出来事
資産家の家に生まれたＡさんは結婚して，実家の近くに住んでいます。Ａさんには弟Ｂさんが一人いて，結婚して近くに住んでいます。母親が亡くなり，一人残った父親の面倒を，Ａさんが見ていました。父親が亡くなりました。葬儀や実家の片付けなどの気忙(きぜわ)しい最中(さなか)，Ｂさんがやって来て「手続が必要だから，実印を押して印鑑証明書も。ハンコ代くらいは出すから」と言われ，言われるままにしました。暫(しばら)くして，夫から「日頃，資産家を自慢していたんだから，何か相続したんだろう」と言われましたが，「弟からそのうち連絡があるから」と答えていました。
不安になったＡさんは，弟Ｂさんに「私が相続するものは何かしら，教えて頂戴。ハンコ代くらいはもらえるわね」と言った。すると弟Ｂさんは「俺が全部相続したよ。ハンコ代は出すよ」と言ったので，Ａさんは安心していた。
しかし，いつまで待ってもＡさんに弟Ｂさんから，ハンコ代は届かなかった。
＊Ａさんの実印・印鑑証明書は，相続財産の一切を弟Ｂさんが相続する「遺産分割証明書」等に使用されていた。
次回は，質問1の答えを予定しています。
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