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読むと得も損もあり!

給与明細の確認は最低年4回!

 以下は,CHANTO web提供記事(取材・文/酒井明子)のほぼほぼコピペです。

 給与明細には知っておくと役に立つ,見ておいたほうがいいタイミングや,差し引かれた理由があります。給与明細の正しい見方を,ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが教えてくれました。

給与明細をきちんと確認したいのは年4回

 毎月会社から振り込まれる給与は,「手取り」と呼ばれるお金です。基本給や残業代などを足した合計金額,いわゆる「額面」から,社会保険料や税金などが差し引かれています。

 振り込まれる金額,差し引かれる金額に変化がある以下のタイミングは特に,給与明細をしっかり確認したほうがいいでしょう。

1.給与が変わることのある年度の切り替えの4月

2.1年間の住民税の支払い金額が変わる6月

3.1年間の社会保険料の支払い金額が変わる9月

4.年末調整の12月

 特にふるさと納税をした場合,翌年の住民税が控除されるため,きちんと反映されているか,6月の明細で確認したほうが良いでしょう。

「給与明細の確認は最低年4回」とお金のプロが語る訳

 また,年末調整ではお金が戻ってくる場合があります。戻ってくるお金のひとつが,給与から毎月差し引かれている「所得税」です。

 所得税は1年間の所得の合計額によって決まりますが,1〜11月の間は正確な合計額がまだわかりません。そのため毎月の所得税は,月々の給与から大まかに算出される金額(源泉徴収税額表)が差し引かれています。実際は差し引かれすぎていることが多く,その分が12月に年末調整されて戻ってくることがあるのです。

 また1〜4とは別に,支給額が間違っていることもあるので注意。残業代,資格,役職手当がある人は,きちんと支給されているか確認してみましょう。

なぜ額面と手取りにこんなにも金額差が!?

 会社員は一般的に給与から,「税金(所得税,住民税)」,「社会保険料(厚生年金保険,健康保険,雇用保険など)」が差し引かれます。

 手取りは額面から保険料や税金が差し引かれた金額のため,給与明細でその金額を見ると「こんなに損をしている」と感じてしまいそうですが,決してそうではありません。払うことでさまざまな恩恵を受けているのです。

 例えば「厚生年金保険料」。老後に備える保険だと思って,毎月大きな金額を支払うことを不満に思う人もいるかもしれません。また少子高齢化で年金の恩恵が減ったと言われており,本当に払うことに意味があるのかと思う人も。

 しかし厚生年金保険のすごいところは,原則65歳(受給開始は60〜75歳から選べます)から老齢年金として「生涯にわたって」支給されるところです。

 ずっと支払っているため損をしているように感じるかもしれませんが,実は会社員の場合,約7年で支払った金額を回収できる計算になることも多いです。しかもそこからどんなに長生きをしても,終身でもらうことができます。

 また厚生年金保険には,「障害年金」と「遺族年金」などの保障が含まれています。

障害年金」は病気や怪我で障がいをおったときに受けられる年金,「遺族年金」は加入している人が亡くなったときに生計を支えられていた遺族に支給される年金です。

 「健康保険料」についても,毎月支払うことで,病気や怪我をした際に健康保険証を提示して,3割負担で治療を受けることができます。ひと月の医療費の自己負担額が9万円程度などと上限が定められる「高額療養費制度」が利用できるのも,健康保険料を支払っているからです。

 「雇用保険」に関しても,失業したときに失業手当(正しくは雇用保険の基本手当)をもらえたり,「教育訓練給付」など働いている間のキャリアアップのための給付金が受けられることもあります。

 しかも会社員の場合,月々の社会保険料は会社が半分(雇用保険については会社が半分より多く)負担してくれているので,支払う金額に対して得られる保障は手厚いと考えられます。

 社会保険料は4〜6月の給与を基に9月から支払う金額が決まります。そのため,残業などによりこの期間の収入が多いと,9月から社会保険料が高くなります。一方で保険料が高い場合,老齢年金や障害年金など,受給する際の金額も多くなるため,一概に損になるとも言えないですね。

給与明細は最低2年間保管しよう

 昨年同月と見比べて手当の有無や保険料の変化をチェックしやすくなったり,残業代の計算ミスなどに対する証拠になるなど,いざというときに給与明細は役に立ちます。ある程度の期間,保管することをおすすめします。

 給与明細は紙かデータのいずれかで渡されます。ずっと保管しておくのは大変だと思いますが,比較しながら確認できるという意味で2年間分は保管するのがおすすめです。

 最近ではデータの給与明細が増えていますが,その場合は自分のパソコンにダウンロードして保管すると,もし会社を辞めても確認ができます。紙の給与明細の場合も,スキャンしてパソコンに取り込むなどし,一定期間は保管をしておきましょう。

ファイナンシャルプランナー風呂内亜矢先生

 1級ファイナンシャル・プランニング技能士,CFP®認定者。「つみたてNISAの教科書(ナツメ社)」など約20冊の書籍のほか,テレビ,ラジオ,雑誌などのメディアで「お金に関する情報」を発信している。YouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」では日常の記録にお金のTipsを交えた動画を更新。

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>