悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

間取り図より狭い?マンションを買うときに確認したい建物の面積(知っていそうで知らない?ご存知の方にとっては再確認)(2)

<実際に使える面積は?>

 一方、(2)については内法(うちのり)面積といい、マンションの場合には、登記簿に記載される面積になります。実際に使用できる壁の内側を測るので、当然のことながら壁芯面積よりも小さくなります「部屋の面積はどのくらいか」と考えたときに、多くの方は、この内法面積のイメージするのではないでしょうか。  

 なお、戸建てなどの一棟の建物の場合は、登記簿も(1)の壁芯面積と同様の面積を用いるので、間取り図と登記簿面積のいずれもが、実際に使用できる部分よりも大きく表記されています。

 また、(1)、(2)のどちらの測り方でも、室内ではないバルコニーなどは建物の面積には入りません(図表2,3)。 

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 つまり、実際に物件を見に行った時に、「間取り図より狭い気がする」と感じたのであれば、その感覚は正解です。しかし実際のところ、キッチンや棚などの部屋の設備や収納の大きさや配置によっても、感じる部屋の大きさが異なり、見ただけでは、壁芯面積と内法面積の違いは分かりにくいものです。また、見学の際に、部屋の面積や壁と壁の間の距離を測る人はあまりおらず、違いに気づく人は少ないのではないかと思います。

<がっかりしないために>

 なお、建物を借りる人は、さほど気にしなくても良いと思います。実際に使用できる部分が間取り図より小さいと分かれば、ちょっと損した気分にはなりますが、壁芯面積と内法面積の違いによって、金銭の損益に関わるようなことはほとんど生じないからです。また、どうしても狭く感じられて気に入らないのであれば、住み替えという選択をすることも可能です。

 しかし、マンションを買う人は、壁芯面積と内法面積の違いについて、あらかじめ知っておいたほうが良いと思います。多くの場合、取引の最初に目にする面積は物件の募集広告に記載される広めの壁芯面積である一方で、取引の最後に目にする面積は登記簿に記載される狭めの内法面積です。これらの違いについて知らなければ、最終段階で、はじめて、思ったより建物の面積が小さかったと気づき、少しがっかりすることになるかもしれません。

 なお、住宅取得控除を利用する場合は、適用条件は登記簿の面積、つまり内法面積が判定基準になるので、間取り図の面積が適用条件の面積(40㎡または50㎡)ぎりぎりのマンションを買う際には、注意が必要です。もし内法面積が適用条件を下回れば、住宅取得控除を受けられなくなります。マンションを買いたい場合で、気になる物件があれば、購入の申し込みをする前に、内法面積を確認しておくと良いと思います。

 

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