向にあります。しかし,電気代高騰の影響で,光熱費を心配する方もいらっしゃるでしょう。 その場合は,電気の使い方を工夫すれば,さらに電気代を安く抑えられます。洗濯機や食洗器のタイマー機能を使って,夜間に使用するなど,これを機に,家事の仕方を変えてみましょう。

 

出典

マイボイスコム株式会社 MyVoice Enquete Library(MyEL) 「オール電化住宅に関するアンケート調査(第6回)」

関西電力株式会社「オール電化の電気代平均額と節約方法」

総務省統計局 家計調査報告 ―月・四半期・年― 家計調査 2022年(令和4年) 平均 「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」

東京電力エナジーパートナー株式会社「夜トクプラン」

≪東北地方のあるマンションにお住いの方は,暖房(全室)を電気から「灯油」(暖房器具代を除く,一部の部屋のみ)に替えたら,月1万円安くなったそうです。

 余談ですが,そこの電力会社の過去最高の黒字決算のようです。値上げは,様々な要因を理由に行われましたが,結局,消費者から小銭?を大量に巻き上げて,株主に配当するためだったと思わざるを得ません≫

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ここがヘンだよマイナンバーカード(現役自治体職員より)

 以下は,文春オンライン提供記事(葉上 太郎 氏による)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 様々な問題が噴出しているマイナンバーカード。目下のトラブルは公金受取口座の紐づけやマイナポイントの付与,マイナ保険証など,後から加わった機能やサービスが多い。このため,政府が無理をしてカードの交付率を上げようとしたせいだという批判が強い。だが,カード自体の使い勝手や利便性はどうなのか。普及率が悪かったのは,それなりの理由があるからではないか。日常的にマイナンバーカードに触れる仕事をしている市区町村の窓口職員に聞いて回ると,多くの課題があることが分かった。

 「マイナンバーカードを使ってオンラインで引っ越しの申請をすれば,もうそれだけで全ての手続きが終わってしまうようなイメージがありませんか。大間違いです。むしろマイナンバーカードがあることで,面倒になっている面もあるのです」。ある市の職員がため息混じりに言う。  

 マイナンバーカードには,顔写真や「基本4情報」(住民票に登録された氏名・住所・生年月日・性別)が印刷されているほか,カードに埋め込まれたICチップにも記録されている。  

 引っ越しや結婚をした時には,市区町村の窓口で手続きをしなければならない。  

 職員が住民基本台帳の内容を変更したあと,マイナンバーカードのICチップに記録された情報を更新し,カード表面の追記欄にも変更事項と日付を印字して公印を押す。ところが,この追記欄がかなり小さい。

運転免許証の追記欄は裏にあり,比較的広く場所が取られています。しかし,マイナンバーカードは表にあります。顔写真や『基本4情報』などが印刷されているので,わずかなスペースしかありません」と,前出の市職員が話す。  

どれだけ小さいのか。計測してみると,縦が1.6cm,横が5cm強だった。

「小さすぎるスペース」がもたらす“皮肉”

 縦1.6cmの間には4mm間隔で罫線が引かれていて,4行分の変更事項が追記できるようになっている。

「ここに新しい住所や,結婚後の氏名を記載します。私が勤務している市役所では専用のプリンターを購入しています。自治体によっては手書きのところもあり,あの小さい欄に書くだけでも大変なのに,もし間違えたらどうするのだろうと,よそのことながら心配になります。その点,プリンターは便利ですが,普通の印刷に使えるわけではありません」(同前)    

マンション名などが入った住居表示だと,追記欄に書き込む文字数がかなり多くなる。 「なるべく1行に収めるようにしているのですけれど,難しいこともあります。結婚で姓が変わった場合も,それだけで1行分を使わざるを得ません」(同前)  

 4mmの間に2行印字できるプリンターも売り出されているが,かなり文字が小さい。  こうして職員が「小さく追記」するには理由がある。

「追記欄の4行分が満載になったら,マイナンバーカードを再交付しなければならないのです。運転免許証のように追記欄にシールを張って上書きするようにはなっていません。再交付は無料ではあるのですが,顔写真を改めて撮影するなどの手間がかかります。交付までの日数もかかる。運転免許センターで即日交付される運転免許証とはかなり違います」(同前)   

