悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

もしも孤独死したらどうなるか?

 以下は,マネーポストWEB提供記事(女性セブン2022年12月1日号)のほぼほぼコピペです。

 日本は核家族化が進み,独居老人が増えている。それに加え,「新型コロナに感染させたくない」という気遣いから近隣住民や家族と会わず,ひっそりと高齢者が亡くなるケースが目立っているという。いまや,孤独死は誰にでも起こり得ること。もし,あなたや親,家族が孤独死したらどうなるのだろうか──。

ひとりで最期を迎えたら,遺体の引き取り手はどうなる?

 内閣府がまとめた「令和4年版高齢社会白書」には,東京23区内における「ひとり暮らし」かつ「65才以上の人の自宅での死亡者数」が報告されている。それによれば,2011年は2618人だったが,9年連続で増加し続け,2020年には4238人に。その数は1.6倍になっている。

 もし孤独死した場合,遺体はどう扱われ,どう葬られるのか。また,残した財産などの手続きはどうなるのだろうか。弁護士で『孤独死をめぐる法律と実務』の著書がある武内優宏さんが解説する。

「自宅で亡くなった場合,不審死として扱われ,遺体はまず警察署の霊安室に運ばれます。事件性がないと判断されると,警察は親族など遺体の引き取り手を捜します」

 遺留品からたどり着くこともあれば,戸籍などで調べることもあるという。親族がいれば引き取ってもらい,火葬・葬儀を行うケースが多い。

「誰も引き取ってくれない場合,自治体が提携する葬儀社に依頼して火葬となりますが,費用は遺留品を処分するなどして充当することになっている。当座は自治体が立て替えて扶養義務者や相続人に請求することになっていますが,実際には自治体負担が多いようです」(武内さん・以下同)

 家族や親族でも,突然自治体から疎遠だった人の遺体や遺骨の引き取りを要請されても,引き取りたくない場合もある。

「かなり遠い親戚でも,連絡がくることは充分に考えられます。しかし,遺体や遺骨の引き取りは拒否もできます。もちろん,きちんと見送ってあげたければ,引き取ることも可能です。遺骨が引き取られない場合,自治体によっては無縁墓に合祀されます」

 実際,ほとんど会ったこともないような親族の遺体引き取りを要請されるケースもある。

「私の担当したケースでは,6親等も離れている人に連絡がきたケースがありました。いとこが4親等ですから,それよりさらに2つも遠い関係。そのケースでは,警察の要請に応じて遺体を引き取り,自費で手厚い葬儀を行いました。法定相続人になるのは甥や姪までなので,遺体を引き取っても相続人にはなれません。遺体を引き取り葬儀まであげたのに,故人の遺産は国庫に帰属してしまいます」

 遺体を引き取る親族がいれば,死亡届も出すことになるだろう。もし,親族がいなかったり,引き取りを拒否されたら誰が出すのか。

「死亡届を出す義務を負う人は戸籍法に規定されており,同居の親族やそのほかの同居者,家主,地主または家屋もしくは土地の管理者が挙げられています。義務を負わないものの届け出できる人としては同居以外の親族や後見人,補佐人などです。これら死亡届を出す人が誰もいない場合,警察から地方自治体に対して死亡通知がされ,死亡届を出す必要がなくなります」

遺体の引き取りと相続は別問題

 遺体や遺骨の引き取りを拒否すると,遺産相続も受けられなくなりそうに思える。

「遺体引き取りと相続とは別問題であり,拒否しても相続には影響しません」

 自分が相続人となる場合,まずはほかに相続人がいるかどうか確認し,その全員を捜さねばならない。

「遺産分割協議は一部の相続人だけで行うことはできず,すべての相続人が参加する必要があります。行方不明の人がいる場合は捜し出すほか,裁判所に申し出て不在者財産管理人という代理人を選任してもらう,相続人が死亡したことにして除外するなどの方法を取る必要があります」

 故人に財産があったとしても,相続すると負債も引き継ぐことになるため,借金の有無を確認することが重要になる。特に孤独死の場合,故人の滞納家賃や特殊清掃などの原状回復費が請求されることもある。

「金融機関からの借り入れは,信用情報を照会するとわかる。CICやJICC,全国銀行個人信用情報センターの3つに問い合わせると判明します。ただ,個人的な借入金などはわからない。もし負債の方が多い場合は相続放棄も可能です。その場合,原状回復費用は大家さんの負担になります」

 相続するか,放棄するか。見極めは慎重にならざるを得ないが,どのくらいの猶予があるのだろう。

相続放棄は,相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。裁判所に申し出て認められれば期間が延長できることもあります」

 相続人がいなくても,故人と生計を同じくしていた人や,療養看護に努めた人などは特別縁故者として,裁判所に清算後に残った相続財産の全部または一部を分与するよう請求することができるという。

「かなり親しい人が孤独死した場合で本人に身寄りがなければ,友人であっても火葬や葬儀をすることはできます。同居していなくても精神的支柱だったなどの理由で特別縁故者に認められる場合もあり,やってみて損はありません」

 数多くの孤独死ケースを知る武内さんは「肌感覚」と前置きしてその特徴をこう言う。

「圧倒的に男性が多い。やはり女性は社交的な人が多く,社会とのつながりを持っていることが多いようです。女性からしたら父親や自分が先に逝った場合の夫が心配です」

 佐々木さんはこんな見方だ。

「特殊清掃を依頼された部屋が,きれいに整頓されていたケースはありませんね。逆に,ゴミ屋敷の清掃を依頼され,現場で遺体を発見したことはあります」

 孤独死は,どうすれば避けられるのか。

「ひとり暮らしである以上,生活の場である部屋で死ぬのは仕方がない。だからこそ,いかに早く見つけてもらえるかがカギになります。郵便局が提供するものなどの『見守りサービス』は増えており,不安がある人はそれらの利用を考えるのも一案です」(武内さん)

 立つ鳥跡を濁さず。できる限り予防策を講じておきたい。

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>