悲喜こもごも

読むと得も損もあり!

帰属家賃で考える住居の「賃貸vs購入」(1)

 以下は,コミュニティみらい研究所代表の朝倉継道氏が執筆したものを加除訂正したものです。

 

帰属家賃って?>

 帰属家賃とは,持ち家に住む人も,実は自分の家に家賃を払っている(持ち家に住む人は,自分自身に家を貸す事業主である)とみなす,経済上の概念です。つまり,持ち家への居住がサービス消費等を構成するというものです。

この概念を応用して,「賃貸vs購入」を考えます。 

<永遠のテーマとその結論:今は「購入が得」との結果が出やすい>

 35年ローンと平均的な頭金額を想定した,住宅を購入した場合の40年程度の総住居費を割り出しつつ,賃貸に住み続けた場合のそれと比べていくと,通常,答えとしては「購入が得」との結果が出やすいのが,いまの傾向です。

 また,現在,購入の場合に手元に残る物件資産への評価(最後はこれを支出全体から差し引いて答えを出すことになる)を低く見積もったケースでも,トータルで購入の方が「お得」となる場合が多いのです。

 ちなみに,「いま」「現在」と,ここでかさねて記す主な理由は金利,いわゆる歴史的低金利の継続によって,家を購入する場合の総合的負担が,いまはかなり抑えられています。このことが,強力な下支えのひとつとなって,「不動産は買う方が経済上お得」との答えを生み出しやすい土壌が,主に都市部においては形成されているのです。

 もっとも,こうした,家は買うべきか,借り続けるべきかについて,本当は多くの人々が,初めから答えを持っています。それは,この問いが,実は損得ではなく価値観をでもあるからです。

 すなわち,家を持つことを人生成功のシグナルフラッグとして心に捉え,おそらく多数派であろう日本人において,この答えは自ずと決まっているのです。

 「家は買えるなら買う」が,その答えです。

 

お読み頂き,有り難うございました<(_ _)>