 そうなるのを避けようとしているのに,「がっかりすることもある」という。

「追記した事項ごとに公印を押しています。小さい公印がないのか,2行にわたって押している自治体もあり,あ~あ判子だけで2行も取っちゃってと思います」(同前)  

 河野太郎・デジタル改革担当大臣は「判子廃止」を訴えたこともあるのに皮肉なことである。

手続きをさらに煩雑にさせるパスワードの存在

 転勤族はマイナンバーカードの有効期限の10年の間に必ず再交付が発生してしまいそうだ。話を聞いた職員の中にも「私が結婚して住所や姓が変わった時には,追記の記載が4行に収まらず,カードが再交付になってしまいました」と話す人がいた。  

 追記欄の問題はこれだけにとどまらない。結婚だけでなく,離婚で姓が変わった場合にも記載され,見られたら相手に分かってしまう。運転免許証も同じように記載されるが,こちらは追記欄が裏にある。

「離婚歴を知られたくないし,旧姓を見るのも嫌なので,マイナンバーカードを作り直したい」という人もいるようだ。自己都合の再交付には手数料が発生し,カードの再交付が800円。電子証明書の発行手数料が200円加わるので,合計1000円もかかる。  

 引っ越しの手続きで多いのは,マイナンバーカードがどこにあるか分からなくなってしまった人だ。

「運転免許証と違って携帯せずにしまい込む人が多いし,それだけ日常的に使われていない証拠でしょう」と,ある自治体職員が分析する。「希望者には再交付しますが,手数料がかかるので『もういいや』と言う人もいます」。  

 パスワードの存在も手続きを煩雑にしている。  

 マイナンバーカードには通常,2種類のパスワードを設定しなければならない。カードのICチップに“格納”した2種類の電子証明書などに必要なのだ。  

 そのうちの一つ,「利用者証明用」の電子証明書は,政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」にログインする時などに使う。ログインした「マイナポータル」でオンライン申請する場合は,もう一つの「署名用」の電子証明書を使用する。  

 これら電子証明書を使う際には,それぞれ異なったパスワードを入力しなければならない。「利用者証明用」は4桁の数字で,連続3回間違えるとロックされる。「署名用」は英字と数字を組み合わせた6~16文字 で,連続5回間違えるとロックされる。

 電子証明書は一度“格納”するとずっと使えるというわけではない。

「だいたい2~3割の人が忘れています」

 引っ越しや結婚で住民登録が変わると,2種類のうち「署名用」の6~16文字は使えなくなる。証明書に基本4情報が含まれる形になっており,氏名や住所が一つでも変われば,自動的に失効してしまう。  

 このため,転居(転入)届や婚姻届を出した市区町村の窓口で,新しい「署名用」の電子証明書を“格納”し直さなければならない。「なんで住所を移すたびに,電子証明書が切れてしまうのか。わざわざ付け直しの作業が必要になって,窓口の手続き時間が長くなり,住民を待たせてしまう」と話す職員もいる。  

 この「付け直し」には「署名用」の6~16文字のパスワード入力が必要になる。なのに「だいたい2~3割の人が忘れています」と,ある市の職員は嘆く。「最初の設定時に誕生日はダメ,他の人が分かりそうな番号も避けてほしいと言われ,真面目な人は少しでも分かりにくくしようと16文字いっぱいに設定してしまいます。覚えておけと言われても無理です」。  パスワードが分からないと,再設定が必要になり,わざわざ申請書に書いてもらうところから始めなければならない。  

 こうして作業が積み重なっていく。「手続きを簡略化するためのカードでもあるのに,本末転倒です」と話す職員もいた。  

 そもそもマイナンバーカードを使ったからといって,手書きの申請書がなくなるわけではない。

「窓口で書いてもらう事項は結構あります。例えば,児童手当の申請書類はA4の用紙にびっしり情報を書いていただきます。印鑑登録の申請なども加わります。『マイナンバーカードを使ったのに,なぜこんなに時間がかかるのか』と怒り出す人もいます」と,職員の一人は言う。  

 結局,これらもろもろの作業を総合すると,マイナンバーカードの導入で手続きにかかる時間は短縮できるようになったのか。

「むしろ時間がかかるようになりました」

「マイナポータルを使って申し込めば,窓口に来庁する日にちを予約でき,私達も事前に書類を準備して,氏名や住所を入力しておくので,住民の皆さんの省力化に結びついている面はあります。しかし,実際には申請書に書いてもらう時間や,カードの内容更新も含めると微妙ですね。以前とそれほど変わらないような気もします。ただ,窓口で受け付けるまでの時間は早くなったので,混雑は緩和されたように感じます」と,住民課の職員が話していた。  

