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病気やケガで利用できる「お金」の制度のチェック(1)

はじめに

 病気やケガで入院をするとは,誰にでも起こりうることで,心配です。そして,この場合の心配というのは,「お金」にまつわることでしょうか?

 そこで,病気やケガにまつわるお金の制度について,もし入院ということになってもお金の心配をしなくてもいい制度を紹介します。

 

1 国民全員が加入している健康保険制度

 日本国民は,原則ほぼ全員が健康保険に加入しています。これを皆保険制度と言います。

 6歳以上70歳未満の人は,かかった医療費の自己負担割合が原則3割,6歳未満は2割負担,70歳以上は,1割~3割負担です。例えば,3割負担の場合は,医療費が1万円かかったとしても,自己負担額は約3000円になることです。

 

2 自己負担の上限が決まっている高額療養費制度

 それでは,入院や手術をして100万円の医療費がかかった場合,自己負担が3割の約30万円です。

 しかし,高額療養費制度があるので,一般的な所得の人は,月額約9万円前後の負担で大丈夫です(負担額の上限は所得により異なります)。窓口で30万円の負担をしても,後で申請すれば,その差額が戻ってきます。

 また,先に「限度額適用認定証」を提出しておくと,窓口での医療費の支払いは9万円前後で済ませることができます。

 さらに,過去12ヵ月以内に3回以上,上限額に達した場合には,4回目から「多数回該当」に上限額が下がります。一般的な所得の場合には限度額が4万4400円になります(所得により異なります)。

 

3 病気やケガで働けない状態が続くと傷病手当金が出る

 もっと重い病気やケガで働けない状態が続くと,収入がなくなるかも知れないので,とても不安です。このようなときには「傷病手当金」があります。

 会社員や公務員では,連続4日以上働けない状態が続いた場合には,給料(報酬月額の平均)の3分の2の金額を受け取ることができ,その期間は最長1年6ヵ月です。

 これで,ある程度の生活資金は確保することができます。

 

4 重い障害になった場合には「障害年金」を受け取れる

 もし1年6ヵ月以上,働けなくなった場合には,障害年金があります。障害年金は「障害基礎年金」「障害厚生年金」の二つがあり,条件を満たせば支給されます。

 

5 75歳からは「後期高齢者医療制度」に変わる

 年齢が上がれば,身体の不調や入院をすることも多くなります。75歳以上の人は,それまでの健康保険が終わり,すべての人が後期高齢者医療制度に変わります。

 原則的には1割負担になります(現在2割負担に改定の議論もあり。現役並みの所得の人は3割負担)。75歳以降の医療費の負担はグッと少なくなります。また,高額療養費制度の限度額も下がります。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>