 出先の支所では少し事情が違うようだ。「むしろ時間がかるようになりました」と話す職員もいた。どういうことなのか。

「支所の窓口では,まずマイナンバーカードを預かって,転出に関する情報を出力して印刷します。これを確認審査して,本庁の住民課にデータをファックスします。住民基本台帳に登録された内容の変更は本庁でしかできないのです。この作業が終わると,今度は支所の窓口でマイナンバーカードの中身の更新や追記欄の印字を始めます。そんなことは住民課で住民登録を変更している間にできるじゃないかと思われるかもしれませんが,登録作業が終わってからでないと,マイナンバーカード関連の変更はできないのです。カードの更新作業はスムーズにいけば15~20分で済みますが,手続きに来た人がパスワードを忘れていたら,初期化から始めるので一定の時間がプラスになります」  

 これは通常時期の話だ。春の異動時期にはさらに時間がかかる。

「本庁の住民課が混雑していて,住民基本台帳の変更作業が1時間待ちとかになってしまう場合もあります。そんなに長い時間,支所で待っていただくわけにはいきません。マイナンバーカードの中身の変更や追記欄の記載は『また,後日にしましょう』ということになります。『えーっ,また来るの』と言われることもありますが,どうにもなりません。マイナンバーカードは支所で預かれないので,お返しします。こういった時,転入(転居)届を出してから90日以内にマイナンバーカードの変更手続きをしないと,カードが失効してしまいます。そうした人が実際に手続きに来たかどうかは確認していないので,もしかすると住民基本台帳の住所とマイナンバーカードの住所が異なる人がいるかもしれません。もちろんその場合,カードを使った申請などはできませんが」(同前) 「転勤が多く,マイナンバーカードの更新に時間がかかるのを知っている公務員の中には,『紙で転入届を出す』と用紙を求める人もいます」と話す職員もいた。  

 一方,マイナンバーカードの導入で便利になった部分もある。

 引っ越しの場合,マイナポータルで手続きをすれば,住んでいた市区町村の窓口に転出届を出さずに済む。以前は紙で転出届を出し,転出証明をもらって,新しく住む自治体の窓口に提出しなければならなかったが,転入先だけの手続きでよくなった。

「これまでは,転入の手続きをしようとして『転出届を出すのを忘れていた』と青ざめる人もいました。住んでいた市区町村に帰って転出届を出すか,郵送で転出届を出すかしたうえで,転出証明を持ってきてもらわなければなりません。遠方だと大変です。これが必要なくなったのは大きいでしょうね」と,窓口担当の職員は話す。

「税の電子申告では,ものすごく手続きが楽になりました。また,勤務先が自宅と違う自治体なので,マイナンバーカードを使うと職場の近くのコンビニエンスストア住民票の写しが取れるようになりました。開庁時間に関係なく交付されるので助かっています。使いこなせば便利」と話す元市職員もいた。  

 コンビニで住民票の写しなどの交付を受ける場合,市区町村の窓口より手数料が安い場合がある。マイナンバーカードの普及促進策で,政府が補助金を出しているのだ。

「手数料が10円という自治体もあります。無料にできないのは,コンビニに設置されている複合機はお金を入れないと発行できないからです。しかし,いつまで続けられるでしょうか。政府はこれからもずっと補助し続けるとは思えません」と,ある市の職員が指摘する。  期限を定めて「交付手数料割引キャンペーン」「窓口より○円お得」などと宣伝している市もある。  

 課題がなくはない。「高齢者がコンビニで交付申請できるでしょうか。複合機の操作は店員に教えてもらいながらになると思いますが,忙しくしている店では気が引けるし,100円ぐらい安いだけなら市役所や支所の窓口で申請するのではないでしょうか」と,職員の一人は話していた。  

 こうして窓口に行かずに申請や交付が可能になったものの,職員の間では「実際には来庁を促す仕組みばかり導入されている」という声が根強い。

忘れられているのはマイナンバーカードには有効期限があること

 オンライン申請と言いつつ,必ず窓口で手続きが求められる転入(転居)届はそのうちの一つだろう。政府は住民基本台帳の記載が各種行政事務の基礎になっていることから,「転入届出者の実在性・本人性を厳格に確認することが不可欠であり,対面で手続を行う必要がある」と説明している。  

 意外と知られていないというか,忘れられているのは,マイナンバーカードには有効期限があることだ。カードそのものは発行日から10回目の誕生日まで(発行時に未成年だった人は5回目),ICチップに“格納”されている電子証明書は5回目の誕生日まで。そのたびに窓口で手続きが必要になる。  

 この時にパスワードを忘れていたら,再設定しなければならず,カードがどこにあるか分からなくなったという場合は,前出のように1000円の手数料が要る。無料での再交付は「返納」が条件だ。

「一般の住民が市役所を訪れる機会はどれくらいあるでしょう。何年も行っていないという人が多いのではないでしょうか。にもかかわらず,マイナンバーカードの所持者は全員が5年ごとに窓口で手続きをしなければなりません。運転免許証保有者数より多いのに,これほどの来庁を求める事業は前代未聞です」と,大きな市の職員が言う職員が言う。  

 ただ,「今回はマイナポイントをもらうために申請したけど,もうもらえないなら更新しない」と話す人もいるようだ。  

 こうした人がいる現実に,ある市の職員が疑問を呈する。

 全ての問題点は「必然性がないままカードを作ってしまったこと」

「政府は健康保険証を廃止して,マイナンバーカードの取得を実質的に強制しようとしていますが,ならばマイナ保険証以外のカードの使い道といったら,どんなものがあるでしょう」  

 窓口では「このカードは何に使うのか」と尋ねる住民もいるが,「答えに困ることもある」と本音を漏らす職員もいる。  

 デジタル政策に詳しい職員の一人は,「政府は本来の目的を見失っている」と,鋭く批判する。 「国民1人1人に付与された12桁の個人番号(マイナンバー)で何ができるか。これが政策の主目的だったはずです。まずやるべきことは,12桁のマインナンバーを様々な制度に紐づけて,社会を便利にしていくことでした。  

 ところが,政府は12桁のマイナンバーを活用する制度設計をしっかりとしないまま,カードを導入してしまいました。必然性がないままカードを作ったのです。カードの交付率を上げようとして2万円のマイナポイントまで付与しました。カードを作ったら何が得なのか。現状としては生活が便利になり楽になるとは認識されておらず,ポイントをもらえるという程度になっています。カードを日々使っていく場面がないのに,パスワードなんて覚えていられるはずがありません。  

 カードを作らせるよりも,12桁のマイナンバーで何をするかが先。逆転しています。マイナンバーで便利になったから,カードも作ろうと思われるようにしなければならなかったのに……。これがパスワードが忘れられる理由です。今のままならいつまで経っても忘れられるでしょう」

「政府が人々の考えや意識,市区町村の現場の声を把握しようとせず,自分達が思ったままやろうとするから,人々の暮らしに寄り添った制度にならないのです」と力を込める職員もいた。

≪文中にもあるとおりカードを作ったからと言って「申請を簡略化」できるわけではなく,これまでどおり申請は必要なのです。例えば,人が亡くなった場合の手続き(細かいものまで含めると数十件の申請数)を,これまでどおり配偶者はしなければなりません。私の知る限り,そのうちマイナンバーを記載するのは「年金」関連の申請のみ。これが「日本国のデジタル化」の代表格「マイナンバーカード」の実情です。さらに,有効期限10年,5年ごとの書換えに至っては……。国民はもとより自治体(具体的手続きの引き受け手)にとってその労力たるや想像を絶します。カード発行とICチップ読み関連を担う会社だけが税金によって賄われる代金を奪っていってしまう構図。何とかなりませんかねぇ≫

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社会保険料が増えると9月に手取りが減る?

 以下は,dメニューマネー提供記事(文・大垣秀介(マネーライター),編集・dメニューマネー編集部)のほぼほぼコピペです。

 引っ越して通勤手当が増えた人や,家族が増えて家族手当が増えた人は,給料から差し引かれる社会保険料が増えて,手取りが減ることがあります。もらえる手当が多くなれば生活が楽になりそうですが,逆に手取りが減って生活が苦しくなるかもしれません。

通勤手当や家族手当も社会保険料の計算に含まれる

 実費で通勤手当が出る会社なら,引っ越して定期券代が変わっても会社が全額負担してくれるので,通勤手当を除いた手取りは変わらないと思いがちです。

 しかし,社会保険料が上がって手取りが減ることがあります。給与から天引きされる社会保険料は月給をもとに計算しますが,基本給だけでなく各種手当も含む額で計算するからです。

 例えば,協会けんぽ加入者で東京勤務・30代の人なら,通勤定期券代が変わって通勤手当込みの月給が22.5万円から23万円に上がると,社会保険料が3,000円ほど高くなります。つまり,この分だけ手取りが減ってしまうのです。

 また,子どもが生まれて家族手当3,000円が出て,月給が22.7万円から23万円に増えるケースなら,保険料が3,000円上がって手当の増額分と相殺されるので,手取りは増えません。

■9月に社会保険料が上がって手取りが減ることがある

 手当が増えた人でも,すぐに社会保険料が上がって手取りが減るわけではありません。保険料が上がる場合でも,通常は9月からです。

 社会保険料は,4月から6月の給料をもとに計算した額を9月から差し引く仕組みになっています。昨年7月以降に手当が増えた人は,今年4月から6月までの給与の計算で反映され,9月から保険料が上がり,手取りが減るかもしれません。

 社会保険料が9月分から上がる場合,その月の保険料を当月に差し引く会社なら9月から,翌月に差し引く会社なら10月から手取りが減ります。

 かなり前の手当アップが原因で手取りが減る場合があるので,手取り額を勘違いして生活に困らないように,給与明細を受け取ったらすぐに確認しましょう。

 

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資産運用を始める前に知っておきたい5つの心得

 以下は,All About提供記事(文:二宮 清子)のほぼほぼコピペです。最後に≪私感≫を付け加えました。

 貯まったお金を少しでも増やしたいと思った時,資産運用を始める前に知っておきたいポイントをお伝えします。

投資について学び,少額から慣れていくのが賢明

 普通の サラリーマンがお金を貯める方法といえば,銀行や郵便局での預貯金以外では「貯蓄型保険」が一般的でした。

 しかし,マイナス金利の影響で貯蓄型保険商品が続々と販売休止になりました。保険でお金を貯めることができないとなると,金融商品を検討するご家庭が増えてもおかしくありません。

 銀行や郵便局から,「貯まっているお金を運用しませんか?」と外貨建ての保険商品や,投資信託といった金融商品の営業を掛けられることも少なくありません。

 しかし,金融商品は元本保証ということはなく,リスクがあって当然の世界です。投資について学び,少しずつ慣れていくのが賢明です。

失敗例:多くの投資による損失を出した団塊世代

 団塊の世代の多くが退職を迎え始めた2005年~2007年頃,日経平均株価は1万2000円から1万8000円と上昇し,株式市場は賑わい,貯蓄から投資へと大きく個人投資家が増加した時期でもあります。

 従って多くの団塊世代の人たちが定年を迎え,退職金が振り込まれた銀行から投資信託を購入していきました。

 しかし,2007年のサブプライムショック,2008年のリーマンショックの影響を受け,保有している投資信託が購入時の半分以下に目減りし,投資したお金の出所も退職金なので投資金額も大きく,苦々しい思いをした人は多くいらっしゃいました。

▼失敗の理由は?

 失敗の理由は一言に「勉強不足」です。投資に対する知識やリスクコントロールする術を学ばず,ただ「儲かりそう」という理由で投資していったことに挙げられます。

 団塊世代の多くが銀行で投資信託を購入したことで,銀行へのクレームも多かったようですが,投資の世界はあくまでも自己責任です。

 マイナス金利の影響で貯蓄型保険商品が販売休止にはなれば,当然「投資」を家計に入れていくご家庭も増えていくでしょう。家計のお金を投資に回していくことは,NISAの導入といったように国自体も推奨しています。しかし,そのためには学ばなければいけないこともあります。

心得1:失っても困らないお金で始める

 資産形成の基本は,仕事と貯蓄です。仕事でお金を稼ぎ,貯蓄をして初めて投資の種銭を持つことができます。種銭がある程度貯まったら,どれくらいのお金を運用に回せるかをしっかり考えましょう。

  • 半年分の生活費には手をつけない

  • 1~2年以内に使うことが決まっているお金は使わない

  • 失っても困らないお金で少しずつ始める

 また,資産形成のための投資では,毎月コツコツと積立投資をすることが基本スタイルです。従って,「毎月の貯蓄からいくらのお金を投資にまわせるか?」もとても大切な視点です。

心得2:投資を学ぶ

 「投資はリスクではない。投資を学ばないことがリスクだ」という「金持ち父さん貧乏父さん」の著者,ロバート・キヨサキ氏の名言通り,投資を学ぶことで初めてリスクコントロールをすることができます。

 投資信託を利用しての資産形成は良いことですが,投資信託は「株・債券・不動産」といった金融商品の組み合わせであり,かつ多くの海外資産も組み込まれます。

 従って,ドルやユーロといった投資信託に組み込まれている国の為替の影響も受けるため,「株・債券・不動産・為替」について学ぶことがとても大切です。

▼恐怖心と常識を持つ

 「投資は怖い」。この恐怖心はとても大切です。大切なお金を失うかもしれない,という恐怖心があるからこそ,人はどうリスクコントロールしようかと学び続けることができるともいえます。

▼経験を積んで客観的に物事を捉えるメンタルの強さを持つ

 経験が浅いうちは,「お金」がからむと目先の損得に惑わされ,客観的に物事を捉えることができなくなるのも,投資の世界の怖い部分です。

 お尻に火がついた状態では,火傷するまで気付かないのか「人」というものです。ヤカンのように頭に血が昇り,適正な判断ができず,更に資金投入し損失が膨らんだり,塩漬けにして「見なかったことにする」という状態になったりすることが無いように,常識を持ち,客観的に物事を判断できるようになるには,実は「経験を積む」ことでしか養われません。

 小さな失敗と成功を繰り返すことで,少しずつメンタルが強くなり,客観的な視点で物事を判断できるようになるものです。

心得3:分散を心掛ける

 まずは預貯金,保険,不動産(マイホーム),金融商品というように今ある資産を分けてみましょう。

 次に,金融商品の部分を分散していきます。資金を1つの銘柄に集中させない。「卵を1つのかごに盛るな」というように,お金を1つの銘柄に集中させずに,投資対象の国や商品,銘柄を分散していきます。

▼時間を分散させる~ドルコスト平均法の活用~

 資産形成の基本は「積立投資」です。積立投資の良い面は「時間を分散」することができる点です。金融商品の値段を絶えず変化しますので,タイミングを見て安くなったら買おう,高くなったら売ろうと思っても,実際にはなかなかできないものです。

 毎月1万円というように,一定額をコツコツと積み立てるように買っていくことが一番良い資産形成の方法です。

心得4:価値観に合った投資先を選ぶ

 東日本大震災が起きた時,原発関連銘柄は大きく値下がりし,買いのチャンスとなりました。

 しかし,原発関連の企業の株を買い投資をするということは,原発を推進し応援することに繋がります。どんなに安くても当時の私の心は,原発銘柄に投資することに納得できませんでした。

 私は投資をすることで経済的にも精神的にも豊かになりたいと思います。だからこそ,自分の価値観に合った投資先を選ぶことは,投資を長続きさせる大切なポイントでもあります。

 欲望や目先の損得だけには捉われない自分・企業・世の中の三方よしの精神で投資をすることも大切ではないでしょうか。

心得5:わからないものには手を出さない

 投資の世界には残念ながら少なからず「詐欺」と言われるような商品も存在します。これらの詐欺商品の特徴は「儲かりそうで仕組みがわかりにくい」ことです。

 また,違法でなくてもハイリスクハイリターンな商品には「儲かりそうで仕組みがわかりにくい」ものが多くなります。

 「何にお金を使っているのかよくわからない」というのはお金の使い方で一番やってはいけないことですね。自分が理解できて納得できるものを選択していくことが大切になります。

 以上のことに注意しながら,投資と前向きに付き合うことができれば,地に足がついた資産形成をすることができ,より多くの豊かさと幸せを引き寄せることができるようになるでしょう。

二宮 清子(ファイナンシャルプランナー

 家計管理や節約を軸に,生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり,赤字家計を脱出した自分の体験から,ユーザー目線でのアイデアを発信している。

≪投資は「自己責任」ということを再確認しましょう。もし政府の言う投資が「失っても困らないお金」を投資にというのなら,わかりますが……。そのようなお金をお持ちの方は,すでに投資に回していらっしゃることでしょう。また,そうでない方は,経済の循環には加われないのです。したがって,景気浮揚策としては限定的なものにならざるを得ません。それよりは老後の心配をなくしてあげることが,景気浮揚策として有効なことは誰の目にも明らかです≫

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>